プログラミングは関係ありませんが、論文を読む際のちょっとした工夫をご紹介します。
齋藤孝氏の三色ボールペンによる国語勉強法というのがあります。ずっと昔にこれを読んだことがあるので、私のは、これを論文を読む際に応用しているだけかもしれません。
端的に言うと、論文PDFで重要箇所に線を引く時に、ルールを設けて色分けをします。
- 黄色は、重要だと思われる箇所
- ピンク色は、更に加えて、常識、あるいは自分のこれまでの知識に反するような内容
- 水色は、新しい言葉です。論文の中で使われる略語やキーワードの定義の箇所に用いたり、単に自分の知らなかった単語にも水色を用いています。
このうち 1に関しては、特に言うことはないでしょう。2と3について少し解説を加えます。
ピンク色は「おや?」と思う箇所に用いる
常識、あるいは自分のこれまでの知識に反するような内容、つまり、「おや?」と思う箇所というのは、単にその論文の記載が間違っている場合もあるでしょうが、そうではなく、その分野の定説や、自分の持っている仮説が誤っていることを示す、重要な情報を含んでいる可能性があります。こういうものを一緒くたにしてピンク色で線を引くというのがアイデアです。
これを徹底していくと、黄色は重要な内容だけど驚きのないもの、ピンク色は重要かつ驚きを含むもの、というように区別されていきます。
何か新しい発見に関係あるようなものはこのピンク色のほうに多く見つかってくるのではないでしょうか。
水色は知らない言葉に用いる
これはプログラミングで言うと、新しい変数を宣言する箇所に水色を用いるようなものだと言えば、直感的に理解頂けるのではないでしょうか。
論文を読むに当たって障害となるのは、知らない言葉です。
既に知っている概念であっても、著者が使っている略語が分からなければ読めません。ですので、これは目を引くようにしておく必要があります。水色さえ押さえておけば、後はだいたい流れていくというわけです。
またIntroductionや、Methods, Discussion などで、重要なコンセプトについてまとめてあるような文章も、辞書的な意味で重要なので水色で線を引いておく。
単に知らない英単語や表現にも水色を用いて語彙の増強に使えるでしょう。
まとめ
やってみると、単にすべてをデフォルトの黄色で済ませてしまうのに対して、妙な快感、すっきり感があります。どうぞ、お試しあれ。