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Flask で未登録ユーザーの情報をまとめて定義する方法

Last updated at Posted at 2018-12-02

Flaskは、pythonの軽量なwebフレームワークとして有名です。
そんなFlaskで、ログイン機能を実装する際によく使用されるのが、「Flask-Login」です。

今回取り上げたいのは、未登録ユーザー(Anonymous)についてです。

webサービスを作っていると、未登録のユーザーの扱いに困ることが、度々あります。「idがない」「usernameを取得できない」など、登録済みのユーザーと同じ処理では扱えません。
こういう情報を、取得したいときに未登録ユーザーと登録済みユーザーを区別して、その都度条件分岐して処理するのは非常に面倒ですし、未登録ユーザーの情報が散らばってしまいます。「usernameをanonymousにしよう」「idは0でいいや」「addressは、地球でいいか」などが、コードのいろいろなところに、はびこることになるでしょう。

このような問題を解決するために、Flask-Loginでは、未登録ユーザーを管理するための「anonymous_user」というプロパティを指定できます。

この記事では、anonymous_userに特化して説明と実装をします。

目次

  • Flask-Loginの説明
  • anonymous_userの使い方
  • サンプルアプリの実装
  • つまったところ
  • おまけ

対象

  • Flask-Loginを使っているが未登録ユーザーの定義が散らばって困ってる人
  • flaskでアプリケーションを作っている人
  • pythonでwebサービスを作ろうとしている人

Flask-Loginの説明

Flask-Loginの公式サイトの文頭には、このように書かれています。

Flask-Login provides user session management for Flask. It handles the common tasks of logging in, logging out, and remembering your users’ sessions over extended periods of time.

つまり、Flaskで作られているアプリのログイン・ログアウトなどを管理してくれます。

Flask-Loginをインストールする

まずは、Flask-Loginをインストールしましょう。

$ pip install flask-login

LoginManager()のインスタンスを生成する

ログイン機能を管理するflask_loginのLoginManagerクラスを利用します。

app.py
from flask import Flask
from flask_login import LoginManager

app = Flask(__name__)
app.config["SECRET_KEY"] = "sample1202"

login_manager = LoginManager()
login_manager.init_app(app)

anonymous_userの使い方

デフォルトで定義されていること

flask_loginには、デフォルトで未登録ユーザーのいくつかのメソッドとプロパティが定義されています。

  • is_active and is_authenticated are False
  • is_anonymous is True
  • get_id() returns None

これらは、自分で何も定義しなくても呼ぶことができます。

未登録ユーザー情報をカスタマイズ

実際にアプリを作っていると、登録済みユーザーに使っている上記以外のメソッドやプロパティを未登録ユーザーにも適用したい場面が出てくるでしょう。

そのために自分が使用しやすいように、また、情報を散らばらせずにまとめて管理するために追加のメソッドとプロパティを定義します。

custom_anonymous_user.py
from flask_login import AnonymousUserMixin


# 未登録ユーザーのデフォルトのメソッドなどが定義されているAnonymousUserMixinをさせます。
class CustomAnonymousUser(AnonymousUserMixin):
    # プロパティとしても呼べるようにしておきます。
    @property
    def id(self):
        return 0

    @property
    def username(self):
        return "Anonymous"
    
    @property
    def address(self):
        return "earth"
    
    @property
    def age(self):
        return 99

app.pyにanonymous_userプロパティを定義します。

app.py
# 先程の内容の最下部に追記してください。

# CustomAnonymousUserは自分で定義するクラス
login_manager.anonymous_user = CustomAnonymousUser

サンプルアプリの実装

やはり実装してなんぼ!サンプルアプリを作っていきましょう。
ここまでの内容に少し加えて、正しく未登録ユーザの情報が取得できるか、ブラウザで確認してみます。

ディレクトリ構成

├── app.py
├── custom_anonymous_user.py
└── templates
    └── index.html

コントローラーを実装

コントローラー(flaskではviewsって呼ぶこともある)を書いていきます。

flask_loginには、current_userという便利な機能もあります。
current_userは、名前のままで、現在のユーザ情報を管理してくれています。current_userという変数は、もちろんコントローラーの中で使用できますし、ビューでも引数として渡さなくても使用できます。

app.py
from flask import Flask, render_template
from flask_login import LoginManager, current_user # ← current_userを追記

from custom_anonymous_user import CustomAnonymousUser

app = Flask(__name__)
app.config["SECRET_KEY"] = "sample1202"

login_manager = LoginManager()
login_manager.init_app(app)
login_manager.anonymous_user = CustomAnonymousUser

@app.route("/", methods=["GET"])
def index():
    return render_template("index.html")

if __name__ == "__main__":
    app.run()

未登録ユーザー管理クラスを実装

上記で実装したcustom_anonymous_user.pyの内容と全く同じ。

custom_anonymous_user.py
# 省略

ビューを実装

htmlも書きます。

templates/index.html
<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <title>サンプル</title>
</head>
<body>
    <h2>未登録ユーザー情報取れてる??</h2>
    <p>id: {{ current_user.id }}</p>
    <p>username: {{ current_user.username }}</p>
    <p>address: {{ current_user.address }}</p>
    <p>age: {{ current_user.age }}</p>
</body>
</html>

あとは、app.pyを動かすだけです。

$ python app.py

つまったところ

get_id()とかis_anonymousが使えないぞ?

原因:
カスタマイズした未登録ユーザー管理クラス(今回だとCustomAnonymousUser)にAnonymousUserMixinクラスを継承していなかったから。

未登録ユーザー用にデフォルトで定義されているget_id()とかis_anonymousを今後一切使用しない予定であれば、継承しなくても正常に動きます。

おまけ

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
少しでもお役に立てたのであれば、嬉しいです。

Renttleというサービスを開発中です。ぜひ、使ってみて、レビューをください。

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