#はじめに
現在のプロジェクトで、AIプログラムでPLC側のリレーを駆動する必要があり、関連技術情報を詳しく書いておく。
#リレーの構造
今回、PLCに設置されているリレーは、HONGFA製のHF18FF型である。
リレーの構造を下記の図に示す。
SPDTのスイッチを形成する接点部があり、ここが実際のPLC側のスイッチング動作を担当する。
このスイッチのON/OFFを動作するため、電磁石を利用し、接点部の稼働接点を動かす。
普段、コイルを動かす部分を1次側、実際のスイッチングされる部分を2次側と呼ぶ。なんで、こんな面倒なことをするかと言うと、1次側と2次側を電気的に絶縁するためである。下記の絵を見ると、リレー駆動電極とスイッチング電極は、コイルの磁場で連結されているが、電気的には分離されている。もし、2次側にサージなどが発生した場合、この絶縁構造により、1次側の回路は影響を受けないで済むことになる。
#リレーの特性
ミスミのHPに、このリレーの特性が書いてあったので転載する。
-定格電圧:リレーをDC駆動するとき、必要な電圧を言う。
-定格電流:リレーをON/OFFするために、コイルに流す電流のこと。これより電流が少なく流れると、コイルが動作しなくなる。
-動作電圧:リレーをON/OFFするための、閾値電圧である。このリレーは、24Vの80%の19.2Vを超えた時点でON動作をする。
-コイル抵抗:リレーのコイルの直流抵抗である。思った以上高くてびっくり。
-絶縁抵抗:リレーがOFFの状態でのスイッチの電気抵抗。1000メガΩ。要は絶縁されていること。
-接触抵抗:リレーがONNの状態でのスイッチの電気抵抗。接点の抵抗で100ミリΩ。
#回路シミュレーション上のリレー
リレーを回路図と書くと下記のようになる。
Spiceで、電圧制御スイッチング素子としてリレーを表現する。Spiceでは .modelという関数のようなものを用いる。
.model MY_Relay SW(Ron=100m, Roff=1000Meg Vt=19.2)
#リレー駆動シミュレーション
1次側に24Vを、2次側に100Vを連結し、間のリレーを利用して、2次側を動かす。
下記のようなSpice回路を作成する。
下記の図に、シミュレーション結果を示す。
上部は、1次側の電圧の波形。下部に2次側の電圧の波形を示す。
設計通り、リレー駆動ができていることが確認できた。
#まとめ
- リレーの構造と動作原理を理解した。
- リレーの回路をSpiceでシミュレーションし、動作していることを確認した。
#参考資料