問題
次の問いに答えなさい。
① $\cos^2 x$ をマクローリン展開し、$x^4$ の項まで求めなさい。
② $\tan x$ をマクローリン展開し、$x^5$ の項まで求めなさい。
知識
テイラー展開・マクローリン展開
$x = a$ でのテイラー展開:
$$
f(x) = f(a) + f'(a) (x-a) + \frac{f''(a)}{2!} (x-a)^2 + \frac{f'''(a)}{3!} (x-a)^3 + \cdots
$$
特に、$x=0$ でのテイラー展開をマクローリン展開という。問題で出てくるのはこちらが多い。
$$
f(x) = f(0) + f'(0) x + \frac{f''(0)}{2!} x^2 + \frac{f'''(0)}{3!} x^3 + \cdots
$$
倍角・3倍角・n倍角の公式
倍角・3倍角くらいまでは覚えておく。それ以上は導出方法を覚えておく。
倍角の公式
- $\sin 2\theta = 2\sin\theta\cdot\cos\theta$
- $\cos 2\theta = 2\cos^2\theta-1$
3倍角の公式
- $\sin 3\theta = 3\sin\theta - 4\sin^3\theta$
- $\cos 3\theta = 4\cos^3\theta-3\cos\theta$
n倍角の公式
$(\cos \theta+i\sin\theta)^n$ を展開すると、その実部が $\cos(n\theta)$, 虚部が $\sin(n\theta)$ になる(ド・モアブルの定理)。
偶関数・奇関数
-
原点について左右対称な関数を偶関数という:$f(x) = f(-x)$.
-
原点について点対称な関数を奇関数という:$f(x) = -f(-x)$.
-
微分可能なら、偶関数を微分すると奇関数に、奇関数を微分すると偶関数になる
-
奇関数は原点を通る:$f(0) = 0$.
一般化ライプニッツ法則(←NEW)
積の微分の一般化。
$f, g$ が $n$ 回微分可能の時、
$$
(fg)^{(n)} = \sum_{k=0}^{n} {n \choose k} f^{(k)}g^{(n-k)}.
$$
ここで、$f^{(j)}$ は $f$ の $j$ 回微分のこと。
解答
①
$y = \cos^2x$ とする。これを微分すると、
$$y' = - 2 \cos x \cdot \sin x = - \sin(2x)$$
よって、これ以降は簡単で
$y'' = -2\cos(2x)$, $y''' = 4\sin(2x)$, $y^{(4)} = 8\cos(2x)$.
$\cos x$ は偶関数なので、$x=0$ のとき、$y' = y''' = 0$.
その他の項については、$y=1$, $y''=-2$, $y^{(4)}=8$.
したがって、
\begin{align}
\cos^2x
&\sim 1 - \frac{2}{2!}x^2 + \frac{8}{4!}x^4 \\
&= 1 - x^2 + \frac{1}{3}x^4.
\end{align}
②
$y = \tan x$ とする。
$\tan x$ は奇関数なので、偶数次の導関数はゼロ。よって奇数次だけを考える。
ただし、直接微分すると商の微分がたくさん出てきて大変なので、次の工夫を考える。
$$
y \cos x = \sin x.
$$
両辺を微分すると、特に左辺は積の微分となって、
$$
y' \cos x - y\sin x = \cos x
$$
$x=0$ を代入して、$y' = 1$ を得る。
3次導関数については、左辺に一般化ライプニッツ法則を用いて、
$$
y''' \cos x - 3y''\sin x -3y'\cos x + y \sin x = -\cos x
$$
$x=0$ を代入して、$y''' - 3 = -1$ より、$y'''=2$.
5次導関数についても同様に、
$$
y^{(5)} \cos x - 5y^{(4)}\sin x - 10y'''\cos x + 10 y'' \sin x +5\cos x - y\sin x = \cos x
$$
$x=0$ を代入して、$y^{(5)} -20 + 5 = -1$ より、$y^{(5)}=16$.
したがって、
\begin{align}
\tan x
&\sim x + \frac{2}{3!}x^3 + \frac{16}{5!}x^5 \\
&= x - \frac{1}{3}x^3 + \frac{2}{15}x^5.
\end{align}