ARスタートアップのLevetty株式会社の岩佐と申します。
今回は今一番ホットなARライブラリであるVuforiaの説明をしていきたいと思います。
Vuforiaとは
Vuforiaは、iOSやAndroid、PC、HoloLensといったAR/MRデバイスに対応したAR開発プラットフォームです。
VuforiaはPTCが提供していますが、元々はQualcommが開発しており、2015年にPTCがVuforia事業を6500万ドルで買収しています。
AR開発では定番のUnityに標準でVuforiaがサポートされている点も素晴らしいです。
マーカートラッキングを非常に得意としており、特徴点の多い(複雑な)画像であればほとんどぶれることなく3Dオブジェクトを配置することができます。
AR名刺作りましたー!☺️
— こーや@AR大学生 (@reo2317) December 11, 2019
良い自己紹介動画がなかったので、プロボクサーに殴られてる時の僕を起用しました! pic.twitter.com/RVKPR5T4zY
これは僕がAR名刺をUnity+Vuforiaで作った時の動画ですが、ほとんどぶれていないのがわかるかと思います。
Vuforiaの特徴
Vuforiaの一番の特徴は、簡単に正確なマーカートラッキングをすることができるところです。
画像をアップロードして、ImageTargetを配置して、その配下に3Dモデルを置くだけでARアプリが作成できます。
Extended Trackingという機能で、動かない対象物をマーカーにした場合にこの機能をオンにすると、カメラ内にマーカーが映らなくなってもカメラ外のどの位置にマーカーがあるのか推測して処理してくれます。
Ground Plane機能もあるため、平面検知をしてそこに3Dモデルを配置することもできます。
Unity+Vuforiaで開発する場合、図のように対応デバイスの差異を気にしなくて良いのがとても便利です。
Swift+ARKitでiOSアプリ開発をしたことがありますが、AndroidではKotlin+ARCoreを使うため全く別の言語とフレームワークを使う必要がありますが、Unity+Vuforiaではそういった違いを全く気にすることなく実装できます。
Vuforiaを用いたアプリ
デレステAR
アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)に昨年AR機能が追加されました。
島村卯月ちゃんが目の前に現れました!
Twitterで#デレステARで検索するとたくさんの方が呟いていて、かなり盛り上がっています。
すごく面白いと思うところは、観光スポットに行った時にアイドルを映えさせるという新たな体験が生まれています。
ほぼ日のアースボール
ほぼ日のアースボールは地球儀型のボールで、普通のボールのように子供が遊ぶことができます。
個人的にARと相性が良くて面白いなと思ったのは、地球儀のように球体で凸凹を表現できる「でこぼこ地球」です。
2次元を3次元に拡張する例として、凹凸の表現はとても面白いです。
Vuforiaの未来
Vuforiaは2次元のマーカーや、3次元の物体をマーカーとすることを非常に得意としています。
ブレがほとんどないため、街中で流れている屋外広告のうちの1つが実はARで置き換えられていてもなんら違和感はなくなります。
これがAR/MRデバイスで実現されると、日常の中で不要なものはブロックすることができ、みたいものはより最適化されるようになります。
屋外広告の動画も、視認した瞬間は動画の途中です。
これが、AR/MRデバイスで再生する場合は自分がみた瞬間から動画を再生することができ、リンクに飛ぶことも可能になります。
現実世界の個人最適化を推し進めることが非常に得意なのではないかと思っています。
屋外広告で考えられる未来として、屋外広告でバスケをしてギガが貰えるというでもを作ってみたので興味があればこちらもご覧ください。
いくつか実現しそうな未来を挙げてこの記事の終わりとしたいと思います。
電車の案内
僕は電車内でイヤホンをよくしているのですが、気づいたら乗り過ごしていたなんてことがよくあります。
駅の表示はNext Stationばかりで、自分がいきたい目的地の駅はたま〜に何駅先か教えてくれますがよくみてないと見過ごしてしまいます。
そんなのも10分後に〇〇駅です、出口はこっち側とずっと表示し続けてくれるようになると思います。
店のメニュー
店のメニューは画像がない場合が結構あります。
店のメニューをみつつ、その食事が机の上に現れて分量が調整できたりどんな食べ物かわかるようになると思います。
ただこれは1つ1つのメニューに3Dモデルが必要なので、最初は画像の表示とかから始まるのかなと思います。
アート
ひょっとして、コラージュのほうのARをスッキリでご紹介頂いてますか???
— pictPOP - ピクトポップ (@pictPOP) October 7, 2019
こちらのARには絵が動くだけでない仕掛けを入れさせていただきました。みなさま、気がついて頂けましたでしょうか?#BISTROJ_OCAFE #BISTRO_J_O #稲垣吾郎 #新しい地図 #pictpop #AR #アート pic.twitter.com/dRHDvLFas8
これはpictpopの例ですが、二次元の作品を3次元に拡張することができるというところが僕はすごく好きです。
もうひとつ、アートでARが活躍すると個人的に思うのは、スマホやタブレットで作品をかざした時に2面性を表現できるところにあるかなと感じています。
例えば、とても笑っている人の作品があるとして、かざしてみると泣いているとか。
人前では無理して笑ってるけど、実はとても悲しくて泣いているという表現ができそうだなと思いました。