はじめに
「美大式ビジネスパーソンのデザイン入門」が素晴らしかったので、
デザイナーの方たちと仕事する時に気をつけたいことを自分なりに言語化したものになります。
なお、書籍からの感化だけではなく
自分が携わっているプロジェクト(PJ)を通して感じていることを合わせた2章でまとめています。
- PJを通して感じていること
- 書籍「美大式ビジネスパーソンのデザイン入門」を読み終えて
PJを通して感じていること
HRTの精神を忘れない
こちらの書籍で有名なHRTです。
HRT = 「Humility(謙虚)」、「Respect(尊敬)」、「Trust(信頼)」
私たちが1行のコードを書くのに1日かけたことがあるように、
出来上がってきたデザインが(我々からみて)シンプルだったとしても、我々からは見えない多様なプロセスを得て出来上がってきたものです。
成果物に対して敬意を払い、建設的に議論をするように心がけたいです。
お手並み拝見しない
HRTの精神も、過度になると相手に対して「お手並み拝見」モードになる危険があると思っています。
プログラマーに得意不得意があるように、デザイナーだって同じはずです。
もし我々が一緒に仕事をしているデザイナーがネイティブアプリのデザイン経験が浅かった場合、
普段からネイティブアプリの開発をしているプログラマーの方が
デザインのTipsやユーザがつまづきやすいポイントなどを過去事例から知っていることがあるかもしれません。
HRTが間違った方向にいって
「自分はデザインのことは門外漢だから(Humility)、デザイナーの腕前見せてもらおうか(Trust)」
なんてスタンスでいたら対等な議論ができませんし、
もしかしたら普段からネイティブアプリを開発しているあなたなら、
いいレスポンスができるかもしれません。
「プログラマーからこんな指摘するのは失礼かな」
「上がってきたデザインはデザイナーの考えたものだから、完璧なはずだ」
と感じて建設的な議論ができなくなっては勿体無いです。
議論をしていた未来ではより良いプロダクトが生まれていたとしたら、悲しいですね。
プロダクトの成功を考えて、プログラマーとデザイナーが対等に同じ方向を向いて議論できる、HAPPYなチームを目指していきたいです。
書籍「美大式ビジネスパーソンのデザイン入門」を読み終えて
今年読んだ本の中で上位に面白かったです。
「デザインはあいまいなもの」
「デザインは主観的で議論なんて出来ない」
こんな考えを払拭してくれる本でした。
全ての章が面白かったのですが
デザイナーとコミュニケーションをとる上で気をつけたいな と思った点は以下3点です。
- 目的から話す
- 漠然とした言葉遣いをしない
- 具体的すぎる指示をしない
目的から話す
例えばダイエットでお腹を凹ましたくてジムに行っていきなりインストラクターに
「腹筋を鍛えるトレーニングを教えてください。」と伝えたら、
いくつかのバリエーションのトレーニングを教えてくれるかもしれません。
しかし、そもそもお腹が出ている原因が姿勢の悪さや腹筋以外にあった場合、根本解決にはなりません。
ジムにきた目的からトレーナーに話せば、
姿勢を良くするためのトレーニング方法など自分では思い浮かばなかった打ち手が返ってきたかもしれません。
デザイナーの方とコミュニケーションをとるときも同じで、
自分が見つけたデザインをベースに「こういうものを作りたい」といきなり伝えるのではなく、
目的を伝えた上で一緒に打ち手を考えてもらうようにしていきたいです。
漠然とした言葉遣いをしない
「かっこいい感じ」「かわいい感じ」などの言葉は便利ですが、
かっこいいにもストリート系のかっこよさや、モード系のかっこよさなどがあります。
人によって認識の違う言葉を使わずに、
一歩踏み込んで詳細に伝えて自分の意図が正しく伝わるようにしましょう。
私も、できるだけ詳細な解像度の高い言葉で伝えるよう努力していきたいです。
(その時が来た時に出来るかどうかは、自信がありません。)
具体的すぎる指示をしない
目立たせたい文字があったとして
「この文字を太くしてください」
と伝えるのではなく、
「ここをもっと強調させたいのですが、どんな方法がありますか」
と打ち手を教えてもらう(一緒に考える)ようにしましょう。
文字を目立たせる方法は太字にする以外も、色を変える/下線を引く/周りの文字を薄くする/配置を変える
など色々な方法があります。
自分で思い浮かんだ打ち手をそのまま伝えるのではなく、
目的ベースで会話をしていくよう心がけていきたいです。
書籍「美大式ビジネスパーソンのデザイン入門」の紹介
筆者の稲葉さんはデザインの役割を次の3つに定義し、
それぞれの役割をわかりやすく掘り下げてくれました。
- 視覚から情報を伝える
- 感性的価値を作る
- 人間中心で考える
また、これらを経営の川上から意識していくことが大切だと説いています。
気になった方はぜひ書籍を手に取ってみてください。
私にっとてのデザイン入門最初の1冊だったので
今は偏りがあるかもしれませんが、少しづつでもデザインに関する知識を広げていけたらいいなと
思うきっかけになりました。
また、人とコミュニケーションをとるときの気づきもたくさんありましたので、
読んでよかったです。