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海外講演を通じて得られた知見(英語力+α編)

Last updated at Posted at 2019-12-24

この記事は NTTテクノクロス Advent Calendar 2019の25日目(最終日)です。

こんにちは。NTTテクノクロスで、エバンジェリストとして活動している神原です。普段は主にモバイル関連の開発や技術支援、国内外の講演、ソフト道場研修講師社外向け技術ブログ執筆(モバイル関連)CSR活動(学生向けIT/キャリア教育)などを行なっています。また、プライベートでは、ランニングと英会話に目覚めて、日夜(?)取り組んでいます。

海外講演の変遷と気づき

今回は、私がエバンジェリストとして取り組んでいる講演のうち、主に海外向け活動で得られた知見について紹介したいと思います。これまで以下の海外カンファレンスで、モバイル/ウェアラブル関連の講演を実施してきました。古いものから新しいものへの順に、カンファレンス名(セッションタイトル)を列挙します。

  • Droidcon London (Developing Apps for Android on 2.x/3.x/4.x)
  • Droidcon Paris (Multi-Versioning Android Apps)
  • Droidcon Amsterdam (Developing Cross-Platform Apps)
  • Droidcon Madrid (Developing Android Wear Apps)
  • Droidcon Stockholm (Introduction to Android Wear)
  • DEVOXX Ukraine (Developing Cross-Platform Apps using Flutter)
  • DevFest Pisa (Best Practices and Tips
 in Flutter App Development)
  • Droidcon Kenya (Accelerate Flutter Apps Development)

自身にとっての初めての海外講演は、Droidcon Londonで2012年のことでした。こちらがそのときの様子です。(どうでもいいことですが、昔の自分を見ていると色々と懐かしいです😅)

droidcon_uk_2012.jpg

その時期のAndroidアプリ開発は、複数のOSバージョン(2.x/3.x/4.x)が市場に混在することを考慮しなければならないという問題が顕在化し始めていました。また、Android搭載端末の画面サイズも多岐にわたるため、画面レイアウトが崩れることなく、適切に表示されるようにするには、発生しうる課題を意識した上で設計や実装を行わなければなりませんでした。みんな大好き(?)Fragmentが出てきたのもこの時ですね。

幸いなことに仕事やプライベートを含め、多くのアプリ開発を通じてノウハウを獲得できていたので、コンテンツ化し、まずは社内向けに研修や勉強会を通じて水平展開しました。余談ですが、かつてのAndroidと言えば、Platform Architectureの図や4大要素が最初に思いつく方は同じ時代を生きてきたんじゃないかなという予感がします。その当時、社外勉強会にも顔を出すようにしていました。さまざまなエンジニアの方々と話をしていると、自分も社会やコミュニティ、そして世界に対しても技術面で貢献したいという思いが高まっていきました。そこで社外勉強会や国内カンファレンスでの登壇を経て、海外講演にも挑戦していったという経緯があります😇

その後は、Androidだけでなく、ウェアラブル関連、クロスプラットフォーム開発(Flutter)などに自分の得意分野を広げ、新しいテーマでも海外講演に取り組んでいます。これら活動で得られた知見をご紹介します。

海外カンファレンスへの参加・講演を通じて得られた気づきは、挙げるときりがないほどあるのですが、特に重要だと実感しているのが、 目的を意識した英語力 です。

目的を意識した英語力

初めての海外登壇が決まった時(2012年)に、最大の課題となったのが 英語力 です。この時点では当然、海外で発表した経験もなく(英語にはむしろ苦手意識を持っていました😅)、mm月dd日に発表というゴールだけ決まっていました。その時は初めての経験ゆえ楽しみな気持ちはあったものの、正直に言えば、英語に関する不安の方が格段に大きかった記憶があります😅

英語力といっても、 Reading(リーディング)Writing(ライティング)Listening(リスニング)Speaking(スピーキング) の4つの技能があります。それぞれ密に関係しているものの、個人的には、別スキルだと認識しています。言い換えると、仮にどれか1つが得意だからといって、他のもできるかというと全く別の話です(と少なくとも自分は考えています)。例えば、TOEIC L&Rが満点だとしても、英語を話せるかというとそうではないケースもありますよね。当時の自分は、Androidアプリの開発を行う過程で、英語のドキュメントを大量に読んでいたこともあり、リーディングは何とかなるかなあというレベルでした。が、その一方で、残りの3つ(Writing、Speaking、Listening)に関しては、どうしようという状況でした😅

英語でプレゼンするときに、特に重要となるのが、Writing(スライド作成)とSpeaking(プレゼン)です(もちろん、プレゼン後の質疑応答にListeningも必要となるのですが、今回は割愛します)。当時を振り返りながら、どう乗り越えていったかを紹介します。

海外講演に向けて、途方にくれていても仕方ないので、まず発表スライドを英語で作っていくことにしました(Writing)。英語での技術プレゼンならではの慣習や表現など分からないことだらけだったので、 Speaker Deckslideshareなどにある技術系英語スライド を必死に見ました。気になる技術キーワードやカンファレンス名で検索することで、発表資料を見つけることができるはずです。これらのスライドを通じて、 導入、内容、結論に至るまでの流れや、スライド内の文字・図表の分量、画像の使い方などの慣習的なもの を感じ取ることができました(と言いつつ、特に明確なルールがある訳ではないので、先例を参考にしつつも最終的には自分が表現したいように作るのが良さそうです)。いまだに、「英語スライド作りを完璧にマスターした!😀」とはほど遠い状態ですが、何とかスライドを作り上げることができるようになりました。登壇後に参加者と話をする中で、こういう表現の方がベターだったと学ぶことも多々あるので、「習うより慣れろ」を身を持って痛感しています。色んな気づきを与えてくれた、世界の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

次に、当日のプレゼンについてです(Speaking)。残念ながら、初めての海外講演時には、頭にあることをその場で英語で話すスキルはまるでありませんでした。そこで、「文字で書き起こせないことを当日話せるはずがない!」と悟り、話そうと思っている 全てのセリフを事前に考え、文字で書き起こしました 😅。そして、スライドのノート欄にもメモとして入れる作戦を取りました(いわゆる、カンペですね😋)

english_slide.png

最初はそのノート欄を見ながら、発表練習しました。ただ、実際にやってみると、 メモが目に入ると、視線がそこに集中してしまい、単純に文章を読み上げているだけの我ながらつまらないトークに なっているように感じました😅そこで、 Google I/Oなどの技術カンファレンスの動画 を見ることで、一流の技術者がどのようにプレゼンしているのかを研究しました。すると、伝えようとする内容が、スライドの文字情報というよりは、表情や言葉、ジェスチャーなど、スピーカー本人からヒシヒシと伝わってきていることに気づき、ゾクゾクした記憶があります😀

その後、見よう見まねで何度も練習して、メモをできるだけ見ずに、 自分の言葉で話すように 心がけました😀そうは言いつつ、初めての海外講演を振り返ると、最終的に丸暗記した英語をただ話しただけのレベルに近かったのではと反省しています、、(が、何とか無事に終えることができました。)その後、英語での講演機会を重ね、参加者の皆さんに少しでも楽しんでもらい、何かを持ち帰ってもらえるように意識する余裕を持てるようになってきました。1つTipsで、 英語が母国語でない国で講演するときは、現地の言葉で少しだけでもいいので挨拶する と喜んでくれることが多い気がします。DEVOXX Ukraineのときは、現地スタッフに相談したら、一生懸命、ウクライナ語を教えてくださいました。ありがたいことです。↓がそのときのメモです。思いを伝えれば、きっと快く協力してくれるのではないかと思います!😀

ua_memo.png

また、 デモは非常に効果的(ライブデモだと、さらにベター) という実感を持っています。セッションの後に、「もう1度デモを見せて欲しい。」「こういうことはできるの?」と聞かれたりするので、おすすめです!(↓はDevFest Pisa 2019のときの写真です。デモ中の写真がなかったのですが、当日はFlutterにおける画面作りの流れを実演しました)

devfest_pisa_2019.png

海外カンファレンスに参加すると、他国の人々と交流する機会もあります。そのときにおすすめなのが、 自分が作ったサービスやプロダクトがあれば、お互いに見せ合う というものです。自分はプライベートで、 セカイフォン(リアルタイム翻訳) というアプリを作っていることもあり、会話のきっかけの1つとして、毎回のように遊んでもらっています😀もう1つ大切なのが、 自分から話しかける ことだと思います。自分も最初はどきどきでしたが、やってみると意外に通じるものです。こういうつながりはとても大切で、ある国で知り合った開発者と、別の国で再会したり、次の登壇のきっかけになることもあります。 「世界各地での出会い(点)がまさに線となってつながる」 感覚があります。2019年8月に、Droidcon Kenyaで登壇させていただく機会がありました。そのときは現地参加者に日本人は私1人という状況でしたが、お互いの取り組みを紹介していると、仲良くなることができました(↓がそのときの様子です)。 折れない心とコミュニケーションしたいという熱意があれば、なんとかなったりします(失敗して経験を積んでは次に活かすを繰り返していけば、成長できると考えています)

droidcon_ke_2019.jpg

ごちゃごちゃ書いてしまいましたが、 英語力の向上に大事なのは、 「自分のレベルはどれくらいで、どういうことを目的に、どのスキルをどれくらいのレベルになりたいか?」をしっかりと分析し、それに合った学習をすること だと実感しています。幸いなことに、英語を学ぶコンテンツは、無料/有料、書籍/オンラインコンテンツを含め、無数に存在しています。自分が以前、リスニング力を高めるために良い教材がないかと調べていると、某国の連続ドラマがとてもいいよという情報を見つけることができました。早速、実際に見たのですが、個人的には中身にまるで興味が沸きませんでした(楽しいと思えなかったので、即やめました😅)逆に、訪れたことのない国の紹介や、開発者カンファレンスなどの動画は楽しいので、ワクワクしながら見ています😀

このように、 目的や嗜好、レベルに合う学習教材は、人によってバラバラなので、他の人のおすすめとかにあまりこだわらず、自分の興味があるものを探してみるのがベスト だと思います。 仮に日本語版が存在したとしても見たいと思わないコンテンツは、英語版だとなおさら辛いだけではと思います。偉そうに書いてしまいましたが、そんな自分も海外を訪れたときにもっと話したり、交流したいという思いが猛烈に高まっていて、オンライン英会話に取り組む毎日だったりします、、、😅

エンジニアという仕事について

エンジニアは、 「良くも悪くも一生学び続ける必要がある仕事」 だと実感しています。今回は、英語力にフォーカスして書きましたが、当然、技術力についても同様です。例えば、自身が専門としているモバイルの分野でも、その他の分野においても、取り巻くビジネス環境や、それを支える技術が日夜変化し続けています。アプリ開発1つを取っても少し前の開発方法では世間ではまるで通用しないといって過言ではない状況です。そんな状況ゆえ危機感も半端ないのですが、新しい技術に触れるやりがいや楽しさの方が大きいので、この仕事を選んでよかったなあと感じています。

世界中に、すごいエンジニアはたくさんいます。自分もそういった方々の背中を追いかけ、追いつくためには、常に自分を高め続けることが必須だと感じています。具体的には、 「インプットとアウトプットをバランスよく無限ループ😇」 かなと思っています。どちらか1つだけをやっていてもうまく回らないなあという実感があるためです。今回、スペースの都合で触れることができませんでしたが、 エンジニアとして意識しておくとよいかもしれないこと は、会社ブログ記事(Androidで深まったエンジニアとしての歩み)で書いていますので、よかったらご覧ください。特に新しい技術が大好きなので、これからも新しいことにもチャレンジしていこうと考えています。

おわりに

今回は、エバンジェリストとして取り組んでいる海外講演活動から得られた気づきについて、ご紹介しました。このような活動に継続して取り組めているのも、会社や仲間など周囲の理解と協力があったからこそだと思います。いつもありがとうございます。そして、現地で出会ったたくさんの人たちにも感謝の気持ちでいっぱいです😀今年のNTTテクノクロス Advent Calendarでは、Web/モバイルアプリ開発クラウドAI/機械学習ブロックチェーンPostgreSQLAWSサイバーセキュリティなどの専門家が記事を書いてまいりました。

改めて、NTTテクノクロス Advent Calendar 2019の記事一覧をご覧いただき、興味ある記事がありましたら、チェックいただけると幸いです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!気が早い気もしますが、皆様、良いお年をお迎えください!

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