LANとWAN
LAN(Local Area Network)
会社内や学校内など局地的で狭い範囲のネットワーク
WAN(Wide Area Network)
地理的に遠く離れたLANとLANをつないだ広域ネットワーク
交換方式
交換機
コンピュータ同士の間にいて通信路の確立を行う
- 回線交換方式
送信元と送信先を交換機がつなぎ通信路を確立する
通信中は、他の機器がその通信路に介入することはできない
- パケット交換方式
パケット
分割された通信データの単位のこと
コンピュータが回線にパケットを送り出し、交換機が送信先に適切に振り分けて送信する
また、次に振り分け予定のパケットも交換機が蓄積しておくので、回線を共有して使用できる
これが今の主流の方式
LANの接続形態
トポロジー
コンピュータ同士をつなぐ接続形態のこと
主に3つ
- スター型
ハブを中心に放射状に各コンピュータを接続する
- バス型
基幹となるケーブルに各コンピュータを接続する
- リング型
リング状に各コンピュータを接続する
トークンリングという規格で使われる
LANの規格
イーサネット(Ethernet)
現在最も普及しているLAN規格で、米国電気電子技術者協会(IEEE)により標準化されており、接続形態、伝送速度によって規格が分かれる
CSMA/CD方式(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)
イーサネットが採用するアクセス制御方式のこと
ネットワーク上を監視し、他のコンピュータが送信していない時にデータ送信を行う
万が一、他のコンピュータと同時に送信を行っていた場合は通信路でデータの**衝突(コリジョン)**が発生する
その場合は、再度時間が経ってから再送信が行われる
このようにして1本のLANケーブルを共有できる仕組み
トークンパッシング方式
トークンリング
リング型LANの代表で、アクセス方式にトークンパッシング方式が使われる
トークン
送信の権利を表す小さなデータのこと
通信路をバケツリレーで流れる
トークンパッシング方式
1.送りたいデータをトークンにはっつけて送る
2.コンピュータは自分宛じゃないと次に回すのでバケツリレーのようになる
3.自分宛のものを受け取ったら受信を知らせるため、マークを付けて返す
4.送信元はマークを確認後、トークンをフリートークンに戻して流す
5.フリートークンはまたバケツリレーされ、データを送りたいものがいれば、それに貼り付けて送信を行う
無線LAN
ケーブルを使わず、電波で通信を行う
無線LANアクセスポイントの範囲であればどこでも通信可能
ただしセキュリティを万全にする必要がある
電波の中ににウイルスが侵入すると危険
クライアントとサーバ
複数のコンピュータが組み合わさって働く処理形態がある
- 集中処理
ホストコンピュータが集中的に処理を実行
各コンピュータはその下で処理結果などの情報をもらう
メリットは
- データの一貫性を維持•管理しやすい
- セキュリティ確保の維持•管理が簡単
デメリットは
-
システム拡張がきつい
-
ホストコンピュータが壊れたら終わる
-
分散処理
各コンピュータで負荷を分散させる
処理も各自で行う
メリット、デメリットはそれぞれ集中処理の逆
クライアントサーバシステム
分散処理であるが、集中処理の要素を取り入れたシステム
今の主流
-
サーバ
集中的に管理すべき資源とサービスを提供する -
クライアント
サーバにリクエストをする
基本的にはクライアントが自分で処理を行うが、サーバの管理下にあるサービスは
リクエストを行い処理をお願いする仕組み
サーバでは...
-
ファイルサーバ
ファイル保存や提供を行う -
プリントサーバ
印刷を行う -
データベースサーバ
データベースへのリクエストを処理 -
webサーバ
webページを公開 -
メールサーバ
電子メールの送受信を行う
などの管理を行う
プロトコルとパケット
プロトコル
コンピュータがネットワークを上でお互いにやりとりするためのルール
OSI参照モデル
プロトコルを第1階層から第7階層まで細かく分けたもの
階層 | 種類 | 内容 |
---|---|---|
第7層 | アプリケーション層 | どんなサービスを提供するのか |
第6層 | プレゼンテーション層 | データはどんな形式か |
第5層 | セッション層 | 通信開始から終了までの管理 |
第4層 | トランスポート層 | 通信の信頼性をどう確保するのか |
第3層 | ネットワーク層 | ネットワーク同士をどう中継させるか |
第2層 | データリンク層 | 同一ネットワーク内でどう通信するか |
第1層 | 物理層 | 物理的にどうつなぐか |
このようにプロトコルを階層ごとに分けることで、変更が生じたときに扱いやすい
というメリットがある
TCP/IP
現在標準的に使われているプロトコル
TCP/IPプロトコルではデータをパケットに分割し送信する
ネットワークの伝送速度
伝送時間 = データ量 ÷ 回線速度
ただし正確に時間を求めることはできず大抵誤差が生じてしまう
-
実効速度
一般的な使用方法で実際に出る速度のこと
理論値 × 伝送効率
- 伝送効率
理論値に対して実際に出る速度の割合のこと
実効速度 ÷ 理論値
ネットワークを構成する各装置
各種装置とOSI基本参照モデルとの関係
階層 | 種類 | 装置 | 役割 |
---|---|---|---|
第7層 | アプリケーション層 | ゲートウェイ | プロトコル変換を行い第4層以上が異なるネットワーク同士を中継 |
第6層 | プレゼンテーション層 | ゲートウェイ | 〃 |
第5層 | セッション層 | ゲートウェイ | 〃 |
第4層 | トランスポート層 | ゲートウェイ | 〃 |
第3層 | ネットワーク層 | ルータ | パケットのIPアドレスでネットワーク間を中継 |
第2層 | データリンク層 | ブリッジ | パケットのMACアドレスで、ネットワーク内のセグメント間を中継 |
第1層 | 物理層 | LANケーブル、NIC、リピータ | 電気的信号を送受信したり増幅したり |
-
NIC(Network Interface Card)
コンピュータをネットワークに接続するための拡張カード
データを電気信号に変換し通信路に流すMACアドレスが振り分けられている
MACアドレス
NICのようなネットワーク機器に割り振られている唯一無二の番号で、
IEEEと製造メーカ番号の組み合わせでできている
-
リピータ
ケーブルの中間地点にいて受け取った電気信号を増幅させ、通信を助ける -
ブリッジ
セグメント間で中継を行う役割
セグメント
1本のケーブルでつながっている範囲のこと
無条件でデータが流される範囲
-
ハブ
LANケーブルの接続口を複数持つ集線装置-
リピータハブ
複数のコンピュータがつながっている状態で、1台がパケットを送ると無条件で、全ケーブルにパケットを送り出す -
スイッチングハブ
1台のパソコンがデータを送っても、宛先MACアドレスのみにパケットを送り出す
-
-
ルータ
LAN(ネットワーク)通しをつなげる中継役
ルータはパケットに描かれたIPアドレスを見て近くのルータに渡していく
バケツリレーのようにルータが宛先の書かれたネットワークに運び届ける仕組み
-
ゲートウェイ
ネットワークがそれぞれ使っているプロトコルに対して変換させる役割例えば、ケータイメールとPCの電子メールがやりとりできるようになる
のはゲートウェイがいるから
データの誤り制御
データの通信中にノイズが入り、正確なデータで無くなる可能性は十分にある
パリティチェック
送信するデータのビット列に、パリティビットという検査用のビットを付加する
ことでノイズを見つける
-
偶数パリティ
01000001 0(パリティ部分) 1000001(データ部分)
ビット列の中の1が偶数になるように0をセット
-
奇数パリティ
11000001 1(パリティ部分)1000001(データ部分)
ビット列の中の1が奇数になるように0をセット
水平垂直パリティチェック
例えば、ABCDEの文字列があるとして
水平垂直にパリティをセットすることで、誤りを検出する
CRC(巡回冗長検査)
ビット列を特定の式で割り余りをチェック用データとして使う
TCP/IPを使ったネットワーク
TCP/IPの中核
-
IP(Internet Protocol)
ネットワークからネットワークへとパケットを運び届ける
コンピュータやネットワーク機器に割り当てられたIPアドレスを頼りに運ばれる -
TCP(Transmission Control Protocol)
送信先との通信路が確立されたと判断してからデータを送受信するコネクション型プロトコル
最初にデータを送ると送信先から受信の合図が届き、そしたら新しいデータを送る -
UDP(User Dategram Protocol)
送信先との通信路確立を確認せず一方的にデータを送りまくるコネクションレス型プロトコル
信頼性に欠けるが、その分高速
IPアドレス
ネットワークや機器に振り分けられる唯一無二の番号
基本的に32ビット
例えば...
11000000101010000000000100000011
という32ビットの数字があれば
192 168 1 3
192.168.1.3
というように10進数で表すとこうなる
IPアドレスには2種類あり
-
グローバルIPアドレス
インターネット内で使用するIPアドレス -
プライベートIPアドレス
企業内のLANの中で使えるIPアドレス
システム管理者が自由に割り当てて使える
IPアドレスを分ける
IPアドレスにはネットワーク部とホスト部で分かれる
例えば...
192.168.1.(ネットワークアドレス部)3(ホスト部)
-
インターネット部
どのネットワークの -
ホスト部
どのPCか
というような意味
分け方は多数あり
-
クラスA(大規模ネットワーク用)
ネットワーク部8ビット -
クラスB(中規模ネットワーク用)
ネットワーク部16ビット -
クラスC(小規模ネットワーク用)
ネットワーク部24ビット
ブロードキャスト
同一ネットワーク内全てのPCに同時にデータを送信すること
サブネットマスク
1つのネットワークの大量のPCをグループに分けることもできる
例えば、クラスCのIPアドレスでは
本来24ビットだったネットワーク部が26ビットに拡張され、サブネットで4グループ
62台ずつに分けれるようになった
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
LANにつないだPCにIPアドレスを自動的に割り当てなどネットワーク設定作業
をしてくれるプロトコル
NATとIPマスカレード
NAT
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを結び変換する
IPマスカレード
グローバルIPアドレスに複数のプライベートIPアドレスを結び変換する
ドメイン名とDNS
ドメイン名
IPアドレスの別名がドメイン名
www(コンピュータの名前).japan(組織の名前).co(組織の種類).jp(国の名前)
DNS(Domain Name System)
IPアドレスとドメイン名を管理している
ネットワーク上のサービス
ネットワーク上のサービスにはそれぞれプロトコルが用意されている
プロトコル | 内容 |
---|---|
HTTP | Webページの転送に使う |
FTP | ファイル転送サービス |
Telnet | 他のPCを遠隔操作 |
SMTP | 電子メールの送受信 |
POP | 電子メールの受信部分を担いメールを取り出す |
NTP | PCの時刻合わせを行う |
サービスにはそれぞれポート番号が決められている
IPアドレスとポート番号は常にセットなので、
どのPCのどのサービスか識別できるようになる
URL
http:(プロトコル)//www.japan.co.jp(ドメイン名)/book(ディレクトリ名)/index.html(ファイル名)
URLはこのような意味を持っている
1.HTTPプロトコルの
2.japan.co.jpというネットワークの
3.wwwというサーバ上の
4./bookというディレクトリ下の
5./index.htmlというファイル
を表している
CGI(Common Gateway Interface)
CGIプログラムが実行されるとWebサーバは外部のプログラムを実行して処理結果を示す
電子メール
nihon(ユーザ名)@japan.co.jp(ドメイン名)
- ドメイン名は所属ネットワークのこと
- ユーザ名は名前のこと
電子メールに関するプロトコル
SMTP
- クライアントから送信メールを預かる
- メールアドレスを見て相手先メールサーバに配送する
POP
- クライアントからメールの受信確認依頼が来る
- 受信メールを確認しあれば渡す
IMAP
- メース受信を行う
- POPと違うのはサーバ上で管理するので、どのPCからも受け取れる
参考書籍
きたみりゅうじ 『キタミ式 イラストIT塾 基本情報技術者 令和03年』 技術評論社 2020年