243
243

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

iOS 8から追加されたWebKit Frameworkを使ってみる

Last updated at Posted at 2014-06-21

※本記事は、一般に公開されている情報を元に作成しています。

iOS 8から新たに WebKit Framework が追加されました。

これにより、ようやくWebページのロードプログレスが取得できるようになったり、JavaScriptエラーを受け取れるようになりました。

クラスリファレンス等はすでに一般にも公開されており、開発者以外も読むことができます。

以下、私が気になった項目をまとめていきたいと思います。

UIWebViewとの関係

従来の UIWebView と WebKit Framework は別物のようです。(勝手にUIWebViewの機能強化版だと思い込んでいた)

新たに WKWebView というクラスが用意されていました。

初期化

WebKit Framework をインポート。

@import WebKit;

WKWebView インスタンスの生成。configuration については後述。

self.webView = [[WKWebView alloc] initWithFrame:self.view.bounds
                                  configuration:configuration];

プロパティ

configuration

WebViewの設定。WKWebViewConfiguration を指定できます。

WKWebViewConfiguration クラスには preference というプロパティがあり、

  • WebViewの最小フォントサイズ
  • データの取得が完了するまで描画を行わない
  • JavaScriptが新ウィンドウを自動的に開くのを許可するか
  • JavaScriptの実行を許可するか

などを設定できるようです。詳しくは次のクラスリファレンスを参照してください。

navigationDelegate

WebViewのナビゲーションに関するデリゲートです。詳しくは後述します。

title

現在表示しているページのタイトルが NSString で取得できるようになりました。今後は

NSString* title = [webView stringByEvaluatingJavaScriptFromString:@"document.title"];

のような処理を書かなくても良いわけですな!

ちなみに、URL プロパティで表示中の url も取得できます。

estimatedProgress

ついにページのロードプログレスがiOS標準で取得できるようになりました!このプロパティは double 型で、0.0 から 1.0 の値が入ります。ページの読み込みが完了すると 1.0 になり、新たなページの読み込みが始まると再び 0.0 にリセットされるようです。

allowsBackForwardNavigationGestures

iOS 7 から Safari に追加された「フリックで前ページに戻る・進む」がついに WebView でも使えるようになりました!このプロパティを YES にすることで機能が有効になります。デフォルトは NO のようです。

backForwardList

Webページの閲覧履歴が WebView でも扱えるようになりました。今までに閲覧してきたページのリストが WKBackForwardList クラスで取得できます。

このクラスは次のプロパティから構成されます。(例:A -> B -> C の3つのページを閲覧したあと、「戻る」で B のページに戻った場合)

  • currentItem - 現在表示しているページ(B)
  • backItem - 「戻る」で表示されるページ(A)
  • forwardItem - 「進む」で表示されるページ(C)
  • backList - 「戻る」で表示できるページのリスト(NSArray
  • forwardList - 「進む」で表示できるページのリスト(NSArray

各ページの情報は WKBackForwardListItem クラスで管理されており、タイトルとURLが取得できます。

メソッド

- reloadFromOrigin

通常の reload メソッドとは別にこのメソッドが用意されていました。ドキュメントには

Reloads the current page, performing end-to-end revalidation using cache-validating conditionals if possible.

のように書かれていました。(キャッシュを使わないリロードのこと?)

デリゲート

UIWebView と同じように、様々なデリゲートが用意されています。

例えば、あるWebページを表示しようとすると、次の順番でデリゲートが呼ばれます。

- (void)webView:(WKWebView *)webView
 didStartProvisionalNavigation:(WKNavigation *)navigation

ページの読み込み準備開始。この時点での estimatedProgress0.1 でした。

- (void)webView:(WKWebView *)webView
 didCommitNavigation:(WKNavigation *)navigation

ページが見つかり、読み込み開始。この時点での estimatedProgress0.3 以上の値が入っていました。(ちなみにページが見つからない場合、このデリゲートは呼ばれませんでした)

- (void)webView:(WKWebView *)webView
didFinishNavigation:(WKNavigation *)navigation

ページの読み込み完了。この時点での estimatedProgress1.0 でした。

ここまでがひとつのページをリクエストした時の動きです。


その他のデリゲートは以下のとおり。

- (void)webView:(WKWebView *)webView
 didFailProvisionalNavigation:(WKNavigation *)navigation
      withError:(NSError *)error

ページの読み込み失敗。この時点での estimatedProgress0.1 だったり 1.0 だったり色々。

- (void)webView:(WKWebView *)webView
didFailNavigation:(WKNavigation *)navigation
      withError:(NSError *)error

調査中。ページは見つかったけど表示できない場合?

- (void)webView:(WKWebView *)webView
didReceiveServerRedirectForProvisionalNavigation:(WKNavigation *)navigation

表示中にリダイレクトが入ると呼ばれるようです。

パフォーマンスとか

9to5mac の情報によると、これまで Safari だけが使うことができた高速な JavaScript エンジン(Nitro)を、iOS 8 から追加された WebKit Framework でついに使えるようになる!とのことです。

今後は、サードパーティ製ブラウザや、アプリ内ブラウザの速度向上が期待できそうですね!

243
243
3

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
243
243

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?