iPhoneアプリの申請作業を行う上で知っておいた方が良いことをまとめておきます。
- 一部個人の見解も混ざってます
- 申請ルールなどは予告なしに変更になることがよくあるので、本記事の内容は古い場合があります
アプリ申請前
アプリはどこから申請するの?
App Store Connectというサイトから申請できます。ブラウザはSafariでアクセスすることをおすすめします。
※2018/6/5 、「iTunes Connect」は 「App Store Connect」 に名称が変更されました。
誰でも申請できるの?
Apple Developer Programに登録する必要があります。(年間参加費 ¥11,800)
また、アプリのアップロード時にはXcodeが必要なので、Macは必須になります。
アプリの申請時には何が必要なの?
次の情報が必要になるので事前に準備しておきましょう。
- アプリ名(30文字以内、すでに使われているものはダメ)
- サブタイトル(30文字以内、iOS 11以降を搭載したデバイスにのみ表示される)
- カテゴリ(主カテゴリと副カテゴリを指定可。詳細は後述)
- アプリの概要文(4000文字以内、
★
等使えない文字あり) - プロモーション用テキスト(170文字以内、iOS 11移行を搭載したデバイスにのみ表示される)
- アプリの価格
- アプリのレーティング(性的なコンテンツ等が表示される可能性がある場合は高めに設定しておかないとリジェクトされる)
- 検索のためのキーワード(100文字以内)
- サポートURL(App Storeで公開される)
- プライバシーポリシーURL(App Storeで公開される)
- Appのプライバシー(2020年12月8日から必須に。詳細は後述)
- App Store用のアイコン(1024x1024, 高画質JPEG/TIFF/PNG)
- スクリーンショット(詳細は後述)
- 連絡用のメールアドレス、電話番号(公開はされない)
主カテゴリと副カテゴリはどう違うの?
第一希望と第二希望だと思っていたのですが、違うようです。
アプリケーションに指定する主カテゴリ(PrimaryCategory)も、見つけやすさの面で重要なポイントです。閲覧するユーザに便利なよう、アプリケーションはこのカテゴリ別にリストアップされます。
そのアプリケーションの主機能を最も適切に示しているカテゴリを注意深く選択してください。提出されたすべてのカテゴリはAppleがレビューを行います。
また、オプションの副カテゴリ(Secondary Category)も指定できます。アプリケーションは副カテゴリではリストアップされませんが、その副カテゴリに対する検索結果としては返されます。たとえば、そのアプリケーションの主カテゴリが「財務会計(Finance)」で副カテゴリが「ビジネス(Business)」だった場合、ユーザは財務会計のカテゴリをチェックしたときにそのアプリケーションを見つけることができ、また「ビジネス」で検索したときにもその検索結果としてそのアプリケーションを見つけることができます。
iTunes Connectデベロッパガイドより抜粋
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
検索キーワードには何を入れればいいの?
アプリケーション名、会社名は検索ワードとして自動的に設定されるので、表記のゆらぎ(例:Twitterアプリなら「ついったー」「とぅいったー」)等を登録しておくと良いでしょう。
ちなみに、アプリと関係ないキーワードや他社アプリ名などを入れるとリジェクトされるので注意です。
Appのプライバシーって何なの?
ユーザーがApp Store上で
- アプリが収集するデータの種類
- それらのデータがユーザーと紐付けられているか
- ユーザーのトラッキングに利用されているか
を確認できるようにするためのものです。
2020年12月8日以降、これらのプライバシーに関する情報の入力が必須になりました。入力項目がかなり多いので、事前にアプリが収集するデータをまとめておくと良いでしょう。詳細は下記リンクを参照してください。
アプリ申請時にスクリーンショットは何種類用意すればよいの?
2016/08/09より、スクリーンショットの簡易提出が可能になりました。これにより、iPhone/iPadそれぞれの最大サイズのスクリーンショット(例えばiPhoneなら 6.5inch と 5.5inch)を1種類ずつアップロードするだけで、自動で小さいサイズ用にリサイズしてくれるようになりました。詳しくは @mono0926 さんの記事にとても詳しくまとめられています。
アップロードできるスクリーンショットのサイズ・ファイル形式は決まってるの?
はい。決められたサイズの画像しかアップロードできません。画像ファイル形式はJPEG、TIFF、またはPNGが使用可能です。
iPhoneアプリの場合
3.5インチディスプレイ用(iPhone 3GS、iPhone 4など、iPhone 5より前の機種)
- 640×960ピクセル(ステータスバーを除く場合は640×920ピクセル)
- 最大10枚まで。
4インチディスプレイ用(iPhone 5、iPod touch 第5世代など、縦長の機種)
- 640×1136ピクセル(ステータスバーを除く場合は640×1096ピクセル)
- 最大10枚まで。
4.7インチディスプレイ用(iPhone 6,7,8)
- 750×1334ピクセル
- 最大10枚まで。
5.5インチディスプレイ用(iPhone 6,7,8 Plus)
- 1242×2208ピクセル
- 最低でも1枚必要(最大10枚まで)
6.5インチディスプレイ用(iPhone 14 Plus, iPhone 13 Pro MAX, iPhone 12 Pro MAX, iPhone XS MAX, 11 Pro Maxなど)
- 1242×2688ピクセル
- 6.7インチのスクリーンショットが提供されていない場合は必須(最大10枚まで)
6.7インチディスプレイ用(iPhone 15 Pro Max, iPhone 15 Plus, iPhone 14 Pro MAXなど)
- 1290×2796ピクセル
- 6.5インチのスクリーンショットが提供されていない場合は必須(最大10枚まで)
まとめると、
- 1242×2208ピクセル OR 1290×2796ピクセルが1枚
- 1242×2688ピクセルが1枚
あればアプリを申請できます。
※スクリーンショットに機能説明用のテキストなど、装飾を入れても問題ないようです(過度な使用は避けたほうがよいでしょう)
iPadアプリの場合
iPadアプリの場合は更に多くの種類の画像が必要になります。詳しくはiTunes Connectデベロッパガイドを参照してください。
アプリ紹介用のビデオをアップするには?
iOS 8のApp Storeから、動画によるアプリ紹介(App Video Previews)が可能になりました。
動画を撮影・アップするにはYosemite以上(OS X 10.10以上)のMacとSafariが必要になります。
また、動画にもいろいろな制約(30fps以下であること等)があるので、Appleの公式ドキュメントを読むことをオススメします。
アプリの公開日はコントロールできるの?
できます。
新規アプリの場合は「Availability Date」で公開日を指定できます。
アップデートの場合は、アプリ申請時にリリースタイミングを
- 自動リリース - 審査が通ったら即時リリース
- 手動リリース - 審査が通ったら一旦保留状態になり、好きなタイミングでリリースできる
- 時間指定リリース - 審査が通ったあと、指定した時間に自動リリース
の中から選択できます。
アプリの段階的リリースはできるの?
できます。段階的リリースは、7日間にわたって徐々にアップデートのリリースを行います。詳しくは下記記事を御覧ください。
トレーダーステータスって何なの?
2024年3月21日にAppleより App Store Connectでのトレーダーステータスの提供 が求められるようになりました。
これは、EUのデジタルサービス法(DSA)に準拠するためのものです。トレーダーステータスについてはすでに多くの記事が存在するため、本記事では解説しません。
アプリ申請後
アプリの審査にはどのくらい期間がかかるの?
アプリの内容や審査の時期にもよりますが、スムーズに行けば新規アプリの場合は大体2週間、アップデート審査の場合は1週間ぐらいで完了します。もちろん、これより早く審査が完了したり、逆にもっと長くかかったりする場合もあります。
(私が実際に申請したアプリの平均データであり、公式な情報ではありません)
2017/6/14 追記:アップルさんが本気を出し始めたので、最近は1〜2日で完了するようになりました。
アプリ審査の混み具合を把握できるサイトもあります
- App Review Status - Apple公式。5営業日以内にレビューされる割合がわかる(5営業日以内にレビューが完了する割合ではないので注意)
- Average App Store Review Times - 世界中のアプリ開発者から自己申告されたレビュー日数を元に平均日数を算出してくれるサービス。(2019年3月サービス終了)
アップデート審査完了後の公開日はコントロールできるの?
できます。アップデート申請時に自動リリースか手動更新か選択できますので、後者を選択しましょう。手動更新を選択すると、審査完了後はリリース保留状態になり、リリース指示を出すまでApp Storeには公開されません。
Waiting For Review(レビュー待ち)中に変更できる情報は?
- バージョン番号
- コピーライト
- カテゴリ
- レーティング
- アプリアイコン
- アプリ名
- Appサブタイトル
- アプリ説明文
- アップデート内容
- キーワード
- 各種URL
- スクリーンショット
- 開発者連絡先
- EULA(End User License Agreement)
※これらは変更になる可能性があるので、最新の情報は公式ドキュメントを参照して下さい。
In Review(レビュー中)に変更できる情報は?
- コピーライト
- 各種URL
- 開発者連絡先
- EULA(End User License Agreement)
※これらは変更になる可能性があるので、最新の情報は公式ドキュメントを参照して下さい。
アプリ審査中にバグが見つかったんだけど、審査を中止してもらえるの?
審査状態が以下のいずれかである場合のみキャンセルできます。
- MissingScreenshot(スクリーンショットの欠落)
- WaitingforExport Compliance(輸出コンプライアンス待ち)
- Waiting For Review(レビュー待ち)
- In Review(レビュー中)
- Pending Apple Release(Appleリリース待ち)
App Store Connectにログインし、「マイ App」ページの「このバージョンをレビュー審査から削除」をクリックすると、バイナリが審査待機リストから削除されます。
どんなアプリがリジェクトされるの?
Appleが公開している「アプリケーション審査ガイドライン」に従っていないアプリはリジェクトされます。
段階的にリリースはできるの?
できます(2017年6月5日〜)。段階的リリースにより、自動更新がオンになっているユーザに対して、7日間かけて徐々にバージョンのアップデートがリリースされていきます。(段階的リリースに当たらなかったユーザーも、自分からApp Storeを見に行った場合はダウンロードできてしまう点にご注意ください)
また、バージョンのアップデートで問題が発生した場合、いつでも段階的リリースを一時停止できます。
詳しい設定方法についてはiTunes Connect のリソースとヘルプを参照してください。
審査中にアップルから電話がかかってくることはあるの?
何度もリジェクトが続くと電話でやりとりすることになる場合もあるようです。というか、ありました。(私の場合は日本語が通じる方でした)
アプリ公開後
公開後にスクリーンショットは自由に変更できるの?
2013年1月9日よりスクリーンショットの常時変更ができなくなりました。公開後はアップデート時のみ変更可能です。
Updating Screenshots in iTunes Connect
公開後はどんな情報が変更できるの?
次の情報は常時変更できます。
-
アプリの説明文(2017年6月5日から変更できなくなりました) -
アップデート内容文(2018年4月18日から変更できなくなりました) - プロモーション用テキスト
-
サポート URL(2018年4月18日から変更できなくなりました) -
マーケティング URL(2018年4月18日から変更できなくなりました) - Privacy Policy URL
- Copyright
次の情報はアップデート時にのみ変更可能です。
- アプリ名
- アップデート内容文
- アプリの説明文
- カテゴリ
- レーティング
- キーワード
- App Store用アイコン
- スクリーンショット
- サポート URL
- マーケティング URL
アプリのアップデートには何の情報が必要なの?
アップデート内容を説明する文が必要になります(4000文字以内)
※空欄でも審査には出せるようです
アプリのアップデート審査にはどのくらいかかるの?
先述した通り、アップデート審査の場合は1週間ぐらいで完了します。もちろん、これより早く審査が完了したり、逆にもっと長くかかったりする場合もあります。
(私が実際に申請してきたアプリの平均データであり、公式な情報ではありません)
2017/6/14 追記:アップルさんが本気を出し始めたため、最近は1〜2日で完了するようになりました。
表示されているカテゴリがおかしいんだけど?
カテゴリを変更した際などは、App Storeに反映されるまで3〜4日かかる場合もあるようです。(実際にありました)
アプリをAppStoreから削除できるの?
App Store Connectから削除可能です。削除されたアプリケーションは24時間以内にApp Storeに表示されなくなります。
アプリの公開を一時的に停止したいんだけど
公開する国をゼロにすることで、非公開状態になります。
- App Store Connectにログインして非公開にしたいアプリを選択します
- 「Rights and Pricing」をクリックします
- 「Select the App Store territories…」からすべての国のチェックボックスをオフにして「Save」ボタンをクリックします
すると、アプリのステータスが「Developer Removed From Sale」に変わります。数時間でApp Storeからアプリが消えます。
公開を再開したい場合は、公開先の国にチェックを入れて保存します。ステータスが「Ready for Sale」に変わり、アプリがApp Storeに公開されます。
アプリを公開したあとに致命的なバグが見つかったんだけど、どうしたらいい?
- まずは落ち着きましょう
- App Store Connectから「Developer Rejected(デベロッパ取り下げ)」を行い、App Storeでの公開を中止しましょう。
- 急いで修正版を申請しましょう
何日も審査を待ってられないよ!!という場合は「Expedited reviews(通称:特急審査)」 を使う手段もあります。必ず受理されるわけではありませんが、受理されれば1〜2営業日で審査してくれます。(早急な審査が必要な理由を英語で書く必要があります)
Request an Expedited App Review
アプリのダウンロード数は見れるの?
はい。App Store Connectから、App Storeでのアプリケーションダウンロード数、売上データ(日次、週次、月次、年次、累計)を閲覧・ダウンロードできます。
アプリを他の人に譲渡できるの?
できるようになったみたいです。
開発者どうしでアプリケーションを売買することが多くなり、譲渡手続きを自動化する仕組みが構築されました。この手続きにより、アプリケーションの所有権を、App Storeに置いたままで他の開発者に譲渡できます。それまでに寄せられた意見や要望、人気度の順位などもそのままです。譲渡するアプリケーションの数に制限はありませんが、個別に行う必要があります。
アプリを譲渡するには色々と条件があるようなので、具体的な手順はデベロッパガイドを参照してください。
リンク
- App Store Connect
- App Store Connect のワークフロー - iTunes Connectデベロッパガイドよりもちゃんとメンテされてる印象
- iTunes Connectデベロッパガイド - やや情報が古いかも