はじめに
今回は Raspberry Pi 4 に openSUSE Leap 15.3 をのデスクトップ環境なしでインストールし、有線 LAN に接続した状態で起動して ssh ログインによって初期設定を行います。
環境
- Raspberry Pi 4 Model B 8GB RAM
- macOS 10.15.7 Catalina
- balenaEtcher 1.5.79
openSUSE とは
Linux ディストリビューションの一つで、Leap はその安定版です。便利なツールが多く、コマンド操作に不慣れな人でも SSH 越しに使いやすいディストリビューションだと思います。日本ではマイナーな OS ですが、Linux のコマンド操作に自身がない人にもおすすめです。
インストール
OSのダウンロード
下記のコマンドで Raspberry Pi 4 向けのイメージをダウンロードします。公式 Wiki を参考に、GUI 無しの JeOS というエディションを選びました。
wget http://download.opensuse.org/distribution/leap/15.3/appliances/openSUSE-Leap-15.3-ARM-JeOS-raspberrypi.aarch64.raw.xz
microSDカードへの書き込み
balenaEtcher 等を用いて microSD カードに OS を焼きます。
次に、Raspberry Pi の起動時に sshd を自動起動するように、 microSD カードをPCにマウントして boot ディレクトリ内に空の ssh ファイルを作成します。 Mac の場合は以下のコマンドで作成できます。
touch /Volumes/EFI/EFI/BOOT/ssh
Raspberry Pi 4 の起動とログイン
ここでは Raspberry Pi 4 の IP アドレスを192.168.100.10
とします。この値は環境によって変わりますので、ご自身の環境に合わせて変更してください。パスワードはlinux
です。
ssh root@192.168.100.10
初期設定
sshd の自動起動
まずは、次回以降も起動時に sshd が自動で起動するように設定します。
systemctl enable sshd
ホスト名の設定
ssh ログインを容易にするために、/etc/hostname
ファイルを書き換えてホスト名を設定します。ここでは、ホスト名をfoobar
に設定します。
echo foobar > /etc/hostname
パッケージの更新と追加
まずはリポジトリを更新します。(Ubuntuでいう $ apt update)
zypper refresh
次に、パッケージをアップデートします。(Ubuntuでいう $ apt upgrade)
zypper update
加えて、必要なパッケージをインストールします。
zypper in -y system-group-wheel man emacs-nox zsh sensors avahi bind-utils git gcc sl
ユーザーアカウントの作成
root アカウントの常用は危険ですので、ユーザーアカウントを作成し、今後はそちらを利用します。ここでは hoge という名前のユーザーを作成します。wheel グループに入れることにより、sudo が使えるようになります。
useradd -m hoge -s $(which zsh) -G wheel
作成したユーザーのパスワードを設定します。
passwd hoge
再起動して再ログイン
アップデートや設定を適用するために再起動します。
reboot
再ログインすることで、ユーザーとホスト名の設定が正しく反映されたことを確認します。
ssh hoge@foobar
これで一先ずセットアップは完了です。ここから、ssh の root ログインを禁止したり、使いたいパッケージをインストールしたりして使い始めましょう。
参考
[1] https://en.opensuse.org/HCL:Raspberry_Pi4
[2] https://ja.opensuse.org/Portal:Distribution
[3] https://www.mikan-tech.net/entry/raspi-lite-headless-setup