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GoでgRPC API超入門

Last updated at Posted at 2024-07-31

自分の中で少しずつ理解できてきたので、小分けにして整理していきたくこの記事を書きました。
同じ初学者のお役に立てれば。

当記事は実装メインで解説します。
protoって何の略?これは内部でどうなってるの?的な細かい話は省いています。
気になるところがあったら他記事で補完してください🙏

構成

今回は最小限の超簡単な構成とします。
image.png
初学者はHello,World!を出力しなければならないという法律に則り、Hello,World!を出力するAPIを実装していきます。

実装では、クライアントのインスタンス、gRPCサーバのインスタンスをそれぞれ立ち上げ、リクエスト〜レスポンスまでの流れを確認する、ということをやります。

大まかな手順

ゆるふわ概念図を記しておきます。

全体像

まずは作成するものの全体像。さっきのクライアント↔︎gRPCサーバの図をもうちょい細かく︎書いた図です。
image.png
※クライアント(インスタンス)、gRPCサーバ(インスタンス)はgoファイルをコマンド実行している間だけ生きています。一方、pb.goファイルは一度作成されたらずっとそこにあります。

ざっくり手順 〜3ステップ〜

  1. protoファイルというものを作って、コマンドを実行します。このコマンドでprotoファイルを元としたファイルが生成されます。そのあと、サーバ、クライアント側の実装をします。
    grpc go ファイル作成.gif

  2. 次に、コマンド実行でgRPCサーバを作成します。
    grpc go ファイル作成2.gif

  3. 最後に、クライアントのインスタンスを生成し、gRPC APIを叩けば完成!
    grpc go ファイル作成3.gif

上の図より、初手で作るファイルは以下の3つになります。

  • server.go // サーバの実装
  • client.go // クライアント側の実装
  • hello.proto // APIの細かいリクエスト・レスポンス内容の実装

図でみると、↓の赤枠のところですね。
image.png

フォルダ構成

1つのフォルダ直下に全てをぶっ込みます。フォルダ構成が簡単だとテンション上がるので。

grpc-test/
┝ server.go
┝ client.go
└ hello.proto

いざ実装!の前に

GitHubに空のリポジトリ「grpc-test」を作っておき、
このリポジトリをローカルに持ってきた上で、
「grpc-test」直下に諸々のファイルを作っていく
という流れをやっておきます。
(pb.goファイルのURL指定のため)

hello.protoの実装

まずは第一にこれを実装します。なぜならこのprotoファイルにリクエスト・レスポンスの全てをぶち詰め込むからです。goでのgrpcはこの書き方が一般的です。

syntax = "proto3";

package hello;

// このファイルにより生成されるpb.goファイルを置く(出力する)ディレクトリ
option go_package = "/pb";


service HelloService {
  rpc SayHello (HelloRequest) returns (HelloReply);
}

message HelloRequest {
  string name = 1;
}

message HelloReply {
  string message = 1;
}

コード中
option go_package = "/pb";
の部分は、pb.goファイルが生成される場所になります。
今回、上記のように指定したことで、grpc-test直下にpbファイルが作られることが確定しました。他のパスに置きたければここを編集すればOK。

次の項「pb.goファイルの生成」を実行したあとは、こんな配置になるはず。

grpc-test/
┝ pb/
|  ┝ hello.pb.go
|  └ hello_grpc.pb.go
(略)

pb.goファイルの生成

  1. ターミナルを開き、今回のルート「grpc-test」フォルダ直下に移動します。
  2. 以下のコマンドを実行します。
    protoc --go_out=. --go-grpc_out=. hello.proto
    
  3. 「pb」フォルダが作成され、直下に「hello.pb.go」「hello_grpc.pb.go」が作成されています。

現時点でのフォルダ構成は以下のようになっていると思います。

grpc-test/
┝ pb/
|  ┝ hello.pb.go
|  └ hello_grpc.pb.go
┝ server.go
┝ client.go
└ hello.proto

protoファイル作成、pb.goファイル作成が完了しました。
ここで先ほどの図を振り返ってみます。今回やったのは↓の部分にあたります。
image.png

server.go の実装

go server.go
package main

import (
  "context"
  "log"
  "net"

  "google.golang.org/grpc"
  pb "github.com/<your_user_name>/grpc-test/pb" // 後ほど生成されたhello.pb.goとhello_grpc.pb.goが置いてあるパスに変更
)

type server struct {
  pb.UnimplementedHelloServiceServer
}

// このSayHelloメソッドがサービスハンドラーの役割を果たす
func (s *server) SayHello(ctx context.Context, in *pb.HelloRequest) (*pb.HelloReply, error) {
  return &pb.HelloReply{Message: "Hello " + in.GetName()}, nil
}

func main() {
  lis, err := net.Listen("tcp", ":50051") // リスナー作成
  if err != nil {
    log.Fatalf("failed to listen: %v", err)
  }
  s := grpc.NewServer() // gRPCサーバーのインスタンスを作成
  pb.RegisterHelloServiceServer(s, &server{}) // HelloServiceサービスをサーバーに登録
  log.Printf("server listening at %v", lis.Addr())
  if err := s.Serve(lis); err != nil {
    log.Fatalf("failed to serve: %v", err)
  }
}

先ほどの図では↓の部分にあたります。
image.png

ここで

go mod init
go mod tidy

コマンドを実行して、go.modgo.sum 兄弟をつくっておきます。

go run server.goコマンドを打つとgRPCサーバがつくられます。
image.png
start listening at で返されればOK。ctrl+Cで抜けれます。

(別に読まなくていい補足)
RPCではHTTPルーティングのようなURLベースのルーティングはなく、
protoファイルで定義されたサービスとメソッドがルーティングの役割を果たします。
今回は、SayHelloメソッドがHelloServiceサービスにルーティングされるようになります。

client.goの実装

go client.go
package main

import (
  "context"
  "log"
  "os"
  "time"

  "google.golang.org/grpc"
  pb "xxx" // 生成されたhello.pb.goとhello_grpc.pb.goのパッケージパスに変更
)

func main() {
  conn, err := grpc.NewClient("localhost:50051", grpc.WithTransportCredentials(insecure.NewCredentials()))
  if err != nil {
    log.Fatalf("did not connect: %v", err)
  }
  defer conn.Close()
  c := pb.NewHelloServiceClient(conn)

  name := "world"
  if len(os.Args) > 1 {
    name = os.Args[1]
  }

  ctx, cancel := context.WithTimeout(context.Background(), time.Second)
  defer cancel()

  r, err := c.SayHello(ctx, &pb.HelloRequest{Name: name})
  if err != nil {
    log.Fatalf("could not greet: %v", err)
  }
  log.Printf("Greeting: %s", r.GetMessage())
}

ここで

go mod tidy

コマンドを実行して、go.modgo.sum を更新しておきます。

先ほどの図では↓の部分にあたります。
リクエスト送信、レスポンス受け取り&表示までが、クライアント側で実装した内容になります。

image.png

main関数 func main() が同じ階層に2つ以上存在する場合、警告が出るっぽいです。
mainの実行自体はできるので、今回は警告を無視して進めます。

(別に読まなくていい補足)
この実装したクライアントは、リモートプロシージャコール(RPC)という通信方法でリクエストを送信します。
先ほど作成したserver.goのサーバも、リモートプロシージャコール(RPC)という通信を受け取り、処理します。

クライアントからリクエストをgRPCサーバに投げてみる

ここまでの実装で、やっと完成です。
フォルダはこんな感じになってるはず。

grpc-test/
┝ pb/
|  ┝ hello.pb.go
|  └ hello_grpc.pb.go
┝ go.mod
┝ go.sum
┝ server.go
┝ client.go
└ hello.proto

それでは、早速やってみます。

順序はこれだけ。

  1. gRPCサーバを立ち上げる
  2. クライアントからリクエストを投げる

1. gRPCサーバを立ち上げる

「grpc-test」リポジトリ直下に行きます。
ターミナルを立ち上げ、以下のコマンドを実行します。

go run server.go

これで start listening at <port番号>のような形で返されればOKです。
ctrl+Cで抜けれます。
image.png

2. クライアントからリクエストを投げる

「grpc-test」リポジトリ直下に行きます。
先ほどサーバを起動したターミナルとは別のターミナルを立ち上げ、以下のコマンドを実行します。

go run client.go

これで Greeting: Hello worldと返されました!

ちなみに、

go run client.go hoge

を実行すると、Greeting: Hello hogeと返されます。

gRPC APIのつくりかた まとめ

protoファイルを作ってpb.goを生成する。そのあと、サーバ、クライアント側の実装をする。
grpc go ファイル作成.gif

これでファイルは完成。

次に、go run server.go コマンドでgRPCサーバを作成。
grpc go ファイル作成2.gif

最後に、クライアントのインスタンスを生成し、gRPC APIを叩く。
すると、以下のようなルートを通り、レスポンスが返されます。
grpc go ファイル作成3.gif

リクエスト、レスポンスの中身はgRPCサーバ内でいろいろと加工されたりします。

厳密には違う部分もあるかもですが、ざっくりこんな感じです。
ご指摘あれば何なりと!

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