今回のやり方は、はんだごてをAmazonで買って届くまでの待ち時間(私は2日)が発生するので、〆切などで急いでいる人は新しい液タブを買った方が早いです。
また、自分で修理すると修理屋には出せないので注意です。
これは、機械科出身でもなければ中学の技術家庭科の授業ではんだ付けしたことあったような気がするな~程度の知識しかない人間が、はんだ付けで液タブの断線を修理したやり方を記した記事です。
作業時間は2時間弱です。(慣れてる人はもっと早い気がする)
できあがりイメージ
写真の左側のコードが修理後。
ちょっと線が短くなったくらいで、修理痕はそこまで目立たないんじゃないかと思います。
序章(読み飛ばしていい)
5年間使ってきた液タブ「Cintiq 16(約80,000円)」がついに壊れた―――。
具体的に言うと、断線した。しかも3か所。
(液タブ使いは断線に悩まされたこと多いんじゃないでしょうか)
修理できないか調べてみると
配線が特殊な構造であるにも関わらず、
wacom製品のcintiqシリーズの液タブは、配線のみの販売は無い
ということを知った。
どこかで売られていないかとインターネットの海を探し回ったが、
あるのは怪しいバラ売りジャンク品と、同じく断線した絵師たちの悲鳴だけだった。
ここで、我々ジリ貧お絵描きマンが打てる手と出費を考えた。
出費 | |
---|---|
液タブ本体ごと買い替え | 約80,000円 |
修理屋に出す(wacom正規の修理屋の場合) | 約20,000円~ |
自分で修理(はんだづけキットを購入) | 約3,000円 |
こんなのはんだづけ1択である。
しかも、はんだ付けができれば他の断線した家電とかも直せる。
ジリ貧お絵描きマンこそ、はんだキットを買おう。
先に言っておくと、はんだ付けのスキルは思っていた5億倍汎用性があり便利でした。非常にオススメです。
いざ修理
修理に必要なもの
- 【必須】 はんだごてセット HANDSKIT
- 【必須】単三電池×2(マルチメータ(後述)に使う)
- 【ほぼ必須】カッターマット(電気通さない、燃えない机があるなら無くてもいい)
- 【あると便利】 ワイヤストリッパー(カッターとか爪切りでも代用可)
- 【あると便利】マスキングテープ(普通のテープでも代用可。はんだづけ時の配線固定用)
- 【あると便利】割り箸(あると土台として使えるのではんだづけしやすい)
- 【あると便利】熱圧縮チューブ(あるとはんだづけした部分が綺麗に隠れる)
私ははんだごてセット・単三電池・カッターマット・マスキングテープ・割り箸で乗り切りました。
Amazonで注文して届いたのが2日後の朝だったので、
はんだキットが届くまでは、YouTube等ではんだづけの基本を見たりして過ごしました。
実際にはんだ付けする前に一度うまい人の動画を見ておくことをオススメします。
自分が見ていた動画たち
⓪どこを切断してはんだで繋ぐか、目星を付ける
はんだキットが届いたらいざ、修理開始です。
作業前に必ず電源を抜いておくこと!!
断線部分がわかっている場合
自分は明らかに断線部分がわかっていたので、以下のイメージでやりました。
←これを こう修理したい→
※切り取り箇所に入っている黒い円柱みたいな部品については、最初は変換器みたいなものだと思ってたんですが、剥いてみたらただの円柱だったので切り取ることにしました。
(後から機械科の友人に聞いたら”放電対策”用では?と言われた。導線が長いほど通る電気が途中で放電されていくからその対策に存在しているのでは、とのこと。なるほど…)
断線部分がわからない場合
導線をグニグニして液タブが付くかどうか確認し、大体どこらへんで断線してるかを確認してください。
それでもわからない場合ははんだキットに入っているマルチメータを使いましょう。
~マルチメータで断線している線を特定する方法~
①はんだキットからマルチメータと赤と黒の線を取り出す
<写真>
マルチメータ← →赤と黒の線(正式名称はテストリードと言うらしい)
②合体!
「COM」と書かれた穴に黒いやつを、「VΩmA」と書かれた穴に赤いやつを差し込みます。
③電源から外す
④断線している部分を探す
私の場合、こんな感じの線だったので
こんな感じで当てていきます。ピーと音が鳴らない線があったらそこが断線してるところですね。
①被覆を剥ぐ
先っちょの方をカッターで切れ込みを入れ、グイグイ外していきます。
ここらへんは割と力仕事。自分は20分くらいかかりました。
(ここを綺麗にやっておくと修理後の仕上がりも綺麗になります)

※めっっっちゃくちゃ綺麗に修理したい人はこちらの動画参照
(ガソリンやアルコールを使用しているので火事に注意!)
[ジャンクPC] ノートパソコン用ACアダプタを綺麗に分解修理する方法 断線間近なアダプタを修理
②はんだ付けをする
修理が楽しくて写真を撮り忘れていたので、イラストで説明します。
まず、断線している部分を切ります。私の場合、中はこんな感じでした。
この皮膜を剥くとき、先に紹介した ワイヤストリッパーが役立ちます。
続けて、こう。(図中の色はわかりやすくするために変えてますが、実物はこの色ではないです)
いよいよはんだづけ。(これもはんだの色を黄色にしてますが、見やすくするためです)
これで他の部品も黒いテープでくっつけたら完成!
あとは電源に繋げて、液タブが起動したらOK。
私はこうして自分で修理をした後、現在に至るまで2年ほど乗り切っています。おすすめです。