前回の記事『Power BIでデータの可視化をはじめよう(その1)』からの続きとなります。
PowerBIのインストール、データ読み込みなどについては前回の記事からご覧ください。
マップが面白い
前回の記事では、ライフステージ、そして男女ごとの学習時間を可視化することができました。
次に都道府県ごとの学習時間をみてみましょう。
新たにページを作り、「集合横棒グラフ」を描いていきましょう。
「視覚化」から「集合横棒グラフ」を選択します。
そして、「軸」に**「都道府県」、「値」に「時間(分)」**をフィールドからドラッグ&ドロップで指定します。
前回の記事『Power BIでデータの可視化をはじめよう(その1)』でお伝えしたように「視覚化-書式」から**「タイトルの修正」と「X軸とY軸のテキストサイズの修正」**は最低限やっておきましょう。
今回は「都道府県」という地域データを使うので、PowerBIの目玉機能である**「マップ」による視覚化**を行います。
まず「都道府県」のデータが「都道府県を表す地域データ」だとPowerBIに認識させる必要があります。
「フィールド」の都道府県を選択した状態で画面上部の【列ツール-プロパティ-データカテゴリ】を見てみましょう。
デフォルトだと『未分類』になっていると思いますので、**『州または都道府県』**に変更します。
すると、フィールドの「都道府県」のデータの頭に地球儀のようなマークがついたと思います。
これで当該データを地域データとして認識できたということになります。
では、ここで先ほどの「集合横棒グラフ」を選択した状態で、視覚化からグラフの種類で「マップ」を選択してみましょう。
グラフが地図に変わり、各都道府県に円(バブル)が表示された状態になります。
このバブルの大きさがデータの大小を表しています。
フィルターを使う
では、せっかくなのでこのマップを使って分析を続けましょう。
日本全体だと見づらいので、もう少し拡大して本州の中央あたりに着目してみます。
こうしてみると、西は大阪・奈良・三重、東は東京・神奈川・千葉など学習時間の多いところは地域的に偏りがあるように見えます。
これは「すべてのライフステージ」での平均時間を表していますが、自分自身のライフステージではどうなのか気になりますね。
私のライフステージは「子供のいない夫・妻」に該当するので、同じライフステージの全国の皆さんの平均が気になります。
そのような場合は、フィルターを使ってデータを絞り込みます。
「視覚化」の左隣にある「フィルター」を見てみましょう。
フィルターをかける範囲には3種類あります。
- このビジュアルでのフィルター:選択中のグラフだけにフィルターをかける
- このページでのフィルター:現在のページにある全グラフにフィルターをかける
- すべてのページでのフィルター:すべてのページにある全グラフにフィルターをかける
この中で**「すべてのページでのフィルター」はおすすめしません。**
こうしてしまうと、全ページでフィルタがかかっていることをうっかり忘れて分析を進めてしまうことがあります。あまりフィルターの範囲を広げるのはおすすめしません。「このビジュアルでのフィルター」か「このページでのフィルター」を使うのがよいでしょう。
さて、ではここでは「このビジュアルでのフィルター」にフィールドから「ライフステージ」をドラッグ&ドロップしてみます。
フィルターの種類は「基本フィルター」のままで、「子供のいない夫・妻」にチェックを入れると、データがフィルタリングされます。
なお、チェックを入れてマップが更新されると、マップが自動的にズームアウトしてしまいます。
この動きが嫌な場合は、「視覚化-マップの制御」の**「自動ズーム」を「オフ」**にしておくとよいです。
さて、「子供のいない夫・妻」にフィルタリングしたデータを見てみると、東京、神奈川、千葉、京都、大阪、といった大都市が目立ちます。大都市圏の方が大人が学習する環境が整っているということなのでしょうか?
今度は「ライフステージ」を「独身期」でフィルターしてみます。
なぜか京都が突出しています。一体なぜなのでしょうか…?
とりあえず京都の独身者は勉強家ということがわかりました。

Power BIを使いこなして一目置かれる人になる
前回と今回の記事でPower BIの基本操作をご説明しました。
他にも色々と面白い機能はあるのですが、ここまででも様々なデータを可視化できるようになったはずです。
Power BIはかくも簡単で便利で楽しいツールなのですが、まだまだ職場ではデータの可視化にExcelのグラフで頑張っている人をよく見かけます。
無料でここまでできるPower BIを使わないなんてもったいないです。
本記事をご覧になった皆さんがイノベーターとなり、職場でぜひPower BIを使ってデータを見せびらかしてみてください。
それを見た人々はきっと**「すごいな」「かっこいい」「何てツールなの?」**と興味津々になることでしょう。
ここから少しずつPower BIの輪が広がっていくことを願っています。