新しいRaspberry Pi OSの問題と対処法
使用環境
- Raspberry Pi 4 Model B(8GB RAM)
- リリース日: 2023年10月10日
- システム: 64ビット
- カーネルバージョン: 6.1
- Debianバージョン: 12 (Bookworm)
新しいRaspberry Pi OSがリリースされ、インストールし直したところ、RealVNCが使えなくなりました。Raspberry Piの設定からVNCをオンにしても、右上のアイコンがアクティブにならず、表示されません。
原因の特定
調査した結果、Raspbian OSがBullseyeからBookwormにアップデートされ、この過程でX11からWaylandに変更されたことが原因であることが判明しました。
- Waylandについての詳細はこちら
この変更により、RealVNCが正常に機能しなくなったようです。
このあたりの動作チェックってリリース前に行われ無いのでしょうか?
チェック修正がされていれば問題を避けることができたとおもいますが。。。
VNCの設定方法
RealVNCを再度有効にするためには以下の手順を実行します。
- ターミナルを開き、以下のコマンドを入力します。
sudo raspi-config
-
終了をクリックし、Raspberry Piを再起動します。
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Bullseye OSで行うのと同じように、アプリケーションメニュー → 環境設定 → ラズベリーパイの設定 → インターフェースをクリックし、VNCを有効にします。
これでRealVNCが自動的に有効になり、設定が完了します。メインコンピュータにRealVNCビューアーがあれば、Raspberry Pi Bookworm OSのデスクトップにリモートアクセスできます。
Chromeブラウザの日本語入力問題
ChromeブラウザではWaylandの影響で日本語入力ができません。しかし、以下の方法で対応可能です。
解決方法1: Firefoxへの切り替え
Raspberry Pi OS BookwormにはFirefoxが標準搭載されており、fcitx5-mozcで日本語入力が可能です。
解決方法2: Waylandの無効化
sudo raspi-config
コマンドを使用してWaylandを無効にすると、日本語入力が可能になります。
解決方法3: Chromiumの特定の起動オプションを使用
以下のコマンドでChromiumを起動すると、Waylandを無効にし(X11で動作させ)、日本語入力が可能になります。
chromium-viewer --ozone-platform=x11