今回の提案
IT、幅広いですよね。(参考)
IT知識を普及したい企業などは全従業員にITパスポートないし基本情報技術者試験の取得を指示したりしています。
ITは簡単に把握したいけど、ITパスポートの試験勉強するほどでもないな~って方、いますよね。
実は、とっておきのサイトがありました。
こちらです: 【情報Ⅰ】授業・解説動画をまとめたサイトを公開しました!
新課程で高校生の情報科目がプログラミングを含めハイレベルになって、国立大学では共通テストでの情報科目の受験が必須となったのは有名な話。
ツイッター(旧X)でも驚き屋のみなさんが情報の新教科書を転載しては驚いていらっしゃいます。
現実的には、トップ高校以外は生徒が訳もわからず教師のコードを写経して情報を勉強したことにする他の科目と同様のマスプロダクションもどき教育が各地でなされているとを当事者から伺っていますが、 社会人のみなさんは、「高校生がハイレベルIT教育を受けている!我々ヤバいのでは!?」と震撼されている方も多いのでしょう。
大丈夫、あなたも情報1を、 校舎で学ぶよりも 質の高い授業で受けられます。
見てみましょう
見てみましょう(再掲): https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_01832.html
コンピュータとプログラミング
先陣はいきなり「プログラミング」です。
センサーライトを作ろう!では、仮想micro:bitを用いたブロックプログラミングから始まります。
僕はすでに経験者なので、初学者の観点から評価することはできないのですが、ちょうど良い遅さで、躓きポイントもなく解説なされていると思います。現実の高校もこんな感じならなあ。
100連ガチャをプログラムして作ろう! 公平な方法で発表な順番を決めよう! ではPythonプログラミングを。こちらもちょうど良い遅さ。現実の高校もこんな感じならなあ。
天気予報表示マシーンを作ろう!ではPythonのGET通信を使います。全国の高校はこれをちゃんと教えられるのだろうか。
オリジナルAIをつくろう!はAlexa developer consoleを用いて、応答ルールを作ります。(さすがにモデルは組まない)
とこんな感じで、無理なくプログラミングの基本的な考え方を学ぶことができます。
高校らしくワークシートも用意されていますね 「ねらい」に穴埋めしているワークシート初めて見た。
情報通信ネットワークとデータの活用
情報インフラとデータの活用がなぜか1分野にまとめられています。どういう事情だろう。
前半の「情報通信ネットワーク」では、家庭の中を探検して、通信機器を見つけて、その役割を解説したりと、けっこう楽しい内容です。教科書でリストアップされるより勉強はしやすいのではないでしょうか。個人的には、こういう一工夫ができるので対面リアルタイム授業より授業動画の方が好きです。
後半の「データ」の活用では、主にExcelを使ってデータをまとめたりします。「データベース」というとSQL叩いたりリレーション図書くイメージが出てくるけど、ここの「データベース」はExcelのこと。そういえばそうだった。そして、日本語でSQL操作もどきができるサイトを利用します。(実は、後の「情報科」でSQLが出てきます)
「データの活用」と題して、データサイエンス体験をします。「仮説を立ててから集計・分析を行う」というかなり重要な題目をカバーしているので、姿勢としてはかなり正しくて良い。下手なアンケート調査をしている大学生(東大生含む)なども見るべきじゃないか?
コミュニケーションと情報デザイン
情報の表現の仕方だったり提案の資料作りのような、総合職だかコンサルみたいな内容です。
ここまでが、普通の高校生が勉強する範囲
驚き屋が言うほど、特に高度なことはしていませんね。普通の高校生はこんなものだと思います。
かなりこの共通テストの試作問題とは乖離しているように見受けられますが、そもそも共通テスト自体がそんな感じなのであまり気にしないとして。
しかし、ツイッターで見受けられるようなハイレベルな内容は、おそらく普通科の高校生にとっては教科書に書いてあるだけのものでしょうね。実際、従来までも家庭科の教科書は50%ぐらいまでしか授業でカバーされていない高校が多ければ、授業数の多い数学でも数2Bが卒業までに終わらないか、無理やり終わらせたことにする高校も実在するわけで。
高等学校情報科「情報Ⅰ」
本番です
この内容は高校の普通科ではなく、「情報科」が学習する内容です。ここは、大学教授による良い感じに踏み込んだ授業動画が用意されています。
情報社会の問題解決
「情報」の免許を保持している教員の指導力向上に資する講義動画を配信しています。
とのことで、高校生向けではないという。
セキュリティ、モラルなど、普遍性が高い内容。こちらを普通科で教えるべきでは?
コミュニケーションと情報デザイン
こちらも
「情報」の免許を保持している教員の指導力向上に資する講義動画を配信しています。
デジタルにするということというふわふわしているタイトルから、デジタル量子化やハフマン法など。マジか。
コンピュータとプログラミング
面白い感じのサイトに。 普通科は「とりあえず分からせる」という一方、こちらは「ちゃんと」(型なども)教えている印象です。
アルゴリズムは二部探索やクイックソート、分割統治法が。いいね!
情報通信ネットワークとデータの活用
情報通信ネットワークの仕組みと役割もちゃんと情報インフラの構造を教えます。
通信プロトコル
アプリケーション層
トランスポート層
インターネット層
IPv4, IPv6
グローバルアドレス・プライベートアドレス
ネットワークインタフェース層
ですって。IPA試験で苦しむ分野筆頭だ...
[データベース]は面白い。リレーショナルデータベースやSQLを扱っています。ちゃんと設計やER図も。これだけでデータベーススペシャリスト合格できるのでは?
データサイエンス分野も面白い。ツイッターの驚き屋がよく教科書から切り抜く箇所ですね。
データの分析からは我々東京大学システム創成学科で大人気、松尾豊さんが出演なさいました。画像認識、自然言語処理、深層学習の基本概念をカバーしていますね。
最後に
せめて高校生に追いつきたいというIT初心者の方にはとてもオススメできる、質の高い授業動画だと感じました。
情報科の講義も、IT企業でバリバリやるにはさすがに不十分ではありますが、それでも入りとしてはとても良いと思います。
ぜひご視聴なさってください。