19
16

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

tmuxを使おう

Last updated at Posted at 2020-05-31

ink (1).png

私が4年前にweb業界に転職する前はJavaのデスクトップアプリケーションを開発していたのですが、他の人の黒い画面を見ては「あの黒い画面に表示されている枠はなんなんや?」と思っていました。実際に使ってみると生産性が3倍(当人の感覚)になりました。

特に開発環境はIDE派の方は、tmuxを使うことでCUI環境もIDEのように見せられます。 早速見ていきましょう。

tmuxとは?

tmux は Terminal Multiplexer の略です。multiplexerとは多重化する、という意味です。一つのターミナル環境の中に複数ターミナルを作成できるのが tmux です。わかりやすいですね。

インストール方法

homebrew でも入るので

$ brew install tmux

で良いでしょう。

基本的な使い方

tmux で登場する概念をざっと図にすると下記のようになります。

plantuml.png

tmux が入っているホストで

tmux

というコマンドを叩くと tmux の session まで立ち上がります。

ここで <prefix> d とすると session を detach し、tmuxの session を抜けます。 <prefix> は何も設定していない場合は Ctrl+b です。
ですので、この表記の場合は Ctrl+b を押したあとに d を押してください。セッションは抜けられたでしょうか?

現在実行中のセッションがいくつあるか確認してみましょう。

tmux list-sessions
0: 1 windows (created Sun May 31 16:03:47 2020)

こんな形で起動中のセッションが表示されます。もとのセッションに接続したい場合は

tmux attach <-t sesssion-name>

としましょう <> で囲んだ部分はオプションです。必要に応じてセッション名を入力してください。

Window と Pane の操作

ところで、tmuxコマンドは tmux セッションの中でも実行可能です。

tmux new-window

とすると新たなWindowが開きます。

tmux select-window -t 0

とすると、元のWindowに切り替わります。

tmux split-window -h

とすると、Windowが縦に2分割され、Pane(枠)が作成されます。操作対象のPaneも切り替えられます。

tmux select-pane -L

で左側のPaneに戻ります。exit すると実行中のプロセスが完了するので、Pane を閉じます。

tmux コマンド操作をショートカットする

続いて、<prefix> : と入力した後、 select-window -t 1 としてみましょう。Windowが切り替わるはずです。

<prefix> : はtmuxの中から tmux server にコマンドを送るショートカットです。<prefix> : としたあとに list-sessions と入力するとセッション一覧が表示されます。

tmux のセッションの中から tmux コマンドを実行する場合は <prefix> : を使いましょう。

設定ファイルを使ってWindowやPaneの操作ができるショートカットを作る

まずは <prefix>ctrl+b だと不便なので、ctrl+a に置き換えてみましょう。 tmux の設定ファイルは ~/.tmux.conf に置きます。

~/.tmux.conf
set -g prefix C-a
unbind C-b

# C-a*2でtmux内のプログラムにC-aを送る
bind C-a send-prefix

とおいた後、 tmux source-file ~/.tmux.conf とするか、 <prefix> : の後、 source-file ~/.tmux.conf としましょう。

<prefix>ctrl+a に置き換わります。 tmux.conf の中で Ctrl+ という操作は C- と表記します。tmux内のコマンドに Ctrl-a が送れないと困るので、 bind C-a send-prefix も定義しておきましょう。 ctrl+a を2回操作すると tmux 内のプロセスに Ctrl-a が送られます。

この後設定ファイルにどんどん追加していくので、この設定ファイルの読み込みもショートカットにしましょう。~/.tmux.conf に次の一行を追加します。

~/.tmux.conf
bind r source-file ~/.tmux.conf \; display "Reloaded!"

再度、tmux source-file ~/.tmux.conf とするか、 <prefix> : の後、 source-file ~/.tmux.conf とします。すると、<prefix> r が設定ファイルの更新ショートカットに変わります。試しにやってみてください。ステータスバーに Reloaded! と表示されたはずです。tmux を使っていて繰り返し行うようなコマンドは、随時 ~/.tmux.conf に追記して育てていくと良いでしょう。

私が使っている Window と Pane の操作を楽にする設定を書いてみると、

~/.tmux.conf
# Launch login shell
set-option -g default-shell "${SHELL}"
set -g default-command "${SHELL}"

# | でペインを縦に分割する
bind | split-window -h -c '#{pane_current_path}'

# - でペインを横に分割する
bind - split-window -v -c '#{pane_current_path}'

# c で新しいウィンドウを作成する
bind c new-window -c '#{pane_current_path}'

# Vimのキーバインドでペインを移動する

bind h select-pane -L
bind j select-pane -D
bind k select-pane -U
bind l select-pane -R

# Window setting

bind -r C-h select-window -t :-
bind -r C-l select-window -t :+

bind-key -n M-< swap-window -t -1
bind-key -n M-> swap-window -t +1

# VimのキーバインドでPaneをリサイズする
bind -r H resize-pane -L 5
bind -r J resize-pane -D 5
bind -r K resize-pane -U 5
bind -r L resize-pane -R 5

# マウス操作を有効にする
setw -g mouse

こんな感じです。 私がよく使うキーバインドをまとめると、

キーバインド 操作
<prefix> [ コピーモードを開始。現在のPane内のコンテンツのスクロールやbufferへのコピーを行う。コピーはスペースで開始
<prefix> ] bufferの内容を貼り付ける
<prefix> c Windowを作成する
<prefix> 1 Windowを1を開く。1の部分は 0-9 までの数字を指定できる。要するにWindow切り替えのキーバインド
<prefix> - Pane を作成し、横に分割する
` `
<prefix> z 操作対象の Pane のみ表示する / 他の Pane も合わせて表示する(トグル)
<prefix> h 操作対象の Pane を左に切り替える
<prefix> j 操作対象の Pane を下に切り替える
<prefix> k 操作対象の Pane を上に切り替える
<prefix> l 操作対象の Pane を右に切り替える
<prefix> H 操作対象の Pane を左に広げる
<prefix> J 操作対象の Pane を下に広げる
<prefix> K 操作対象の Pane を上に広げる
<prefix> L 操作対象の Pane を右に広げる

という感じです。 bind c new-window -c '#{pane_current_path}' で登場する -c #{pane_current_path} は 現在のPaneのpath(pane_current_pathという変数)を new-window コマンドの -c オプションに与えています。言い換えると 新しいWindowを現在選択中のPaneのパスで開く ということです。利用可能な変数等は man tmux を開くと良いでしょう。

快適な tmux 生活を支えるユーティリティ

tmux plugin manager(tpm)

tmux は割と簡単に拡張ができるので、プラグインが配布されています。

ステータスバーの表示をカスタマイズ

いい感じのステータスバー表示がほしい方は tmux themepack を入れれば手に入ります。

自前でカスタマイズされたい方は、 set -g status-left, set -g status-right, set-window-option -g window-status-format, set-window-option -g window-status-current-format 等で表示するコンテンツを指定し、色やスタイルを指定していくと良いでしょう。

Window / Paneを管理する tmuxinator

tmuxinator は yaml を書いて Window / Pane を一括管理するツールです。
一点欠点があるとすれば、 ruby に依存しているツールです。開発環境で使っているrubyとバッティングすることがあります。
中を見ると愚直に tmux コマンドを打っていくだけなので、 go か rust で開発してバイナリを配布すると良さそうですよね。

tmux上に表示された Git SHAs 等をサクッとコピーする tmux-thumbs

デフォルトの設定だと <prefix> space を押すと、 Git SHA っぽい文字列だったり、IPアドレスっぽい文字列をさくっと buffer(コピーするための領域)にコピーしてくれるツールです。

FAQ

書籍はないの?

今の所日本語で詳細がまとまった書籍はないようです。(技術書展とかであるのかな)

洋書だと

私は tmux 2 を読んで学びましたが、 The tao of tmux も一つずつ使い方が学べそうです。

19
16
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
19
16

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?