はじめに
この記事は、Engineering Manager Advent Calendar 2022 の 19 日目の記事です。
私はエンジニア上がりの EM なのですが、エンジニアからすると意外と EM ってどんな仕事をしているのか見えづらかったりするので、この機会に EM の仕事内容や役割などを整理したいと思います。
3 行で自己紹介
- IT 業界歴は 10 年弱
- マネジメント歴は 3 年弱
- 前職は開発組織の部長(CTO, VPoE は不在)、現在は EM 兼 PjM
私が日々行っている EM 業務の実態
具体的に今の職場で私が EM として行っている業務は以下になります。
- 1on1, オンボーディング、目標管理、評価、採用、キャリア育成などのピープルマネジメント
- 組織ごとの人的リソース管理や組織横断のタスクフォースなどの推進、予算管理
- プロジェクトのスケジューリングやマイルストーン管理(アジャイル、スクラム)
- プロダクトの要件定義や優先順位付け
以下の広木さんの記事の画像が非常に整理されていてわかりやすいので抜粋しますが、EM と一口に言ってもこれだけ役割があります。
※引用元:エンジニアリングマネージャ/プロダクトマネージャのための知識体系と読書ガイド
私は PjM としても並行して動いているので、やや強い EM ということになりそうです。
ドラクエで例えると、さまようよろいくらいの強さでしょうか?
これをデスタムーア最終形態くらいにしたいところです
マネージャーの役割とは
私がマネジメント職に就いてしばらくたったときに、結局マネージャーの役割ってなんなんだろうと考えたときがありました。
そのときに私が読んだ本の中にとてもしっくり来た一文があったのでご紹介します。
マネージャーの仕事は、部下に対して今の仕事の意義を説き、現場のメンバーの問題解決を支援することで前向きなエネルギーを作り出すこと
この引用は、以前私が読んだ書籍(経営トップの仕事 戦略参謀の改革現場から50のアドバイス
)からの抜粋です。
※ちょっと本のタイトルからして固め・味濃いめですが、わりと読みやすかったです
私はこの一文にマネージャーの仕事が凝縮されている気がしていて、かなりしっくり来ました。
個人的には、特に仕事の意義を説き
という部分が重要だと感じています。
オーナーから依頼されたものを、そのままメンバーやエンジニアに横流しするだけでは、マネージャーの介在価値はありません。
その仕事をやることによるインパクトや価値をメンバーに咀嚼して伝えることが重要だと思います。
EM に必要なスキルとマインドセット
EM の役割は多岐に渡りますが、ここでは私がメインで業務しているピープルマネジメントとプロジェクトマネジメントに分けて書きます。
ピープルマネジメント
- 他人への共感力
- メンバーの成長やパフォーマンス向上のために真剣に自分の時間と脳を使えるか
- 感情のコントロール
- 感情を抑えて私情を挟まないようにできるか、逆に適材適所で感情表現が行えるか
老若男女、国籍問わず、色々な方をコミュニケーションを取るので上記は必須だと思います。
場合によっては、自分より人生経験やキャリアも豊富な方のマネージャーになることもあります。
マネージャーとはいえ、そこには上下関係は存在せず、役割が違うだけということを念頭におく必要があります。
プロジェクトマネジメント
- 逆算思考
- 成果や目標から逆算して考えられるか
- これができないと QCDS をマネジメントできない
- 判断力(トレードオフを理解する)
- やることだけでなく、やらないことも決められるか
- 優先度ではなく優先順位を付けることが必要
プロジェクトマネジメントでは、ごちゃごちゃしているカオスな状態を整理整頓できることが重要だと思っています。
要望が多かったり優先度が高くても、使えるリソースは限られているので、順序立てて進めなくてはいけません。
まとめ
色々書きましたが、ひと言でいうと EM は、なんでもやる人
です。
正直なところ私は EM として 1 番重要なことは、仕事を選ばないことだと思っています。
会社や体制にもよりますが、人手不足なところでは、法務的なフィジビリの確認や関係各所との調整や根回し、議事録の作成など、雑用と思われるような仕事もあります。
ルーズボールを拾ったり、意識してファーストペンギンになることも必要です。
自分がやりたいことも重要ですが、事業やその時々に求められることを優先して泥臭く行動できる人が良い EM だと思っています。
興味がなかったことでも、やってみると案外楽しかったり、自分に向いていることが分かったりします。
読んでいただいた方が少しでも EM について理解が深まったらありがたいです。