概要
この記事は、Luanti(以前のMitest)と呼ばれる、ボクセル型ゲームエンジンを用いて、パソコン(Windows , Mac , Linux(UbuntuやRedHatなど))上でMinecraftのようなサンドボックスゲームをホストし、外部から接続するマルチプレイを行うまでの手順まとめです。
この記事で扱う、Localtonetは、通信におけるトンネルサービス(トンネリングとも)で、無料プランがあります。同様のサービスでは、NgrokやCloudflare Tunnelがありますが、Luantiでは、UDP接続必要ですので、Ngrokは候補から外れます。Cloudflare Tunnelは、あなた自身が独自ドメイン(.comや.jpなど)を別途所持している必要があり、独自ドメインは原則有料です。独自ドメインは、会社や学校のホームページのURLに使われています。今回は独自ドメインなしで、より手軽にトンネルサービスを使いたいので、Localtonet を使います。
- Luanti : https://www.luanti.org
- Locatonet : https://localtonet.com
Luantiの稼働環境は、Windows , Mac , Linux , Android です。Chromebookについては、ChromebookでLinuxが使える場合に限り動かすことができます。
注意
接続先は信頼できるか?
LoacltonetやNgrok、Cloudflare Tunnelなどのトンネルサービスは、誰でも使えます。
そのため、悪意のあるアプリケーションに接続させることもできるので、接続先が信頼できるところなのか、どんなアプリケーションに接続するのか、必ず確認してからにしましょう。
企業や教育機関であれば、対面かリモートのビデオ会議(ビデオチャット)で、実際にLoacltonetやNgrok、Cloudflare Tunnelなどのトンネルサービスの接続先について説明を受けてから、接続するようにしてください。個人の場合は、必ず信頼できる人とやりとりしましょう。
Localtonetの設定
アカウント登録
LocaltonetのWebサイト( https://localtonet.com )にアクセスします。「Get Started For Free」をクリックします。
アカウントを作成します。GoogleアカウントやGithubアカウントがあれば、「Sign Up With」の下にあるアイコンをクリックします。
Dashbaord
アカウント登録が済むと、Dashboard が表示されます。
Localtonetにアカウント登録済みの場合
このDashboardは、Localtonetにアカウント登録済みの場合は、LocaltonetのWebサイトの画面右上に表示されている「Dashbaord」をクリックすることで、アクセスすることができます。
接続アプリのインストール
Localtonetを使うにあたり、パソコン側のアプリを外部から接続するためには、パソコン側とLocatonetと外部からの接続を中継するアプリケーションが必要です。
Dashbaordの画面右下の「Downloads」をクリックします。
お使いのパソコンにあわせたインストーラーをダウンロードします。Windows環境であれば、ほとんどの場合は、IntelかAMDのCPUですから、「Microsoft Store」か「Windows(64bit)」のどちらかをクリックして、インストーラーをダウンロードします。
ここでは、Microosft Store版のインストーラーをダウンロードし、ダウンロード後、ダブルクリックしてインストールを行いました。
インストール後、下図のように表示されます。このままにしておきます。
Dashbaord画面に表示されている「AuthToken」の文字列をコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
下図のように表示されれば、正常です。トンネルを動かすと、この画面に稼働状況が表示されます。
また、接続アプリを閉じた場合は、Windowsの場合は、スタートメニューに登録されるので、いつでも呼び出せます。
トンネルをつくる
Dashboard画面で、画面左側のサイドバーの「My Tunnels」を開き、「TCP - UDP」をクリックします。
Luantiでは、UDPの30000番を使います。また、トンネルサービスではTCPも使います。
下図のように、「Protocol Type」を「UDP - TCP」、「Server」は最寄りのもの(今回は、JP-Tokyo)、「Port」に、「30000」と入れました。入力後、「Submit」をクリックします。
作成したトンネルが表示されます。緑色の▶ のボタンをクリックすれば、トンネルが動きだします。しかし、トンネルを有効にする前に、Luantiを起動しておく必要があります。
Luanti でゲームをホストする
Luantiのインストールと起動(ゲームに接続するプレイヤーも同じ作業が必要)
LuantiのWebサイト( https://www.luanti.org/ )にアクセスします。「Download」をクリックします。
英語表示ですが、Luantiをインストールすれば、日本語になります。
お使いのパソコンの環境にあわせて、Luantiのインストーラーをダウンロードしてください。
Windows環境の場合は、「recommended」と表示されている、「Luanti 5.12.0 - portable, 64-bit (recommended)」が良いでしょう。(2025年7月11日現在)
Zipファイルなので、ダウンロード後、Zipファイルを展開(古い言い方だと解凍)します。
Zipファイルを展開すると、「luanti-5.12.0-win64」というフォルダが表示されます。
ダブルクリックして開くと、同じ名前のフォルダがあります。それをさらに開きます。
ゲームのインストール
Luantiは、ゲームエンジンを兼ねています。ゲームをホストする人がいて、ホスト先に他のプレイヤーが接続することで、ゲームを開始することができます。
ゲームをホストする人は、ゲームをインストールしなければなりません。
「ゲームをインストール」をクリックします。
表示されたゲームから選びます。ここでは定番の「Mintest Game」にしましょう。操作を覚えたら、他のゲームでも良いでしょう。操作は同じです。
「入手」が、「削除」に変われば、インストールできたことになります。画面左下の「戻る」をクリックします。
モジュールの追加
「Mods」のタブをクリックします。「ゲーム」のタブで、ゲームのインストールができます。
「Mods」タブには、様々なモジュールが表示されています。インストール済みのゲームの機能拡張ができます。
「LWScratch」を探します。
見つかった「LWScratch」をクリックします。「入手」をクリックします。
「削除」が表示されれば、インストール成功です。「戻る」をクリックします。
ワールドの作成とMOD(モジュール)の有効化
「ワールド名」を入力し、各フラグのオン/オフを調整します。「作成」をクリックします。
ワールドを作成することができました。次にワールドにモジュールを追加します。「MODを選択」をクリックします。
ここでは「LWScratch」を選び、「有効」にチェックをいれます。「すべて有効化」をクリックしても良いですね。その後、「保存」をクリックします。
ゲームのホストをはじめる
「ゲームスタート」のタブで、最低減、「ホストサーバー」にはチェックしましょう。ここでは、「クリエイティブ」モードも欲しいので、「クリエイティブ」にもチェックしています。
また、あなた自身がログインするので、あなたのユーザーとしての「名前」と「パスワード」を入力します。「サーバーのポート」は、30000 にします。「サーバーのポート」の値は、LocaltonetのDashboard内で、トンネルをつくったときに指定したサーバーのポートの値を同じにします。
「ワールドを選択」で作成済みのワールドを選び、「ゲームをホスト」をクリックしましょう。ゲームが起動します。
画面内で、キーボードの「I」を押すと、インベントリ画面が表示されます。▶を押してページ送りができます。
ツルハシやロボットがインベントリにあるので、下図のようにドラッグ&ドロップします。
ツルハシやロボットが表示されているヨコ8マスを「ホットバー」と言い、キーボードの1~8を押すことで、使用可能な道具やブロックを切り替えることができます。
ホットバーで使えるブロックや道具は、インベントリ画面で設定するか、壊して回収したアイテムになります。
「LWScratch」モジュールはロボットなので、ロボットを設置できるか確認します。
ロボットを選び、右クリックすることで設置されます。下図の場合は、8のキーを押せばロボットを選んだことになります。
「Private」を選びます。
設置したロボットは、ツルハシやロボットで破壊することができます。
暗くなったときは松明を設置しよう!
時間が経つと暗くなります。インベントリ画面の「すべて」タブに松明があるので、松明を設置しておけば、暗くなっても明るい場所を確保することができます。
破壊してホットバーに入ったロボットを破棄するには..
不要なロボットを破棄する場合は、インベントリ画面で、該当するロボットのアイコンをゴミ箱にドラッグ&ドロップしましょう。
これで不要なロボットがホットバーから消えます。
ゲームをホストする人は、アプリを閉じないこと
Luantiのアプリケーションを閉じないでそのままにします。閉じるとゲームのホストも終了してしまうためです。
トンネルを起動する
Luantiを起動し、ゲームのホストをスタートしたので、LocaltonetのDashboardに戻ります。
Luantiの画面で、Escキーを押すことで離れることができます。戻るときは「再開」です。
Dashboardで作成済みのトンネルを表示します。
緑色の▶ のボタンをクリックすれば、トンネルが動きだしますので、クリックします。
Localtonetの接続アプリで、接続先「IP/Url」の確認
「IP/Url」に表示されている値をメモします。
下図の場合は、9858 は、他のプレイヤーがホスト中のゲームに接続する際に入力が必要なポート番号になります。「IP/Url」に表示される値は、トンネル作成枚に異なります。
9858の前のpceijqs2g.localto.netが、Luantiでは「アドレス」になります。このアドレスは、トンネル作成毎に異なります。
他のプレイヤーに接続してもらう
ここからは、ゲームをホストする側ではなく、ホストされているゲームに接続するプレイヤー側になります。
他のプレイヤーに、Luantiをインストールしてもらいましょう。
インストールの手順は先ほどと同じです。
Luantiがインストール済みであることを前提に以下、進みます。
ホストされているゲームに参加しよう
Luantiの起動
Luantiのアプリケーションを起動後、「ゲームに参加」のタブをクリックします。
Localtonetの接続アプリに表示されている「IP/Url」を、ゲームをホストしている人から教えてもらい、「pceijqs2g.localto.net(トンネル作成毎で異なるので読み替えましょう)」の部分を「アドレス」に、「9858」の部分を「ポート」にそれぞれ入力します。その後、「登録」をクリックします。
ゲームにユーザー登録
ユーザー登録を行います。日本語は使えません。英数字で入力しましょう。
「名前」と「パスワード」にそれぞれ入力します。「パスワードの確認」には「パスワード」と同じものを入力します。入力後、「登録」をクリックします。
ゲームに接続
初回はユーザー登録が必要なので、ユーザー登録を行うことでゲームへの接続が始まります。
2回目以降の接続は、ユーザー登録済みの場合は、「アドレス」と「ポート」、「名前」、「パスワード」を入力し、「ログイン」をクリックしましょう。
ゲームに接続することができ、他のユーザーと会うことができます。
ホスト中のゲームを初期化または削除したい場合
ゲームをホストしている人は、Luantiの画面で、該当するワールドを選び「削除」を行ってください。
無人でゲームをホストしたい場合
AWSやIBM Cloud等の仮想サーバーを使って、Linux上でLuantiをサーバーモードで起動して運用してください。
参考資料