はじめに
開発業務で必須級の知識であるUnixコマンド。
全て覚えるのはなかなか難しいですが、正式名称や命名の由来を知っておくことでその意味を簡単に思い出すことができます。
本記事では様々なUnixコマンドの正式名称や由来を紹介します。各コマンドの内容についてもまとめましたので復習やUnixコマンドの勉強としてもご活用いただけるかと思います。
本記事の最後に、紹介したUnixコマンドと正式名称・コマンドの内容を表形式で一覧にまとめましたので、振り返りの際にご活用ください。
弊社Nucoでは、他にも様々なお役立ち記事を公開しています。よかったら、Organizationのページも覗いてみてください。
また、Nucoでは一緒に働く仲間も募集しています!興味をお持ちいただける方は、こちらまで。
Unixコマンドの正式名称
ディレクトリ基本操作
ls
-
正式名称・由来:
list | list segments
1960年代に開発されたMulticsと呼ばれるOSにおいて、segmentsがファイルのことを指しており、ファイルをリストすることが由来。 -
内容:
現在ディレクトリのファイル一覧表示
cd
- 正式名称・由来:
change directory
- 内容:
ディレクトリの移動
pwd
- 正式名称・由来:
print working directory
- 内容:
現在の作業ディレクトリのフルパスを表示
mkdir
- 正式名称・由来:
make directory
- 内容:
新しいディレクトリを作成
mv
- 正式名称・由来:
move
- 内容:
ファイルをディレクトリへ移動
rm
- 正式名称・由来:
remove
- 内容:
ファイルやディレクトリを削除
pushd
- 由来:push操作とディレクトリ(directory)の概念を組み合わせたもの
- 内容:
現在のディレクトリをスタックに保存し、指定されたディレクトリに移動
popd
- 由来:pop操作とディレクトリ(directory)の概念を組み合わせたもの
- 内容:
スタックに保存された最後のディレクトリに移動し、それをスタックから削除
ファイル操作
cat
- 正式名称・由来:
concatenate
/catenate
連結するのconcatenateやcatenateが由来。ファイルの内部を閲覧するためのコマンドのイメージが強いが、元は複数のファイルの内容を連結してストリームに出力するために設計された。その使いやすさと利便性から単一ファイルの内容を表示するためにも広く利用されるようになった。 - 内容:
一つ以上のファイルの内容を標準出力に表示する。ファイルの内容を連結して表示したり、新しいファイルを作成する際にも使用される
touch
- 正式名称・由来:ファイルのタイムスタンプを触る(更新する)
- 内容:
ファイルのアクセス時間や修正時間を現在の時刻に更新する。ファイルが存在しない場合は、空のファイルを新規に作成する
file
-
正式名称・由来:単純にファイルの情報を表示する機能
-
内容:
ファイルの種類を調べる。ファイルの内容を調査し、テキストファイル、実行ファイル、画像ファイルなど、そのファイルのタイプを表示。
システム管理・権限
sudo
正式名称・由来:super user do / substitute user do
内容:一般ユーザーが管理者(スーパーユーザーまたは別のユーザー)の権限でコマンドを実行するために使用。sudoコマンドはセキュリティの観点から重要で、権限のある操作を行う際にユーザーの権限を一時的に昇格させる。設定ファイルsudoersで定義されたポリシーに従って、特定のユーザーやグループに特定のコマンドの実行を許可することが可能。
su
正式名称・由来:substitute user
内容:現在のユーザーを別のユーザーに変更する。主にシステム管理者が他のユーザーの権限でコマンドを実行するために使用される。su
の後にユーザー名を指定しない場合、デフォルトでrootユーザーに切り替わる。
su = super user ?
sudo su
などの管理者権限関連のイメージが強くsuper userの略と誤解されがちですが、su
コマンド自体は以下のようにユーザの切り替えに使います。ゆえに代用するや取り替えるの意のsubstituteが正しい定義のようです。
su 切り替えるアカウント名
※ @ko1nksm 様のコメントを受けて以下を更新
元々は管理者になることしかできず、最初はsuper userの略、その後ユーザーIDを指定できるようになりsubstitute userの略と改められたとのことです!
chown
正式名称・由来:change owner
内容:ファイルまたはディレクトリの所有者を変更する。このコマンドを使用すると、ファイルの所有者およびグループ所有者を新しいユーザーやグループに変更できる。
shutdown
/ reboot
正式名称・由来:shutdownはシステムの停止を意味し、rebootはシステムの再起動を意味する。それぞれ直接的な名称で、その機能を明確に表している。
内容:shutdownコマンドはシステムを安全に停止させるために使用され、オプションによっては再起動(reboot)やログオフを指定できる。rebootコマンドはシステムを再起動させるために使用される。
ブート(Boot)の由来
コンピュータを起動することを「ブートする(Boot)」、コンピュータを起動するプログラムは「ブートストラップ(Bootstrap)」と呼ばれます。コンピュータがパンチカード(起動プログラムが紙テープに穴の配列としてパンチされたカード)を使っていた時代、このテープがBootstrapと呼ばれており、これは長靴のBootsが語源とされています。これは「ほらふき男爵の冒険」の主人公ミュンヒハウゼン男爵が、左手で左足のつまみ皮を、右手で右足のつまみ皮を交互に引っ張って崖を登った、というエピソードに由来します。「bootstrap = 自力で成し遂げる」との意味を持つようになり、さらにつまみ皮とテープのイメージが重なって、起動テープがコンピュータを持ち上げる(=起動する)という発想で「bootstrap」と呼ぶようになりました。
引用:Wedder.net
chgrp
正式名称・由来:change group
内容:ファイルまたはディレクトリのグループ所有者を変更する。このコマンドを使用することで、特定のファイルやディレクトリに対するグループのアクセス権を変更できる。
ファイル検索
find
正式名称・由来:そのままの意味
ファイルシステム内でファイルやディレクトリを「見つける」ことを意味
内容:
指定されたディレクトリから開始して、ファイルシステムを再帰的に検索し、与えられた検索条件に一致するファイルやディレクトリを見つけ出す。検索条件は、ファイル名、ファイルタイプ、サイズ、所有者、修正日時など。
locate
正式名称・由来:そのままの意味
システム上でファイルやディレクトリを「位置づける」ことを意味
内容:指定文字列を名前に含むファイル、ディレクトリを列挙。あらかじめ作成されたデータベースを使用してファイルやディレクトリを高速に検索する。このデータベースは、システム上の全てのファイルとディレクトリのインデックスを含んでおり、updatedbコマンドによって定期的に更新される。locateはfindよりも高速に結果を返すことができる、データベースが最後に更新されてからの変更は反映されないため、最新の情報を得るにはupdatedbの実行が必要。
環境変数・シェル変数
set
-
正式名称・由来:そのままの意味
シェルの変数や関数を「設定」することを意味
元々初期のBourneシェルで set が変数代入の機能だったことと、シェル変数とシェル関数の名前空間が同じだったことに由来(@ko1nksm 様のコメントを受けて加筆)。 -
内容:シェル環境内で変数やシェルのオプションを設定したり、現在のシェル環境の変数や関数の一覧を表示するために使用。引数なしで実行すると、現在のシェル環境のすべての変数と関数が表示される。また、特定のシェルオプションを有効または無効にするためにも使用される。
unset
-
正式名称・由来:変数や関数を「未設定」状態に戻す、つまり削除することを意味
-
内容:定義されているシェル変数や関数を削除するために使用。unsetコマンドに続けて変数名や関数名を指定することで、その変数や関数の定義を取り消すことが可能。
printenv
-
正式名称・由来:
print environment
環境変数を「表示」することを意味 -
内容:現在のシェル環境に設定されている環境変数の一覧を表示します。引数として特定の環境変数名を指定すると、その変数の値のみを表示します。このコマンドは、シェルスクリプトやシステム設定のデバッグ時に便利です。
export
-
正式名称・由来:そのままの意味
変数の「エクスポート」することを意味 -
内容:シェル変数を環境変数に昇格させ、その変数をシェルの子プロセスが利用できるようにする。exportコマンドに続けて変数名を指定することで、その変数が環境変数として設定され、シェルスクリプトやプログラムが実行される際にその環境変数を引き継ぐことができるようになる。
テキスト処理
more
-
正式名称・由来:
more(もっと見せて)
more コマンドの名前は、画面に一度に表示できる以上の内容を持つテキストファイルを閲覧する際に、もっと見せて(more)という要求から来ている。 -
内容:
ファイルの内容表示(ページごとに止まる)
less
- 正式名称・由来:
less is more
more
コマンドの拡張版であり、ユーザーが前後に自由にナビゲートできる機能 - 内容:
ファイルの内容表示(スクロール操作できる)
lv
- 正式名称・由来:
less viewer
less
コマンドの拡張版であり、特に多言語に対応しているためこの名前がつけられた。 - 内容:
ファイルの内容表示(スクロール操作できる)、文字コードの変換にも利用が可能
head / tail
-
正式名称・由来:テキストファイルの「先頭(head)」と「末尾(tail)」の部分を表示する機能
-
内容:
-
head
:ファイルの最初の部分(デフォルトでは最初の10行)を表示。 -
tail
:コマンドは、ファイルの最後の部分(デフォルトでは最後の10行)を表示。また、-f オプションを使用してリアルタイムでファイルの末尾を追跡することも可能。
-
grep
- 正式名称・由来:
Global Regular Expression Print
g/re/p
→ ファイル全体から / 正規表現(regular expression)に一致する行を / 表示 - 内容:
指定したパターン(通常は正規表現)に一致する行を検索・表示
sed
- 正式名称・由来:
Stream Editor
ストリーム(またはパイプ)を通じてテキストを編集することからこの名前が付けられた。 - 内容:
テキストストリームを操作し、指定されたパターンに基づいてテキストの検索・置換・削除などの編集を行う。スクリプトとして実行することも可能。
diff
- 正式名称・由来:
difference
二つのファイル間の差分または違いを見つける - 内容:
二つのテキストファイルを比較し、行単位での違いを表示。ソースコードのバージョン間の変更点を確認するのによく使用される。
cut
- 正式名称・由来:
cut out
テキストの切り取り(cut out)機能からきている - 内容:
ファイルまたは標準入力からテキストを切り出し、指定されたフィールドや文字列を抽出して表示。デリミタ(区切り文字)を指定して、列単位でデータを抽出することが一般的。
echo
- 正式名称・由来:
echo
入力された文字列をそのまま "echo"(反響、エコー)する機能 - 内容:
引数として与えられた文字列を標準出力に表示。スクリプトで変数の値を表示したり、メッセージを出力したりするのによく使われる。
uniq
- 正式名称・由来:
unique
重複する行をフィルターすることが由来 - 内容:
ソートされたファイルまたは標準入力から重複する行を除去し、ユニークな行のみを表示。連続する重複行のみを検出・処理するため、通常 sort コマンドと組み合わせて使用される。
sort
- 正式名称・由来:
テキストやデータを "sort"(整列、ソート)する機能を提供 - 内容:
ファイルの内容や標準入力を行単位でソート(アルファベット順、数値順、逆順など)し、結果を標準出力。複数のソート基準を指定することも可能。
nkf
- 正式名称・由来:
Network Kanji Filter"
特に日本語テキストの文字コード変換を目的としたユーティリティ - 内容:
LinuxとWindowsなど、異なるOS間でテキストデータを交換する際に問題となる文字コードと改行コードを変換
dos2unix / unix2dos
- 正式名称・由来:
テキストファイルの改行コードを DOS/Windows 形式 (\r\n) から Unix/Linux 形式 (\n) へ、またはその逆へ変換する機能を表している - 内容:
異なるOS間でテキストファイルを共有する際の互換性問題を解決- dos2unix:DOS/Windows 形式のテキストファイルを Unix/Linux 形式に変換。
- unix2dos:Unix/Linux 形式のテキストファイルを DOS/Windows 形式に変換。
コマンド履歴・再実行・コマンドを調べる
history
- 正式名称・由来:
シェルのコマンド履歴を表示 - 内容:
ユーザーが以前に実行したコマンドのリストを表示。このリストを使用して過去のコマンドを参照したり、再実行したりすることが可能。
man
-
正式名称・由来:
manual
-
内容:
コマンドやプログラムのマニュアルページを表示
which
-
正式名称・由来:
which
-
内容:
指定されたコマンドの実行ファイルがシステムのパス内のどこに存在するかを表示
解凍、圧縮
tar
-
正式名称・由来:
Tape Archive
もともとはテープドライブにデータをアーカイブするために開発されたツール
開発された当時、テープドライブはデータのバックアップや交換に広く使用されており、その後ファイルのアーカイブ化や抽出に一般的に使用されるようになった。 -
内容:
.tar(アーカイブファイル)の解凍
gunzip
-
正式名称・由来:
gzip ファイルの解凍(unzip)
-
内容:
.gz 形式で圧縮されたファイルを解凍。gzip で圧縮されたファイルは、gunzip を使用して元の形式に戻すことが可能。
p7zip
-
正式名称・由来:
7-Zip の Unix および Linux ポート版で高い圧縮率を誇る 7z フォーマットをサポートしてる -
内容:
7z形式で圧縮し、file.7zを生成(圧縮前のファイルは削除)
プロセス・ジョブ操作と強制終了
ps
-
正式名称・由来:
process status
-
内容:
実行中のプロセスに関する情報を表示。出力は、プロセスID(PID)・実行中のコマンド・CPUやメモリの使用状況など。
jobs
-
正式名称・由来:
ユーザーが起動した "jobs"(ジョブ、またはタスク)の状態を表示する機能 -
内容:
現在のシェルセッションに関連付けられているジョブの一覧とその状態(実行中・停止中・終了等)を表示。バックグラウンドやジョブ制御が有効なシェルで使用される。
bg
-
正式名称・由来:
background
-
内容:
停止(一時停止)状態のジョブをバックグラウンドで再開。ジョブがバックグラウンドで実行されると、ユーザーはシェルを使用して他のコマンドを実行することができる。
fg
-
正式名称・由来:
foreground
-
内容:
バックグラウンドまたは停止状態のジョブをフォアグラウンドに戻し、そのジョブにシェルの制御を移譲。フォアグラウンドで実行されるジョブはユーザーの直接的な入力を受け取り、シェルはそのジョブが終了するまで他のコマンドを受け付けない。
kill
-
正式名称・由来:
プロセスを "kill"(終了)させることが由来 -
内容:
指定されたプロセスID(PID)のプロセスを終了。通常、シグナルを指定してプロセスに送信し、そのプロセスを終了させるか、特定の状態に移行させます。SIGKILL(kill -9)は最も一般的に使用されるシグナルで、プロセスを即座に終了させるが、データの損失や不整合を引き起こす可能性があるため、注意して使用する必要がある。
ネットワーク
ip
-
正式名称・由来:
Internet Protocol
-
内容:
インターフェースの設定、ルーティングテーブルの管理、IPアドレスの表示と設定、ネットワーク診断などの機能を提供。ifconfig
の後継として登場し、より多機能で現代的な代替手段を提供。
telnet
-
正式名称・由来:
teletype network
遠隔のコンピュータにログインするためのプロトコル -
内容:
ユーザーが遠隔のシステムに接続し、コマンドラインインターフェースを介してそのシステムを操作できるようにする。セキュリティが非常に弱いため、現在ではssh
によってほとんど置き換えられている。
ssh
-
正式名称・由来:
Secure Shell
-
内容:
暗号化された接続を通じてリモートマシンにログインし、コマンドを実行したり、ファイル転送を行う。telnet
のセキュアな代替として広く使われている。
scp
-
正式名称・由来:
secure copy protocol
-
内容:
SSHプロトコルを使用して、ローカルとリモートの間、または2つのリモートシステム間でファイルを暗号化して転送。
curl
-
正式名称・由来:
client URL
-
内容:
URLを指定してデータの送受信を行う。HTTP, HTTPS, FTP など多くのプロトコルをサポートしており、APIテスト、ファイルのダウンロード、ウェブサイトのコンテンツの取得などに使用される。
sftp
-
正式名称・由来:
SSH File Transfer Protocol
-
内容:
SSHを利用してファイルを転送。scp
と同様にセキュアで、インタラクティブなファイル転送機能を提供し、ファイルシステムの操作が可能。
nmcli
-
正式名称・由来:
Network Manager Command Line Interface
-
内容:
ネットワークインターフェイスの設定、Wi-Fiネットワークの管理、VPN接続の設定など、ネットワークに関する多岐にわたる設定をコマンドラインから実行可能。NetworkManagerのフロントエンドの一つ。
ディスクとマウント
fdisk
-
正式名称・由来:
fixed disk
またはformat disk
ハードディスクやその他のディスクデバイスのパーティショニング -
内容:
ディスクのパーティションテーブルを作成、変更、削除するためのツール。ディスクの構造を設定し、パーティションのサイズやタイプ(例:Linux、Linux swap)を管理。
mount / umount
-
正式名称・由来:
ファイルシステムをアクセス可能な階層構造に "mount"(取り付ける)
ファイルシステムを階層から "un mount"(取り外す) -
内容:
-
mount
:ストレージデバイス(例:ハードディスク、USBドライブ)やファイルシステムをシステムのディレクトリに関連付ける。これにより、そのディレクトリを通じてデバイスやファイルシステムにアクセスできるようになる。 -
umount
:mount
コマンドで取り付けられたデバイスやファイルシステムを取り外す。データの整合性を保つためには、ファイルシステムの使用が完了した後にumount
を使用することが重要。
-
mountpoint
-
正式名称・由来:
マウントポイント = マウントされるファイルシステムが接続されるディレクトリ -
内容:
与えられたディレクトリが現在マウントポイントであるかどうかをチェックする
findmnt
-
正式名称・由来:
find mount
-
内容:
現在のシステムでマウントされているファイルシステムのリストを表示。システムのマウント構成を理解するのに役立つ。
その他コマンド
source
- 正式名称・由来:
外部のファイルからコマンドを "source"(取り込む)することに由来 - 内容:
指定されたスクリプトファイルまたは設定ファイルの内容を現在のシェルコンテキストで実行。これにより、変数の設定や関数の定義など、スクリプトファイル内の命令が現在のシェルセッションに直接適用される。source
コマンドは. <ファイル名>
という形式で省略して書くことも可能。
stty
-
正式名称・由来:
set tty (set teletypewriter)
"teletypewriter" は、歴史的にはテレタイプ端末を指していたが、現在では端末エミュレータやコンソールを指すことが一般的 -
内容:
端末の制御設定を変更するコマンドで、エコーバック、キャラクタの削除、行の制御など、入力と出力の振る舞いをカスタマイズするために使用される。たとえば、端末のエコー機能をオフにしたり、特殊キャラクタの割り当てを変更したりすることができる。シェルスクリプト内で端末の振る舞いを制御する際や、端末の問題を診断する際に有用。
apt-get
-
正式名称・由来:
advanced package tool – get
-
内容:
はDebian系Linuxディストリビューションでパッケージのインストール、アップグレード、削除を行うためのコマンドラインツール
オプションの正式名称
以下は、Unixコマンドでよく使用される代表的なオプションの正式名称・由来と内容のまとめです。
本記事ではオプションの一般的な由来を記載しています。コマンドによっては意味や用途が異なる場合がありますので注意してください。
-a
- 由来:
all
- 内容:隠しファイルも含む全てのファイル表示
-q
- 由来:
quiet
- 内容:エコーをオフにする
-l
- 由来:
long
- 内容:詳細な情報を表示
-v
- 由来:
verbose
- 内容:詳細な出力、または実行中の操作に関する追加情報を表示
-r / -R
- 由来:
recursive
- 内容:ディレクトリとそのサブディレクトリに対して再帰的に操作を行う
-f
- 由来:
force
- 内容:強制的に操作を実行
-i
- 由来:
interactive
- 内容:操作を行う前にユーザーの確認を求める
-h
- 由来:
human-readable
- 内容:出力を人が読みやすい形式で表示
コマンド一覧表
コマンド一覧表
コマンド名 | 正式名称 | 内容 |
---|---|---|
ls |
list | list segments | 現在ディレクトリのファイル一覧表示 |
cd |
change directory | ディレクトリの移動 |
pwd |
print working directory | 現在の作業ディレクトリのフルパスを表示 |
mkdir |
make directory | 新しいディレクトリを作成 |
mv |
move | ファイルをディレクトリへ移動 |
rm |
remove | ファイルやディレクトリを削除 |
pushd |
- | 現在のディレクトリをスタックに保存し、指定されたディレクトリに移動 |
popd |
- | スタックに保存された最後のディレクトリに移動し、それをスタックから削除 |
cat |
concatenate | 一つ以上のファイルの内容を標準出力に表示 |
touch |
- | ファイルのアクセス時間や修正時間を現在の時刻に更新 |
file |
- | ファイルの種類を調べる |
sudo |
super user do | 一般ユーザーが管理者の権限でコマンドを実行 |
su |
substitute user | 現在のユーザーを別のユーザーに変更 |
chown |
change owner | ファイルまたはディレクトリの所有者を変更 |
shutdown / reboot
|
- | システムの停止や再起動 |
chgrp |
change group | ファイルまたはディレクトリのグループ所有者を変更 |
find |
- | ファイルシステムを再帰的に検索し、条件に一致するファイルやディレクトリを見つけ出す |
locate |
- | 指定文字列を名前に含むファイルやディレクトリを列挙 |
set |
- | シェル環境内で変数やシェルのオプションを設定 |
unset |
- | 定義されているシェル変数や関数を削除 |
printenv |
print environment | 現在のシェル環境に設定されている環境変数の一覧を表示 |
export |
- | シェル変数を環境変数に昇格させる |
more |
more | ファイルの内容表示(ページごとに止まる) |
less |
less is more | ファイルの内容表示(スクロール操作できる) |
lv |
less viewer | ファイルの内容表示(スクロール操作できる)、論理ボリューム情報の表示 |
head / tail
|
- | ファイルの最初の部分や最後の部分を表示 |
grep |
Global Regular Expression Print | 指定したパターンに一致する行を検索・表示 |
sed |
Stream Editor | テキストストリームを操作し、指定されたパターンに基づいてテキストの編集を行う |
diff |
difference | 二つのテキストファイルを比較し、行単位での違いを表示 |
cut |
cut out | テキストを切り出し、指定されたフィールドや文字列を抽出して表示 |
echo |
- | 引数として与えられた文字列を標準出力に表示 |
uniq |
unique | ソートされたファイルから重複する行を除去し、ユニークな行のみを表示 |
sort |
- | ファイルの内容や標準入力を行単位でソートし、結果を標準出力 |
nkf |
Network Kanji Filter | 文字コードと改行コードを変換 |
dos2unix / unix2dos
|
- | テキストファイルの改行コードを変換 |
history |
- | ユーザーが以前に実行したコマンドのリストを表示 |
man |
manual | コマンドやプログラムのマニュアルページを表示 |
which |
- | 指定されたコマンドの実行ファイルの位置を表示 |
tar |
Tape Archive | .tar(アーカイブファイル)の解凍 |
gunzip |
- | .gz 形式で圧縮されたファイルを解凍 |
p7zip |
- | 7z形式で圧縮し、file.7zを生成 |
ps |
process status | 実行中のプロセスに関する情報を表示 |
jobs |
- | 現在のシェルセッションに関連付けられているジョブの一覧とその状態を表示 |
bg |
background | 停止状態のジョブをバックグラウンドで再開 |
fg |
foreground | バックグラウンドまたは停止状態のジョブをフォアグラウンドに戻し、そのジョブにシェルの制御を移譲 |
kill |
- | 指定されたプロセスIDのプロセスを終了 |
ip |
Internet Protocol | インターフェースの設定、ルーティングテーブルの管理などの機能を提供 |
telnet |
teletype network | 遠隔のシステムに接続し、コマンドラインインターフェースを介して操作 |
ssh |
Secure Shell | 暗号化された接続を通じてリモートマシンにログインし、コマンドを実行 |
scp |
secure copy protocol | SSHプロトコルを使用してファイルを暗号化して転送 |
curl |
client URL | URLを指定してデータの送受信を行う |
sftp |
SSH File Transfer Protocol | SSHを利用してファイルを転送 |
nmcli |
Network Manager Command Line Interface | ネットワークインターフェイスの設定、Wi-Fiネットワークの管理など |
fdisk |
fixed disk | format disk | ディスクのパーティションテーブルを作成、変更、削除 |
mount / umount
|
- | ファイルシステムをアクセス可能な階層構造に取り付ける/取り外す |
mountpoint |
- | 与えられたディレクトリが現在マウントポイントであるかどうかをチェック |
findmnt |
find mount | マウントされているファイルシステムのリストを表示 |
source |
- | 指定されたスクリプトファイルまたは設定ファイルの内容を現在のシェルコンテキストで実行 |
stty |
set tty | 端末の制御設定を変更 |
apt-get |
advanced package tool – get | Debian系Linuxディストリビューションでパッケージのインストール、アップグレード、削除 |
オプション一覧表
オプション | 由来 | 内容 |
---|---|---|
-a |
all | 隠しファイルも含む全てのファイル表示 |
-q |
quiet | エコーをオフにする |
-l |
long | 詳細な情報を表示 |
-v |
verbose | 詳細な出力、または実行中の操作に関する追加情報を表示 |
-r / -R |
recursive | ディレクトリとそのサブディレクトリに対して再帰的に操作を行う |
-f |
force | 強制的に操作を実行 |
-i |
interactive | 操作を行う前にユーザーの確認を求める |
-h |
human-readable | 出力を人が読みやすい形式で表示 |
おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございました!
本記事がUnixコマンドの使い方や意味が思い出せない時に参考となるハンドブックとなれば幸いです。
弊社Nucoでは、他にも様々なお役立ち記事を公開しています。よかったら、Organizationのページも覗いてみてください。
また、Nucoでは一緒に働く仲間も募集しています!興味をお持ちいただける方は、こちらまで。