はじめに
この記事は、3分間NetWorkingを読んでインプットした知識をアウトプットするために執筆しています。
学習内容のまとめ、学習してみての所感や疑問などを記載しています。
記事を読んでみて、間違っていることへの指摘や感想などありましたら、ぜひコメントをいただければ幸いです。
3分間NetWorkingのリンクは以下の通り。
https://www5e.biglobe.ne.jp/aji/3min/
レイヤ1 物理層ってどんな層?
レイヤ1はネットワーク機器や電気信号に関するプロトコルをまとめたレイヤです。
ケーブルの種類や長さ、電気信号に関するルールを定めています。
レイヤ1でのトピックス
・電気信号
・ノードとリンク
・ケーブル
・ハブ・リピータ
・トポロジ
信号
どんなデータでも、どんなネットワーク機器でも、相手にデータを送る時には必ず何らかの信号に変換されます。
一般的なものは、銅線を使った電気信号です。この他に光ファイバケーブルを使った光信号や、 Wi-Fiのような電波が信号になるものもあります。
電気信号には大きく分けてアナログとデジタルの2種類があり、これらは連続的と非連続的という違いがあります。
分かりやすく、アナログ信号は波、デジタル信号はON/OFFと考えます。
波は途中で途切れることはなく、常に繋がっています。(連続的)
ON/OFFは途中で一旦途切れて、点いてを繰り返します。(非連続的)
※アナログとデジタルの違いについては、これを読んだだけではあまり理解ができなかったので、別で調べて理解しようと思います。
信号に起きる障害
アナログ信号、デジタル信号に依らず、電気信号には様々な障害が起きます。
主に減衰・ノイズ・衝突の3つです。
まず、銅線を使う電気信号には必ず”電気抵抗”があります。これは絶対に避けることが出来ません。
この電気抵抗によって、信号が弱まってしまうことが減衰です。
光信号の場合は電気抵抗が起こりませんが、光信号を長時間流していると光が拡散し、信号が弱まってしまい、減衰してしまいます。
次に、何らかの原因によって、電気信号の形が崩れてしまうことをノイズと言います。崩れてしまうと、元の形がわからなくなり、正確に伝わらなくなります。
ノイズの原因としては、すぐ隣に銅線が流れている(クロストーク)、熱雑音、AC電源が側にある、など。
最後にケーブル上を2つの電気信号が同時に流れ、ぶつかることを衝突(コリジョン)と言います。
衝突を起こすと、電圧がおかしくなってしまい、形が崩れてしまいます。
ケーブル
レイヤ1では電気信号を相手に送るために、主に3種類の物理的なケーブルが存在します。
同軸ケーブル
同軸ケーブルは現在では主にテレビに使われているケーブル。
中央の導体、それを包む絶縁体、一番外側の皮膜(ジャケット)、外部からの干渉を防ぐシールドで構成されています。
同軸ケーブルは干渉に強く、電気信号を遠くまで届けることが出来るが、ケーブル自体が硬いため、取り回しが難しいです。また高価であるためLANケーブルにはあまり使われていません。
ツイストペアケーブル
ツイストペアケーブルは8本のケーブルからなり、ケーブルが2本ずつより合って、4組となって構成されています。
より合っているのは、電流が流れた際に、2本の銅線から発生する磁場がお互いの打ち消しあって消滅させます。これが外部からの干渉も打ち消すことが出来るのでより合って構成されています。
この打ち消しをキャンセレーションと言います。
キャンセレーションの機能がある分、シールドを搭載していません。シールドなしのケーブルをUTPケーブル(Unshieleded Twisted-Pair)、シールドありのケーブルをSTPケーブル(Shieleded Twisted-Pair)と言います。
STPはUTPに比べて外部からの干渉を防ぐ能力が高いが、高価なためUTPが主に使用されます。
UTPはシールドがない分、ケーブル自体が柔らかく、安価だが、同軸ケーブルやSTPほど電気信号を遠くに届けることは出来ません。
光ファイバケーブル
光ファイバケーブルは、電気信号を光信号に変換して伝送するケーブルです。
光の通り道となるコアと、コア内に光を閉じ込めるクラッドとそれらを包む外被で構成されます。
光ファイバには2つのモードがあり、コアの直径が小さく(約9μm)1つのモード(光信号)で伝送する光ファイバケーブルを、シングルモードファイバ(SMF)と言います。高速で長距離伝達が可能だがコア部分が繊細で取り扱いが難しくコストも高いという特徴があります。
コアの直径が大きく(約50μm)複数のモードで伝送する光ファイバケーブルをマルチモードファイバ(MMF)と言います。各モードで到達までの時間がばらつくため低速で短距離伝送向けとなるが、頑丈で安価という特徴があります。
どちらも光信号であるため、電波などの電磁的な干渉を受けないため、高速で伝送することができるが、他のケーブルに比べて、高価であるという特徴があります。
ケーブルの規格
ケーブルはIEEEによって以下のように規格化されています。
先頭の10〜1000の数字は、データ転送量を表します。単位はメガbpsです。
「BASE」はデータの伝送方式を表していて、ベースバンド方式のこと。信号を直接多重化しないで送る方法です。
多重化しない→複数の信号を同時にケーブルに流さないという意味です。
同軸ケーブルの最後に付いている、5、2の数字は、データが転送できる際長距離を表しています。単位は100メートルです。
他のケーブルの最後に付いているTやFはツイストペアケーブルか光ファイバケーブルかを表しています。
ネットワーク機器
リンクとノード
ネットワークにおける機器のことをノードと言います。PCやプリンター複合機、ルータやスイッチなどが該当します。
これらのノードとノードを繋いでデータを転送するための通り道をリンクと言います。ケーブルや電話などがこれに該当します。
リピータ
ケーブルの説明でもあったように、ケーブルには最長伝送距離が存在します。UTPケーブルの場合、最長100メートルまでしか信号を届けられません。また、伝送距離が長ければ長いほど、信号は減衰やノイズを起こしやすくなります。
これらの課題を解決するために、リピータと呼ばれるネットワーク機器を使用します。
リピータはノイズが入ったり、減衰した信号を増幅し、再生する機能があります。間にリピータを噛ませることで、信号を再生し、より遠くまで信号を届けることが出来るようになります。
リピータには1本のケーブルしか差すことが出来ません。しかし、より多くのケーブルを差してデータを伝送したいときに困ってしまいます。
ハブ
そこで、ハブと呼ばれる多くのケーブルを差すことができる集線装置を使用します。ハブにはリピータの機能もあり、リピータハブとも呼ばれます。
ハブはあくまで集線装置とリピータの機能しか持ち合わせておらず、送られてきたデータを制御する機能はありません。この制御とは、送られてきたデータの宛先を理解し、特定の宛先のノードにのみデータを伝送することです。
例えば、PC1がPC2宛に送ったデータを、ハブを介して送ると、そのハブに繋がっているPC2以外にもデータが送られてしまいます。スイッチやルータは宛先を理解して送ることが出来るため、データを制御していると言えます。
衝突ドメイン
ハブの内部には、信号の通り道が一つしかない。そのため例えケーブルがツイストペアケーブルであっても、ハブの内部に入った時は通り道が一つしかないため、ハブの内部で衝突が起きる可能性があります。
ハブはデータの制御ができないため、送られてきたデータを繋がれている全てのノードに垂れ流してしまう。このことにより、衝突が起きやすくなっています。
このような衝突が起きやすくなっている範囲を衝突ドメインと言います。
ネットワーク管理者は、この衝突ドメインをなるべく狭くするようにネットワークを組む必要があります。
衝突ドメインを狭くするには、スイッチやルータを使えば狭くすることができます。
リピータ・ハブ同士の接続制限
リピータとハブは信号を増幅・整形するため、伝送距離が長くなります。
だからと言って、リピータとハブを無限に接続できるわけではありません。
リピータやハブの増幅作業には多少の時間がかかるため、あまりに多くのリピーターやハブを接続してしまうと遅延が大きくなってしまいます。
遅延が多発すると、信号の衝突の可能性も高くなってしまうため、リピータとハブの接続数には制限が設けられています。
途中で経由して良いリピータ・ハブの数は、10BASE-Tなら4つ、100BASE-Tなら2つまでとルールが決められています。
トポロジ
ノードとリンクの物理的な配置方法をトポロジと言います。
トポロジには様々な種類がありますが、コストを抑えたい、ネットワークの耐久性を高めたいなど用途によって使うトポロジは異なります。
バス型トポロジ
バス型トポロジは古いトポロジで、1本の同軸ケーブルに複数のノードを繋げているトポロジです。
バス型トポロジは、1本の同軸ケーブルだけで、全てのノードを繋いているので、同軸ケーブルで衝突やどこかのノードで何らかの不具合が起きた場合、全てのノードに影響を及ぼしてしまいます。これらの理由から現在ではほとんど使われていません。
リング型トポロジ
リング型トポロジは、ノードをリング型に繋げたトポロジで、トークンと呼ばれる信号が各ノードを順番に回って信号を送信します。
トークンが回ってこないと信号を送信できないため、データの衝突が起きることがありません。
だが、バス型トポロジと同様、全てのノードを1本の線で繋いでいるため、どこかのノードで不具合が起きると全体に影響を及ぼします。
スター型トポロジ
スター型トポロジは、中央に一つのノードを置いて、中央のノードから各ノードへ繋げられています。
中央のノードにはハブやスイッチなどの集線装置を置くのが一般的です。
また、繋いだ先にもう一つハブやスイッチを置くことで、いくつもの集線装置を繋いだ拡張スター型トポロジとして運用することもできます。
一つ一つのノードを繋いでいるリンクが独立しているため、何らかの不具合があっても影響を最小限に留めることができます。
扱いやすく、耐久性や拡張性にも優れているため、現在のLAN構築で最も使われているトポロジです。
メッシュ型トポロジ
メッシュ型トポロジは全てのノードを相互接続しているトポロジです。
全てのノードが相互接続されているため、例え1箇所に不具合が起きても他のノードを経由することで信号を送ることができます。
全てのノードを繋いだものをフルメッシュ、重要なノードに絞って相互接続しているものをパーシャルメッシュと言います。
リンクの数が多いため、コストが高いのが欠点ですが、高い冗長性を持っているため、原発などの重要なシステムで使われることがあります。
論理トポロジ
トポロジは2種類に分類されます。物理的な線の繋がりを表した物理トポロジと、データの流れを表す論理トポロジの2種類です。
物理トポロジと論理トポロジは必ずしも同一というわけではありません。物理トポロジがスター型だが、データは各ノードを順番に回っているから論理トポロジはリング型ということもあり得ます。
論理トポロジの見分け方については、レイヤ2の学習の際に詳しく説明があるようです。
まとめ
今回はOSI参照モデル レイヤ1 物理層についてまとめました。
次回はレイヤ2 データリンク層についてまとめます。
最後に、記事を読んで間違いの指摘などがあればコメントで教えていただけると幸いです。
ありがとうございました。