はじめに
エンジニアになる準備の1つとして、岩瀬大輔さん著の「入社1年目の教科書」を読みました。
社会人経験のない私には、とても多くの学びがあった為、備忘録としてその内容を簡潔に記しておきたいと思います。
背景
これまで私はエンジニアとして就職活動を進めてまいりました。
そして先日、インターンという形で実務開発に参加させて頂く運びとなりました。
実務開発に貢献できることをとても嬉しく思う反面、社会人になる、という不安も少しありました。
というのも、学部時代に私は大学院を目指していたこともあり、就職活動ないしはインターンなどの経験(建築の設計事務所のアルバイトくらい)は一度もありませんでした。
同世代が社会に出る一方で、勉強に励んでいたので、これが社会人としての第1歩目になります。
なのでその準備の一つとして、今回この本読みました。
1. 3つの原則
岩瀬さんが社会人になる上で、大切にしてきた3つの原則を冒頭でまとめています。
その内容は当たり前のように感じる反面、入社前に目を通す事ができてよかったな、という内容であったので、岩瀬さんに習いそのまま書き写します。
① 頼まれたことは、必ずやりきる
私は1人のエンジニアとして、「結果を残したい・優秀でありたい」という思いがどこかにありました。しかしここで述べられている内容は、その考えを改めさせる内容でした。
新人のうちは頭がいいとか優秀だとかいうのは、どうでもいいことなんだよ。
上に頼まれた仕事を何が何でもやりきってくれるかどうか。
仕事を頼む側からすると、最も大事なことは、そういうことなんだよ
ここでは岩瀬さんが、新人時代に上司の方に言われた言葉を引用し、原則の1つ目を紹介されています。
まさにこの言葉の通りで、まずは何が何でもやりきる。優秀かどうか、結果が残せるかどうかは、仕事をやり切ることで信頼を勝ち取った後の段階である、ということをここでは学びました。
② 50点で構わないから早くだせ
ここでは、新人時代における業務一つひとつに対する向き合い方を記載されていました。
重要なことは表題の通り、「50点で構わないから早くだせ」ということです。
理由としましては、新人が1ヶ月かけて100点を目指すよりも、1週間かけた50点を上司の方に修正してもらう方が、効率が良く、かつコミュニケーションを取ることで信頼を勝ち取りやすい、からです。
- 学校のテストのように個人で一生懸命進めるよりも、総力戦で仕事を進めて欲しい、ということ
- 業務の提出をゴールと考えるのではなく、FBを頂く機会、と捉えること
- 経験を可能な限り短いサイクルで回すことで、早い段階で経験値をストックすること
など業務の進め方に関して、重要な考え方を学ばせて頂きました。
③ つまらない仕事はない
ここでは、岩瀬さんがこれまで様々な業務を経験した上で、「つまらない仕事」などない、という意見を具体例を交えて説明されています。
会議の議事録作成、という誰でもできると思われる業務に対しても「どのような順番で項目を並べるか」「各項目に対してコメントを添える」など、伝わりやすいよう努力することで、自分なりの付加価値を付与できる、と説明されています。
見方を変えることによって、あなたが向き合う仕事はまったく違うものとして見えてくるはず
下で説明する「ポジティブシンキング」にも共通しますが、大事なことは自身の捉え方次第である、ということを学びました。
2. 仕事は「ここぞ!」というときの為の準備である
ここから下は、本の中でも特に私の印象に残った部分を抜粋・引用していきたいと思います。
この本の最後では、岩瀬さんが討論番組に出演した際のエピソードトークを交えながら、準備の大切さを説かれていました。
仕事をする上で、いつ「勝負どころ」が訪れるかを予測することは容易ではありません。
しかしビジネスにおいて大切なことは、その「勝負どころ」において、自身の実力を最大限発揮することが重要である。
ベストな働きをするためには、十分な準備をする以外にできることはありません。
勝負どころでチャンスを掴めた人に、次のチャンスが回ってくる、
その為の情報取集や専門分野の勉強、食事や睡眠を含む心身の健康など、知識だけでなく体調管理も徹底することで、「勝負どころ」のために準備すること。
この本には最後のエピソードトークも含めて、仕事を進める上での準備の大切を随所に散りばめられていました。
3. 他者への敬意
最初に説明した3つの原則のなかで、「仕事は総力戦」という趣旨を説明されていましたが、この為には他者の協力なしには達成できません。
それを踏まえて、上司や同僚、ライバル会社の方、お客様、タクシーの運転手などの一時的な関わり合いの方など、全ての方に対して敬意を持って接することの重要性を複数の項に渡り説明されていました。
- 上司の方に、自分の考えを述べる時
- 年上の後輩に、FBを与える時
- タクシーの運転手や建物の受付の方への挨拶 etc.
どんな時でも相手に敬意を払い、それを行動や形に示すことの大切さを学びました
4. Always be a student
「常に学徒たれ」
私は "仕事は「ここぞ!」というときの為の準備である" の部分で準備の大切さを学びましたが、その中でも「学ぶこと」の重要性を説く場面がいくつかありました。
貯金をする際には、貯金額を優先し、日々の生計を立てるように。
自身の成長の為に、学ぶことを優先し、残った時間で何をするか、といった考え方をしてもいいのではないか?と説明されています。
大学時代に取り組んだ勉強は、社会人としての能力にそれほど影響を及ぼすことはありません。大学は4年間しかないからです。
社会人として生きる時間は、人によっては40年近くにもなります。4年間でどれだけ勉強したかということ以上に、40年間でどれだけ勉強したかということが、その人の能力向上に大きな影響を及ぼすのです。
勉強し続けるかどうか、この事がこの後の人生に大きく影響を与える、ということを自覚して社会人になろうと思います。
5. ポジティブシンキング
岩瀬さんの考えを、章題ような言葉で置き換えることは適切ではないかもありませんが、この本の中で岩瀬さんは常に前向きに物事を捉えていました。
- 単調な仕事には、自分なりの付加価値をつける
- 叱られたのではなく、成長の機会を機会を得た
- 上司の悪いところに目を向けるのではなく、その人が評価されている特徴を探す etc.
業務内容だけでなく、対人関係においても、目の前の事実が変化することはありません。要はその事実対して自分がどのようにして捉えるか、自分の捉え方次第で情報が変化する、ということを説いていました。
社会人になれば、理不尽なことや納得のできないことに出くわす機会があるかもしれません。その時は岩瀬さんの考え方を参考に、前向きに捉えていこうと思います。
最後に
この本から感じる内容は人によって異なるでしょうし、もちろんこの記事の内容以上の考え方を学ぶ事ができます。
少なくともここでは私が「入社1年目の教科書」を読んで、重要だと感じた考え方などをまとめました。
とても学びが多い本でしたので、おすすめです。
これから社会人になる上で、ここにまとめるだけでなく、この本から得た考え方を実際の開発現場で実践できるよう心掛けていきたいと思います。
エンジニアとして、次はTeam Geekに目を通します。
最後まで読んで頂きありがとうございました!