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Rubyのspawnで生成したプロセスを終了できない罠と解決策

Last updated at Posted at 2022-06-04

概要

Ruby言語から、コマンドラインツールを呼び出すときには、systemopen3 を使うが、非同期的に呼び出したい場合はspawn を使うことが多い。しかし、引数のコマンドに空白などの文字が入ると、シェル経由の実行になってしまい、プロセスIDを記録してプログラムを終了しようとしても、思ったように終了できないことがある。これを防ぐためには、コマンドに空白などの文字を入れず、引数を分割する。

pid = spawn("command which you want to execute")

pid = spawn("command", "which", "you", "want", "to", "execute")

もう少し詳しく

Rubyでコマンドを非同期的に実行するためには、spawnを利用して、

pid = spawn("command which you want to execute")

detach を呼び出せばいい。

thr = Process.detach(pid)

これで非同期的にコマンドを実行してくれる。
さらに、Threadの状態をみることで、実行が継続しているかその様子をうかがうこともできる。

thr.alive?

プロセスを終了するときには、

Process.kill(:TERM, pid)

とすればいい。ところが、これを実行して、spawn したプロセスを終了させたにも関わらず、ゾンビが残ってしまうことがある。
調べたところ次のことが判明した。

command が shell のメタ文字

 * ? {} [] <> () ~ & | \ $ ; ' ` " \n

を含む場合、shell 経由で実行されます。そうでなければインタプリタから直接実行されます。

どういうことかというと、空白などのメタ文字が含まれている場合は、

sh -c 'command which you want to execute'

みたいに感じで実行されてしまうのである。こうなってしまうと、pid を記録して、Process.kill(:TERM, pid) しても、sh -c "command" が終了するだけで、肝心の "command" は別のプロセスIDで動いているので終了しない。
これを防ぐためには

pid = spawn("command", "which", "you", "want", "to", "execute")

のようにスペースを入れる変わりに、引数を分割すればいい。これでシェル経由での実行を防ぐことができため、得られたプロセスIDをkillすれば無事に標的のプログラムを終了させることができる。spawnは便利だけどこんな罠があることを知ったので注意したい。

この記事は以上です。

プロセスグループを作成するという方法もある

別の解決策として、起動する子プロセスのプロセスグループを作成するという方法がある。

pid = spawn("command which you want to execute", pgroup: true)

この場合、プロセスグループをキルすれば、子プロセスまで削除することができる。

pgid = Process.getpgid(pid)
Process.kill(:TERM, -pgid) # マイナス値でプロセスグループを指定できる
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