久々の投稿です。
どこの家庭にも1台くらいは余っているRaspi3にAndroid Thingsを載せ、湿度が計測できるLinking端末とUSB加湿器で、湿度が下がったら自動的に加湿器の電源を入れて加湿する装置を作ってみました。
簡単なようで色々なバッドノウハウがありましたので共有したいと思います。
最初に試そうとしたこと
当初は普通の超音波加湿器を使い、電源リレー回路を組んでRasPi3で電源の制御をしようと思い、初めて半田ごてを使おうと決意し、半田ごてキットやハンダなどを購入。
電源リレー用のボックスやヒューズなども色々買って、さあいよいよやるかとなった時、不意に「USB扇風機あるし、USB加湿器とかありそうじゃね?」と思い立ってググってみると色んな種類のUSB加湿器があるではないですか。
「USBの電源制御のほうが絶対簡単だよね」ということで結局半田ごてデビューならず。
実際、USB加湿器の方が圧倒的にコンパクトで、通常の100V電源の加湿器で小さいのなんて見つからなかったので、最適解でした。
そしてペットボトルを刺すだけという単純な構造。コンパクトでいいですね。
準備したもの
※すべて購入当時の価格です。
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Linking端末のSizukuTHA 2,300円
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Raspberry Pi3 5,980円
- Raspberry Pi3用の3Aの電源 1,580円
合計2万円ちょい! Raspi3や電源、MicroSDはどこのご家庭にもあるので、追加投資はしいたけ栽培キットを含めてたったの6千円ちょっとです。
なお、このしいたけは箱詰めのものを買うと5000円もする大変お値打ちのしいたけなのです。
ということは実質1000円でおいしいしいたけを自動栽培できちゃうのです。(どういう計算だ。)
準備
さて、準備は以下のように行いました。
当初の予定は給油ポンプについているホースを切り取って、USB加湿器の噴霧部分に接続し、栽培キットの隙間から、菌床に噴霧するやり方でした。
- 給油ポンプを適当な長さで切断
- 接合部をガムテープなどで止める
- 噴霧させる
- 先から水蒸気が出る
ところまではうまくいきました。
しかし、なんとホースの長さが足りず、栽培キットのケースの中まで届きませんでした。
そこで、万が一の時に一緒に買っておいたポリタンク用のノズルを継ぎ足すことにしました。すると・・・
これが
ピッタリ!
ただ差し込むだけで接合部も接着剤やガムテもいらないほどキレイにくっつきました。このために作られたのではないかというくらいの神のイタズラ。
よっしゃこれでいけるでー!と喜び勇んでUSB加湿器の先にくっつけた所、なんと!
先から全然霧が出てきません。本体ごとホースを下の方に向けるとかろうじて霧が先っぽから出てきます。
原因は超音波式加湿器のため、加熱されておらず空気の対流がないため重力に勝てず、ホースの途中で水滴となってしまうせいでした。
結局ホースを使うのは断念。
栽培キットの蓋の天井に孔を開けることにしました。
のこぎりで切ること約20分。USB加湿器の蓋が通り、ペットボトルは引っかかるサイズの孔を開けることができました。
こうして重力により菌床全体を加湿することが可能になりました。
後はこの電源をRaspi3から給電させ、温湿度を拾えるSizukuTHAを栽培キットの中に設置し、SizukuTHAからの湿度情報をBLEでAndroidThingsで拾って、湿度が低下したらUSBの電源をON、湿度が一定以上に達したらOFFするだけです。
と、ここでまた問題が発生しました。
こいつです。
丸いポッチが付いているのがわかるでしょうか?
結論を書くと、こいつのせいでUSBの電源制御がうまく働きませんでした。
なぜなら電源が切れた状態から電源をONにしても、このスイッチを押さないと給電されないのです!
普通のUSB加湿器として使うならあって然るべき便利な機能なのですが、今回の用途では仇になってしまいました。
そこで私は別のUSB加湿器(1,800円)を注文してしまいました。
しかし、届くまでの2日間で解決方法が見つかってしまいました。
なんと、白いボタンを押しっぱなしにすることで常に給電状態になったのでした。
それが判明した頃に別のUSB加湿器が到着したのです。
そのUSB加湿器にもご多分に漏れずスイッチが付いており、同じ問題が発生。
そして、この子はスイッチを押しっぱなしにしても給電状態にならなかったのでした。。。合掌。。。
それでは自動栽培で育ててみた結果を見てみましょう。
しいたけの様子
1日目
届いた直後のしいたけです。
残念なことに箱から取り出したときには芽出しされたしいたけがいくつか転げ落ちていました。
これは大変な痛手です。輸送時の衝撃でもげてしまったのでしょう。もったいない。
2日目
ちょっと側面に生えているのが多いようです。1日目とあまり変わり映えしません。3日目
少しですが、にゅっと出てきましたね。3日目(6時間後)
1日のうちでも結構サイズが変わります。違いがわかるでしょうか?4日目
かなり傘が大きくなってきました。背も大分伸びています。 表面積が増えたので成長が指数関数的になっていきます。輸送時に取れてしまった芽がなければもっと生え揃っていたはずなので悲しいところです。5日目
後ろの方にも生えてたんです。かなり成長しました。左の方のものはもう食べられそうです。6日目
左側のしいたけはかなり大きく、もう収穫してもおいしく食べられるでしょう。7日目
大きくなりすぎて、傘にヒビが入ってきました。もはやこれ以上育てると味が落ちるので収穫です。 全部で8本のしいたけが収穫できました。バナナと比べてもかなり大きいのがわかると思います。# 調理
それでは調理していきましょう。
こうして、石づきを取って切ります。
なんとなく玉ねぎを追加。
玉ねぎと角切りベーコンを炒め、しいたけを投入。山盛りです。
しかし最初に失われた4つの芽が生きていたらさらに1.5倍の量だったはず。
しばらく炒めた後。
適当に味付けして、こうなりました。
いただきます。
・・・う、うまい!!!
さすが採れたてのしいたけ!!しいたけ特有の臭さや渋みが全然ありません。
しかし、切り方を間違え、縦長にしてしまったため、なかなか歯ごたえのあるしいたけでした。
まとめ
今回のしいたけ自動栽培システムを作成してわかったことは以下の通り。
- 電源リレー回路を考える前にUSB電源のことを思い出そう
- スイッチ付きのUSBデバイスには気をつけよう
- しいたけは食べやすいサイズに繊維を切るようにしよう
- 採れたてのしいたけはおいしい!
- AndroidThingsが別次元に使いやすくなっていた
- Sizuku THAの接続は簡単で躓くところがなかった
- 100均で買ったホース2種類は使わなかったので実質800円!(どういう計算?)
後編ではシステムの細かい説明をしたいと思います。