※本記事はAWS re:Invent2018のセッション解説記事です。
re:Invent2018に参加しています。
本記事では[ALX402-R] Make Money with Alexa Skillsのセッションを解説していきます。
主に、2018年9月に発表されたConsumablesの解説セッションです。主に下記の内容が実施されました。
- Consumablesを使うための基本的なワークフローの解説
- コンテンツ購買を行ってもらうためのベストプラクティスの解説
※ConsumablesとはSkill内でのコンテンツ販売(In Skill Purchase)の新しい機能で、Skill内のコンテンツを個別に販売できる機能です。スマホアプリのアプリ内コンテンツに対する課金とだいたい同じだと思ってもらえればわかりやすいと思います。
Alexaの今までの歩み
Alexaリリース ~ Skill Kitリリース ~ SKillでの購買が記録される ~ Cousumablesがリリース
着実に進化をしていっていることを強調していました。
AlexaのSkillにおける課金手法
Consumablesがリリースされたことにより、3つの手段が提供されることになりました。
- One-Time Purchases
- Subscriptions
- Consumables
設定金額の幅
ポイント手段によって設定できる金額の幅が違います。
- One-Time Purchase $0.99 ~ $99.99
- Subscription $0.99 ~ $99.99
- Consumable $0.99 ~ $9.99
※課金のUX毎にユーザーが「支払ってもいい」と思える金額がだいたいこのくらい、ということでこの金額設定にもちゃんと理由があるようでした。
※国によって感覚は違うからこれはアメリカでの話だよ!という話だったので他の国では変わるかもしれません(現在はアメリカのみ対応)
売上について
売上はDeveloperとAmazonの間で7:3の比率で分けられます。
後述する機能でDiscountが可能になっているのですが、その場合でも実際に発生した売上に対して適用されます。
課金金額の登録について
基本的に何回でも変更が可能になっています。
が、変更時には再認証が必要となります。
ベストプラクティス - いかにして買ってもらうか
いくら環境が整ったとしても、ユーザが購入してくれなければ何も意味がありません。そのためにもUX設計が非常に大事になってきます。
購買Intentを用意する
- ユーザがいつ買ってくれるかを判別するために必要
- きちんとフローを定義しておくことで細かいケアが可能になる。
しつこく購買オファーを出さない
- 購買をすることがユーザにとっての利便性を高めることにつながるか、を意識することが大事。
- しつこいプロモーションはユーザにとってもDeveloper自信にとっても良い結果にならない
購買情報を保持し続ける
- consumablesにおいては、そんなに頻繁にデータを保存することが出来ない。
- 「ユーザが何を買ったのか」という情報はしっかりと保持し続け、それを用いて会話を構築することがUX向上につながる
ベストプラクティス実践例 Inevntory Checker
上記のUXを高めるための一例として、「いつ」購買オファーを出すのかを判断するために、ユーザが購買しそうなヒントを貯めてチェックする機構を作っていました。
購買に繋がりそうな単語を何回発言したかでレコメンドするかどうかを判断する機能です。ゲームにおけるフラグのようなものですね。きちんとマイナス方向に作用する発言もちゃんと実装されていました。
終わりに
VoiceUIにおける課金は始まったばかりで、Developer側も魅力的なコンテンツを生み出せているわけではないし、ユーザ側も価値があるということを認識していないのが現状だと思います。
歴史を振り返ると、スマートフォンのアプリ内課金もLINEのスタンプが出てくるまではさっぱりだったので、何かしらのキラーコンテンツが出てきて、そこからVoiceUI上での課金が一般の感覚として浸透するまではなかなか難しい状態が続くかもしれません。