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後輩に対して [君付け]→[呼び捨て+命令口調]→[さん付け+敬語] に変えて学んだこと

Last updated at Posted at 2023-06-12

はじめに

同じチームの後輩に対して、名前を呼び捨てにするか君付けするか、敬語を使うか使わないか、様々な考え方があると思います。
私の場合は、呼び方や敬語の有無を変えた経験があり、そこから学んだことを紹介します。

最初は君付けだったが

私は最初、同じチームの後輩を「小島くん」のように君付けで呼んでいました。
当時の私は、社会人という意識が低く、会社の後輩に対して学生時代の部活の後輩と同じ感覚で話しかけていました。

しかし、ある時、転機がありました。
上司からすると、私は後輩に甘くて厳しさが足りないところがあったのでしょう。
後輩を呼び捨てするように助言されました。
(※10年前の話で、今ほどリーダーシップの理論も広まっていなかった頃の話です)

学生時代からずっと後輩のことを呼び捨てしたことのなかった自分にとって、それは物凄く抵抗がありました。
しかし、私は後輩に対してもっと厳しく指導することも必要だと思って、呼び捨てで呼ぶことに取り組みました。
(それでも呼び捨てするのは同じチームの後輩だけで、別のチームの後輩は君付けで呼んでいましたが)

呼び捨てするようになって

それまでの私は、後輩に対して学生時代の後輩の感覚で話しかけていました。
それが後輩に対して甘えになっており、責任を持って仕事をやりきる上でのマイナスになっていると指摘されました。

そのため、私は後輩に対して指示をする時の話し方も、以下のように変えました。

変更前:小島くん、このタスクを明日までにできる?
変更後:小島、このタスクを明日までにやって。

このように、私は(良かれと思って)後輩に対して呼び捨て+命令口調で指示するようになりました
最初は凄く抵抗がありましたが、少しずつ慣れていき、何年か経つうちに抵抗がなくなっていきました。

そして、抵抗がなくなると共に、私は段々とその言葉遣いに引っ張られて無意識のうちに、呼び捨て+命令口調で指示する後輩に対して、後輩が下で、自分の方が上だと勘違いするようになってしまいました

そんな考え方のマネージャーのもとで、後輩は一生懸命に頑張ろうとは思えなかったと推測できます。
ビジネスにおける仲間やパートナーに対して、相手をリスペクトしようとする姿勢を持たなければ、良い関係は作れません

もちろん、呼び捨て+命令口調で話していても、ちゃんとリスペクトの姿勢で接している人は、たくさんいます。呼び捨て+命令口調が悪いわけではありません。
ただ、私のように自分が扱う言葉に引っ張られやすい人は、もしかしたら気をつけた方がいいかもしれません。

現在は敬語に

前述の反省もあり、現在は会社の後輩に対して「小島さん」のように さん付け で敬語で話しています。
もちろん新しく会社に入ってきたばかりの新入社員に対しても敬語で話しています。

また、敬語で話すようになったきっかけの1つは、私が自分で運営している以下の技術系コミュニティのイベントにて、学生が発表者として参加してくれたことです。

上記の Serverless の技術に関するLTイベントにて、その学生が発表してくれた内容は、私が知らなかった内容でした。
まだ学生でありながら、ITエンジニアが集まるイベントに参加して、自分が知らない技術を分かりやすく発表して、質疑応答にも答えられるという姿を見て、私はその学生に対してリスペクトの気持ちを持ちました。
リスペクトの気持ちを持つと、その相手から積極的に学びを得ようという気持ちになり、自分にとってメリットがあります
そして、その時に、社外の人に対しては、年下でも学生でもリスペクトの気持ちは自然に持てるのに、社内の後輩に対してそれができないのは良くないと思いました。

一昔前であれば、社内の先輩エンジニアは後輩エンジニアよりも、あるゆる面で知識も技術も勝っていました(少なくとも私が最初に所属したチームではその傾向がありました)。
しかし、これだけ技術が多様化した現代においては、ベテランの知らない技術を若手が知っている事は多々あります
だから後輩からも学びを得ようとする姿勢は大切だと思います。

今振り返ると恥ずかしい話ですが、過去の私は「自分の狭くて古い常識」にあてはめて「こんな常識的な事を知らないの?」と後輩に言ってしまったことがあります。
それは「自分の常識が、相手にとっての非常識」かもしれないという視野を持たない残念な言動だったと反省しています。
自分の常識に固執していては、その常識がいつの間にか常識でなくなり、時代に取り残されてしまうかもしれません。

技術が多様になった現代では、誰に対してもリスペクトの気持ちで接して、自分の知見になる事があったら吸収しようという真摯な姿勢が大切だと思います
だから私は、リスペクトの気持ちを持つ姿勢を忘れないようにするために、後輩に対しても敬語で話しています

(おまけ)ニックネームかファーストネームで呼び合う

チームメンバー同士でのコミュニケーションを促進するための1つの小ネタとして、現在の私のチームでは、皆でニックネームかファーストネームで呼び合うようにしています。
名前は毎日何度も呼ぶため、親しみを込めた呼び方により親近感が高まります

呼び方を決める際には、注意点が2つあります。
1つ目は、本人が呼ばれたい呼ばれ方を自分で決めることです。
2つ目は、ニックネームは後輩から呼ばれる時の呼び方も合わせて決めることです。後輩からすると先輩を「呼び捨て」や「ちゃん付け」するニックネームは呼びづらいため、そこをしっかり決めないと呼び方が定着しません。
(例) 先輩からは「まこっちゃん」、後輩からは「まこっさん」

ニックネームがない場合は、ファーストネームでもOKとしています。
ちなみに私はチームの後輩からはファーストネームで「優介さん」と呼んでもらっています。

それまで名字で呼び合っていたチームが、急にニックネームかファーストネームで呼び合おうとすると、最初はとてもむず痒い感じがします。
ただ、2週間くらい経過するとみんな慣れました。

それと、呼び方を変える前に、チーム全員が納得した上で始めることも重要だったと思います。
私のチームの場合は、ニックネームやファーストネームで呼び合う事例の紹介記事を皆でいくつか共有した上で、チームビルディングのプラクティスとして試しにやってみようということで始めました。

まとめ

以下のように後輩に対する言葉遣いが変わりました。
最初:○○○くん、このタスクを明日までにできる?
途中:○○○、このタスクを明日までにやって。
現在:○○○さん、このタスクを明日までにお願いできますか?

誰に対してもリスペクトを持って接する気持ちを忘れないようにしたいと思います。

ちなみに私はITエンジニア向け情報誌「Software Design」の2022年5月号から「ハピネスチームビルディング」というテーマで連載記事を書いています。
以下に、チームの振り返りについて、経験の多いメンバーが多く発言し若いメンバーがあまり発言しなかったり、だんだん振り返りがマンネリ化してしまったりする場合にそれを改善したプラクティスを紹介していますので、合わせて読んでいただけると幸いです。

Twitterでも開発に役立つ情報を発信しています → @kojimadev

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