はじめに
以下の記事で、コミュニティに参加することで、人生が劇的に楽しくなって成長できた旨を紹介しました。
今回は、前回で紹介しきれなかったコミュニティに参加していることによる別の効果として、ちょっと難しいことにチャレンジし続けたくなる体験を紹介します。
初めての社外発表にチャレンジ
数年前、私は社外のコミュニティに参加する前は以下の状態でした。
- 技術記事の投稿経験なし
- 社外での勉強会の参加経験なし
- 社外での発表経験なし
そこから、コミュニティに参加して何度か技術記事を投稿し始めた頃、「自分なんかが社外発表で人様に何か教えるなんて無理」と思っていました。
でもコミュニティのSlackにて社外発表をやった話が楽しそうに書き込まれているのを読んで興味を持ちました。
実際、初めての発表をした人の感想を何人かに聞きましたが、「楽しかった、学びになった、良い経験になった」など、ポジティブな経験談ばかりでした。
その中で、LT(ライトニングトーク)という言葉を初めて知りました。
LTというのは、5分程度の短い時間で発表する形式のことです。
勉強会などで、数人のLTの発表者が次々に発表していく形式のイベントがよくあります。
5分の短い内容だったら、自分にもできるかもしれないと思いました。
それで connpass というサイトでLTのイベントを検索した結果、自分が参加できそうなイベントを見つけました。
しかし、初めての社外発表に申し込むのが怖くて、どうしようかとコミュニティのSlackの分報でウジウジ迷っている私に対して、コミュニティの皆が大丈夫だと背中を押してくれたので、勇気を出してLTに申し込むことができました。
また、発表の前日に「こんな発表資料でいいのかな」とモジモジしていたら、コミュニティの人が「良かったら発表資料みますよー」って言ってくれました。
そこで「素敵な内容ですね」と言ってもらえて、私は自信を持って初めての発表に臨むことができました。
背中を押してくれたコミュティは「運営者ギルド」
私が初めて発表したLTイベントは、オフラインで複数会場とZoomで画面共有しながらやる形式でした。
当時の私はZoomを使ったこともなく、LTイベントに参加すること自体が初めてだったので、どうすれば良いのかよくわからない状態でしたが、イベントのスタッフの方が丁寧にZoomの使い方から教えてくれたので安心して発表できました。
初めての発表は、緊張のあまりめちゃくちゃ早口でしゃべってしまいましたが、参加者の方々から「良い取り組みなので参考にしたい」などのポジティブフィードバックをたくさんもらって、とても嬉しい体験になりました。
私が初めて参加したLTイベントは弥生株式会社が主催するコミュニティ「もくテク」
このように、私が初めての社外発表にチャレンジできたのも、その体験が自分にとって良いものになったのもコミュニティのおかげです。
この良い体験があったから、社外発表が楽しい上に自分の成長に繋がることが分かって、私はその後、何十回も発表していくことになりました。
コミュティの立ち上げにチャレンジ
コミュニティの人たちのアクティブな活動っぷりを見ていると、それに感化されて自分も活動的になります。
コミュニティの人たちのSlackでの会話で、こんなことがありました。
「ちょっとXXXの技術に興味あるんですよ」
「私もそれに興味あって勉強中です」
「じゃあ、ちょっとそのネタでオンラインのLTイベントでもやってみますか」
「いいですね、やりましょう」
「connpassでイベントページを作りました、日時はいつにします?」
この様子を見て、新しいコミュニティをつくってLTイベントを開催するというのを、そんな簡単なノリでやっちゃうものなのかと衝撃を受けました。
そして、そんな簡単なノリでやられていることならば、自分でコミュニティを立ち上げることもできるのではないかと思えました。
自分でコミュニティを立ち上げるとしたら、過去の自分と同じような人にとって嬉しいコミュニティを作りたいと思いました。
過去の私は、初めての社外発表をする際に、参加者の多いイベントだと尻込みしてしまったので、参加人数が少なくて、発表初心者を歓迎してくれるコミュニティがあったら嬉しいと思いました。
そこで、参加人数が少なくてLT初心者が集まるオンラインのLTイベントを毎月開催する「Serverless LT初心者向け」というコミュニティを2020年に立ち上げました。
この立ち上げの際にも、運営者ギルドの人たちが発表者をたくさん集めてくれたり、コミュティを盛り上げるので有名な おだしょーさん が盛り上げ役として参加してくれたりして、最高のスタートができました。
参加者からは、楽しみながら初めての発表を経験でき、色んな学びを得られたと言ってくれたので、とても嬉しく感じました。
このように、私がコミュティの立ち上げにチャレンジできたのも、それが今でも楽しく継続できているのも、コミュニティのおかげです。
それと、コミュニティを運営する側になって分かったことがあります。
初めての発表に申し込む時、「発表初心者だと迷惑じゃないかな」と思うかもしれませんが、LTイベントを開催している管理者は「初めて発表する人が上手にできないかも」という事は織り込み済みなので大丈夫です。
そして、初めての発表は迷惑でなく業界への貢献です。
1回目のハードルさえ超えれば、2回目以降の発表は容易にチャレンジできます。
実際に、私はそういう人を何十人も知っています。
そのように発表者が増加する事はコミュニティの活性化に繋がり、コミュニティの活性化は業界への貢献に繋がります。
私が立ち上げたコミュニティでは、発表経験0回の人が50人以上、初めての発表を経験しました。
ここなら失敗しても大丈夫なので、初めてのLTのチャレンジの場として、よろしければ活用ください。
Serverless LT初心者向け のコミュティはこちら
カンファレンスの発表に何度もチャレンジ
LTを何度かやって自分の発表が人の役に立つという実感が得られると、参加者がより多く集まるイベントで発表したくなってきます。
だから私は「カンファレンス」と呼ばれる規模の大きいイベントの公募セッションに応募してみました。
結果は落選でした。
その当時は、初めての社外発表からまだ半年だったので、そんな私がカンファレンスの公募セッションに当選するなんて、ほぼ無理で確率的には0%に近かったと思います。
コミュニティに参加していなかったら、初めて落選した時点で、私はカンファレンスでの発表を諦めてしまっていたと思います。
しかし、私はコミュニティで、失敗しても何度もトライし続ける以下のような姿を何度も見てきました。
- 個人開発のプロダクトを作った結果、それが良い結果にならなくても、次々に新しいプロダクトにトライし続ける姿
- 自分の人生をかけて開発しているサービスが、なかなか良い結果にならなくても、どんどん思いつく試作や改善をやり続けて、成功するまでトライし続けようとする姿
- その他、何かやってみたことが失敗しても、その失敗から学んで、次に活かそうとする姿
だから、私も1度の落選で諦めませんでした。
当時の私がカンファレンスの公募セッションに当選する確率は低かったと思いますが、それでもチャレンジし続けました。
落選の経験を糧にして発表テーマを洗練させて繰り返し応募し続ければ、いつか当選できるはずと考えました。
1度の失敗で諦めてしまえば、それは「失敗」という結果でしかありません。でも、成功するまで何度でも続ければ、それは「失敗」でなく「成功のためのプロセス」です。
私はその考え方で挑んだ結果、Developers Summit 2020 KANSAI で運良く当選できました。
せっかく運良く当選できた場合は、そのチャンスに全力を尽くすのが良いと思います。
私の場合は、こんなチャンスは2度とないから人生で最高の発表をしようと考えて2ヶ月間ほぼ全てのプライベートの時間を費やして自分が納得するまで資料の改善や発表練習を行った結果、ベストスピーカー賞1位を受賞できました。
準備期間中に、なぜすべての時間を費やすほど頑張れたかというと、コミュニティのおかげです。
発表内容の一部について、他のエンジニアの人達から意見を聞きたいと思ってコミュニティで質問したら、たくさんの意見をくれましたし、準備を頑張っている事に対して、皆が応援してくれたりポジティブフィードバックをしてくれたりしました。
だから、準備期間中は大変でしたが、とても楽しい時間に感じました。
そして、ベストスピーカー賞1位を受賞した旨を所属コミュニティで報告した時は、たくさんのポジティブフィードバックをいただきました。
前回の記事でも紹介しましたが、下図は、エンジニアと人生コミュニティ での例です。
それからカンファレンスで発表するメリットをお伝えするために、私のカンファレンス発表に対する感想の一例を紹介します。
- 仮説と検証を計画的かつ具体的にされていることに感銘を受けました
- 風土や文化づくりや、未来を考えての様々な行動には心打たれました
- 多様な取組を短期間で成果を挙げておられる点に刺激を受けました
- 弊社でもぜひ取り入れてみたいことがたくさんありました
- 動機付けの働きかけ、組織の風土を変える地道な努力が素晴らしいです
- メチャメチャ参考になりこれを見られただけでも参加価値ありました
- 新人教育で悩んでいることがあり、深く共感できる内容でした
このような感想をたくさんもらいやすいのがカンファレンスです。
凄く役に立ったという感想をもらったら、めちゃめちゃ幸せな気持ちになり、さらに頑張ろうと思えます。
だから、たとえ可能性が低くても、カンファレンスの公募セッションに応募する価値はあると思いますし、私はチャレンジして良かったと思います。
商業誌の連載執筆にチャレンジ
その後も、技術記事を投稿したり、社外イベントで発表したりなどを継続していました。
そうしたら、ある日の夜、ITエンジニア向けの月刊誌「Software Design」の編集部の人から連絡があり、連載記事の執筆を打診されました。
とても嬉しかったのですが、凄く不安がありました。
商業誌に記事を書いた事が1度もない自分なんかに連載記事が書けるのか、締め切りまでに連載用の複数のテーマ案と第1回の原稿の両方を達成できるのか、凄く不安でした。
特に最初の締め切りまでが(私にとっては)かなりタイトに感じ、本業の仕事をしながらできるか、最初は不安がありました。
この時に、チャレンジできたのもコミュニティのおかげでした。
コミュニティでそういう打診があったことを相談すると、商業誌での執筆経験のある人が何でも相談に乗ると言ってくれました。
だから安心してチャレンジできました。
なお、連載記事は以下でWeb公開しています。
まとめ
コミュニティに参加することで、ちょっと難しいことにチャレンジし続けたくなる体験を紹介しました。
コミュニティの皆様には本当に感謝しています。
Twitterでも役立つ情報を発信しますのでフォローしてもらえると嬉しいです → @kojimadev