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ChatGPT-4との対話でC++の集合を操作するクラスを作る

Last updated at Posted at 2024-04-22

作りたいデータ構造

C++で集合を扱う次のクラスの設計が目標です.

  • 要素は0から$n-1$の整数
  • 追加,削除,所属判定,ランダムに当確率で1つの要素を選ぶ,の操作を$O(1)$のコストで行える

これを直接的に実現できるSTLは(ChatGPTによると)存在しないようです.なので,ChatGPTと対話しながら作ってみます.

ChatGPTとの対話(1)

You: C++で0からn-1までの整数を要素とする集合で,追加,削除,当確率でランダムに1つ選ぶ,という操作を$O(1)$でできるデータ構造を作って.

ChatGPT: 指定された操作を$O(1)$で実行できるデータ構造をC++で設計するには、追加、削除、ランダム選択の各操作を効率的に行えるようなアプローチが必要です。この問題を解決するために、ハッシュテーブルとベクトルを組み合わせた方法が考えられます。

アイデア

  • 追加: 要素をベクトルの末尾に追加し、その要素の値をキーとして、ベクトル内のインデックスをハッシュテーブルに保存します。
  • 削除: 削除する要素をハッシュテーブルで検索してインデックスを見つけ、ベクトルの最後の要素と交換し、ベクトルの末尾を削除します。このとき、ハッシュテーブルも更新します。
  • ランダムに選ぶ: ベクトルのサイズを基にランダムなインデックスを生成し、そのインデックスの要素を返します。
#include <vector>
#include <unordered_map>
#include <cstdlib>
#include <ctime>

class RandomSet {
private:
    std::vector<int> nums;
    std::unordered_map<int, int> numToIndex;

public:
    RandomSet() {
        srand(time(nullptr)); // 乱数生成器の初期化
    }

    bool insert(int val) {
        if (numToIndex.find(val) != numToIndex.end()) {
            return false; // 既に存在する場合は追加しない
        }
        numToIndex[val] = nums.size();
        nums.push_back(val);
        return true;
    }

    bool remove(int val) {
        if (numToIndex.find(val) == numToIndex.end()) {
            return false; // 存在しない場合は何もしない
        }
        // 削除する要素と最後の要素を交換
        int lastElement = nums.back();
        int idx = numToIndex[val];
        nums[idx] = lastElement;
        numToIndex[lastElement] = idx;
        // ベクトルとハッシュテーブルから削除
        nums.pop_back();
        numToIndex.erase(val);
        return true;
    }

    int getRandom() {
        int randomIndex = rand() % nums.size();
        return nums[randomIndex];
    }
};

この設計では、追加、削除、ランダム選択の各操作を平均$O(1)$の時間複雑度で実行できます。ただし、ハッシュテーブルの操作が最悪の場合$O(n)$になる可能性がありますが、平均的なケースでは$O(1)$と見なされます。

ChatGPTとの対話(2)

ハッシュテーブルの操作が最悪の場合O(n)になる可能性があるので,これを修正してもらいます.

You: $0$から$n-1$に限定しているので,std::unordered_mapの代わりにstd::vectorが使えるのでは?

ChatGPT: ご指摘の通り、0からn-1までの整数を扱う限定的なケースでは、std::unordered_mapの代わりにstd::vectorを使用して、より効率的にデータ構造を管理することができます。この場合、追加された要素のインデックスを直接std::vectorに記録することで、追加、削除、ランダム選択の操作を$O(1)$で実行することが可能になります。

改良されたアイデア
ベクトルnumsを使用して実際の値を保持します。
別のベクトルindexToNumを使用して、値からインデックスへのマッピングを保持します。これにより、任意の値が現在セットに存在するかどうか、そしてその位置を$O(1)$で知ることができます。削除時には、削除する値と最後の要素を交換し、numsindexToNumの両方を更新します。

#include <vector>
#include <cstdlib>
#include <ctime>

class RandomSet {
private:
    std::vector<int> nums; // 実際の値を保持
    std::vector<int> indexToNum; // 値からインデックスへのマッピング
    int n; // 0からn-1までの整数

public:
    RandomSet(int n) : n(n), indexToNum(n, -1) {
        srand(time(nullptr)); // 乱数生成器の初期化
    }

    bool insert(int val) {
        if (indexToNum[val] != -1) {
            return false; // 既に存在する場合は追加しない
        }
        nums.push_back(val);
        indexToNum[val] = nums.size() - 1;
        return true;
    }

    bool remove(int val) {
        if (indexToNum[val] == -1) {
            return false; // 存在しない場合は何もしない
        }
        // 削除する要素と最後の要素を交換
        int lastElement = nums.back();
        int idx = indexToNum[val];
        nums[idx] = lastElement;
        indexToNum[lastElement] = idx;
        // ベクトルの末尾を削除
        nums.pop_back();
        indexToNum[val] = -1;
        return true;
    }

    int getRandom() {
        int randomIndex = rand() % nums.size();
        return nums[randomIndex];
    }
};

この設計では、$0$から$n-1$までの整数の範囲に限定しているため、std::vectorを使用することで、追加、削除、ランダム選択の各操作を効率的に$O(1)$で行うことができます。

ChatGPTとの対話(3)

所属判定を忘れていたので,それを追加

You: 集合に整数が含まれているかどうかの判定も$O(1)$で行いたい.

ChatGPT: 集合に特定の整数が含まれているかどうかの判定を$O(1)$で行うためには、追加した整数が集合内に存在するかを迅速に確認できるようなデータ構造が必要です。$0$から$n-1$までの整数に限定されているので、この範囲の各整数が集合内に存在するかどうかを追跡するために、追加のstd::vector<bool>を使用することができます。

改良されたデータ構造
numsベクトル: 実際に集合に追加された値を保持します。
indexToNumベクトル: 値からnumsベクトル内のインデックスへのマッピングを保持します。
existsベクトル: 各整数が集合内に存在するかどうかを追跡します。これはstd::vector<bool>型で、サイズは$n$です。
この3つのデータ構造を組み合わせることで、追加、削除、存在判定、ランダム選択をすべて$O(1)$の時間複雑度で実行できます。

#include <vector>
#include <cstdlib>
#include <ctime>

class RandomSet {
private:
    std::vector<int> nums; // 実際の値を保持
    std::vector<int> indexToNum; // 値からインデックスへのマッピング
    std::vector<bool> exists; // 値の存在を追跡
    int n; // 0からn-1までの整数

public:
    RandomSet(int n) : n(n), indexToNum(n, -1), exists(n, false) {
        srand(time(nullptr)); // 乱数生成器の初期化
    }

    bool insert(int val) {
        if (exists[val]) {
            return false; // 既に存在する場合は追加しない
        }
        nums.push_back(val);
        indexToNum[val] = nums.size() - 1;
        exists[val] = true; // 存在フラグを更新
        return true;
    }

    bool remove(int val) {
        if (!exists[val]) {
            return false; // 存在しない場合は何もしない
        }
        // 削除する要素と最後の要素を交換
        int lastElement = nums.back();
        int idx = indexToNum[val];
        nums[idx] = lastElement;
        indexToNum[lastElement] = idx;
        // ベクトルの末尾を削除
        nums.pop_back();
        indexToNum[val] = -1;
        exists[val] = false; // 存在フラグを更新
        return true;
    }

    bool contains(int val) {
        return exists[val]; // 存在フラグによって判定
    }

    int getRandom() {
        int randomIndex = rand() % nums.size();
        return nums[randomIndex];
    }
};

この実装では、existsベクトルを利用して任意の整数の存在判定を$O(1)$で行います。これにより、指定された操作をすべて$O(1)$の時間複雑度で効率的に実行することが可能になります。

ChatGPTとの対話(4)

existsベクトルは必要ないことを指摘

You: existsを使わず,indexToNumで集合に整数が含まれていない場合$-1$とすればよいのでは?

ChatGPT: 確かに、existsベクトルを使わずに、indexToNumベクトルだけで集合に整数が含まれているかどうかを判定することができます。このアプローチでは、indexToNumの各要素を初期値$-1$で初期化し、特定の値が集合に追加されたときにその値に対応するindexToNumの要素を更新して、numsベクトル内のインデックスを記録します。値が集合から削除されると、その値に対応するindexToNumの要素を再び-1に設定します。

この方法で、集合に特定の整数が含まれているかどうかの判定は、indexToNum[val] != -1をチェックすることによって簡単に行うことができ、これは$O(1)$の操作です。

改良された実装は以下の通りです:

#include <vector>
#include <cstdlib>
#include <ctime>

class RandomSet {
private:
    std::vector<int> nums; // 実際の値を保持
    std::vector<int> indexToNum; // 値からインデックスへのマッピング、集合に存在しない場合は-1

public:
    RandomSet(int size) : indexToNum(size, -1) {
        srand(time(nullptr)); // 乱数生成器の初期化
    }

    bool insert(int val) {
        if (indexToNum[val] != -1) {
            return false; // 既に存在する場合は追加しない
        }
        nums.push_back(val);
        indexToNum[val] = nums.size() - 1;
        return true;
    }

    bool remove(int val) {
        if (indexToNum[val] == -1) {
            return false; // 存在しない場合は何もしない
        }
        // 削除する要素と最後の要素を交換
        int lastElement = nums.back();
        int idx = indexToNum[val];
        nums[idx] = lastElement;
        indexToNum[lastElement] = idx;
        nums.pop_back();
        indexToNum[val] = -1;
        return true;
    }

    bool contains(int val) {
        return indexToNum[val] != -1; // 値が集合に含まれているかを判定
    }

    int getRandom() {
        int randomIndex = rand() % nums.size();
        return nums[randomIndex];
    }
};

この実装では、indexToNumベクトルを使って、整数の存在チェック、追加、削除をすべて$O(1)$で実行します。numsベクトルは、削除操作を効率化するために最後の要素との交換に使われます。これにより、ランダムに要素を選択する際に、$O(1)$で操作を行うことができます。

ChatGPTとの対話(5)

正しく動作することを確認します.

You: このプログラムが正しいことを示す動作例を示して.

ChatGPT:
以下の動作例は、提案されたプログラムが正しく機能していることを示しています:

  1. insert(1)がTrueを返し、値1を集合に追加します。
  2. insert(3)がTrueを返し、値3を集合に追加します。
  3. remove(1)がTrueを返し、値1を集合から削除します。
  4. insert(2)がTrueを返し、値2を集合に追加します。
  5. contains(3)がTrueを返し、値3が集合に存在していることを確認します。
  6. getRandom()が3を返し、集合からランダムに値3を選択します。この結果は乱数のシード値に依存します。
  7. remove(2)がTrueを返し、値2を集合から削除します。
  8. contains(2)がFalseを返し、値2が集合に存在しないことを確認します。
    これらの操作結果は、提案されたデータ構造が指定された要件(追加、削除、存在判定、ランダム選択をO(1)で行う)を満たしていることを示しています。
class RandomSet:
    def __init__(self, size):
        self.nums = [] # 実際の値を保持
        self.indexToNum = [-1] * size # 値からインデックスへのマッピング、集合に存在しない場合は-1

    def insert(self, val):
        if self.indexToNum[val] != -1:
            return False # 既に存在する場合は追加しない
        self.nums.append(val)
        self.indexToNum[val] = len(self.nums) - 1
        return True

    def remove(self, val):
        if self.indexToNum[val] == -1:
            return False # 存在しない場合は何もしない
        # 削除する要素と最後の要素を交換
        lastElement = self.nums[-1]
        idx = self.indexToNum[val]
        self.nums[idx] = lastElement
        self.indexToNum[lastElement] = idx
        self.nums.pop()
        self.indexToNum[val] = -1
        return True

    def contains(self, val):
        return self.indexToNum[val] != -1 # 値が集合に含まれているかを判定

    def getRandom(self):
        import random
        randomIndex = random.randint(0, len(self.nums) - 1)
        return self.nums[randomIndex]

# 動作例を示す
import random
random.seed(42) # 結果を再現可能にする

# サイズ5のランダムセットを初期化
randomSet = RandomSet(5)

# 追加操作
ops = [("insert", 1), ("insert", 3), ("remove", 1), ("insert", 2), ("contains", 3), ("getRandom",), ("remove", 2), ("contains", 2)]
results = []

for op in ops:
    if op[0] == "insert":
        results.append((op, randomSet.insert(op[1])))
    elif op[0] == "remove":
        results.append((op, randomSet.remove(op[1])))
    elif op[0] == "contains":
        results.append((op, randomSet.contains(op[1])))
    elif op[0] == "getRandom":
        results.append((op, randomSet.getRandom()))

Result

[(('insert', 1), True),
 (('insert', 3), True),
 (('remove', 1), True),
 (('insert', 2), True),
 (('contains', 3), True),
 (('getRandom',), 3),
 (('remove', 2), True),
 (('contains', 2), False)]

さいごに

なぜか最後はPythonになってしまいました.

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