国語が苦手
ソフトウェアエンジニアの中には、国語が苦手で、どちらかというと理系科目のほうが好きだった人が多いのではないかと思います。
私も子供の頃から国語が苦手で、筆者の意図や出題者の意図がわからなかったり、少し洒落た言い回し、暗喩がどのようにかかっているか理解できず苦労しました。
社会人になって
社会人になっても、やはり苦手意識はあり自分にはそういう仕事は向いていないと考えていました。
一方で、好きか苦手かは別として、仕事として要求されることはあるので、ちょっとした提案書、現状の分析の資料、打ち合わせ用の補足資料などをつくる機会は多くありました。
20代前半のころ、いつものように資料をつくり、顧客訪問する道中で営業担当に
「自分なんかではなく、他の人に提案資料などを書いてもらったほうが良いのでは?」
という旨を話をしたことがあります。
そのときに
「いや、山内くんの資料は他の人に比べて、とても読みやすく、わかりやすいよ。」
と言われ、長年の国語に対するコンプレックスが少し軽減されるきっかけになりました。
テクニックや文才がないからこそ
文学の世界と、ビジネス資料の世界では求められるものが異なります。
テクニックや文才がないからこそ、難しい表現ができず、平坦でフローチャートのようなシンプルな構造の文書しか書けませんが、むしろそれが喜ばれることがあります。
ときにはエモーショナルなキャッチコピーや文書が求められることもあるでしょうが、エンジニアが普段つくる文書にそれらの要素が強く求められることは稀でしょうし、そこは分業しやすいポイントでもあります。
自ら話をするなら自ら資料をつくるほうがよい
私は国語が苦手であると同様に、人前で話をするのも苦手です。
先の話と同じく、自分がどう捉えているかは別として、社会人になると仕事として要求される機会が多く発生します。
これも苦手だからこそ、テクニックがないからこそのアプローチがあります。
若手時代は上手にできない、アドリブが下手くそだからこそ何度も練習やイメージトレーニングを行いました。
また、他人が書いた提案や補足資料を説明するときにストーリーをうまく組み立てられない、意図を十分に汲み取れないため、自分が話を組み立てやすいよう自らが資料をつくることを心がけました。
説明と資料のどちらか一方を他の人に依頼したときの結果と両方を自分で手掛けるときの結果では、明らかにフィードバックや場の空気が変わります。
私のように、どちらか一方またはその両方に自信がない人こそ、話のポイントがぶれないように自ら資料の作成と説明を行うべきでしょう。
文章を書くのはプログラムを書くのと同じ
小説家でありプログラマーでもある石井大地氏がテレ東のビジネス番組で小説とプログラムを書くのは同じである旨を話していました。
最初に聞いたときは少しぎょっとして、沢山勉強をしてきた賢い人にとってはそうか、くらいに捉えていましたが、数日間その言葉が頭から離れず、よくよく考えると確かにそうだなと思うようになりました。
プログラム言語というように、言語であり機械との意思疎通の手段ではありますが、人にとってもわかりやすく、読み取れるものでなければなりません。
一般文書もプログラムコードも下記の部分においては同一です。
- 文体、コーディングルールを統一する
- 「章・節・段落」、「モジュール・ファイル・メソッド・関数」を適切な粒度で分割する
- 「登場人物・時代背景」、「モジュールや依存クラス」など後に出てくる要素は予め宣言する
石井大地氏の話も、私の国語の苦手意識軽減につながりました。
でも、未だに苦手
何かを学ぶとき、特にエンジニアが技術要素や考え方を学ぶときは読書やそれに準ずる行為が効果的で合理的な手段です。
動画や外部セミナーなどもありますが、あくまで補足的役割にしかならないと考えています。
本当は漫画や動画をみて過ごせるとよいのですが、そうも言ってられないので、たまにぼーっとページを進めてしまいは戻りを繰り返し読書を進めています。
このような文書を書くのも、おそらく一般的な人の何倍か時間がかかっています。
しかし、これまでの経験上、苦手なことも訓練すると少しはマシになってくるので、しばらくは訓練だと割り切って記事作成に励みたいと思います。
「苦手なこと」、「取り組むべきこと」を分けて考える
業務をするうえで、やりたい事とやるべき事が一致すれば楽ですが、そうとも限りません。
- やりたくない事
- やる必要がない事
- やりたい事
- 出来る事
- 出来ない事
- やるべき事
それぞれ、相関はありますが分けて考える必要があります。
ときには、苦手だしやりたくないと考えていることを、外部からは「出来ること」と感じてもらう必要が出てくるのが仕事です。
「求められるなら、まぁやるか」と考えられることがこれからの時代を生きる力かなとも考えています。
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