10年以上前に読んだ本もありますが、これまで読んだ中で情報設計や整理に役立った本をいくつかご紹介します。
Mind Hacks ―実験で知る脳と心のシステム
過去読んだオライリー本の中で一番面白いと感じました。
人間の知覚や認知はどれだけ曖昧なものか、自分自身を被写体にして体感することができました。
業務にはすぐに直結するような話でもありませんが、UI・UX、情報の整理などに深いところでつながる話だと思います。
Mind パフォーマンス Hacks
「Mind Hacks」の続編にあたるものです。
個人的には「Mind Hacks」のほうが楽しめましたが、前作も好きであれば読んでおいても良いでしょう。
アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅
「見つけやすさ」にフォーカスした本です。
他の関連書籍と中身の構成が独特で物語を読んでいるような気分になります。
良くも悪くも少し情緒的なので、一般的な技術書が好きでない人には良いかもしれません。
情報アーキテクチャ
所謂、しろくま本と呼ばれるものです。
少し読みにくい敷居が高めの本ですが、情報アーキテクチャの分野では一番有名で標準的な本なので読んでおくと良いでしょう。
情報ニーズから情報探索行動、それに伴うデザイン表現や情報の組織化などが体系的に書かれており、エンジニアだけでなくディレクターやデザイナーにも一読してほしい本です。
デザイニング・インターフェース
とても理論的でわかりやすく、読みやすい本でした。
「情報アーキテクチャ」は良い本ですが、少し難解で読んでいて眠たくなる部分もありますが、こちらの本はカラーで図も多く、理論を実践するとこうなのか、と発見もあります。
デザイニング・ウェブナビゲーション
デザイニング・インターフェースとかなり内容が重複しますが、やっぱりこちらもとても良い内容でした。
行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する
ユーザがどのようなプロセスで行動するか、プロダクトとしてどうするべきかの本です。
一般的なグラフィックデザイナーやWebデザイナーのスコープの話を想像すると、ちょっと期待と乖離するかもしれません。
新サービスやプロダクト開発を指揮するプロジェクトマネージャーやUXデザイナーが読むと良いでしょう。
内容は良いことが書いているなと思いますが、前提知識が求められるのと、学術的な話でレイヤーの低い部分での話(根本的なもの)が多いです。
だからこそ、UXという話題に限定せず読めて組織構造の改善という点でも役立つ気がします。
人は未来のことを見据えて行動できないよとか、うまくいく確信がないと行動できないよとか、意識と意思決定は必ずしも噛み合わないよとか。
また、日本語訳版限定の「日本国内における行動変容デザインの事例」はaskenやマネーフォワードなどの具体的な話が記載されているのがとても良かったです。