この記事は、3-shake Advent Calendar 2023 9日目のエントリ記事です。
技術的な話ではありません
はじめに
国語がとても苦手だった私は、社会人になったときに日本語力の無さにかなり苦労しました。そんな中、「日本語の作文技術」という本を読み、わかりやすい文章とは何か?という命題に対して一つの回答を得られてからは文章の上手い下手が少しずつ分かってきたような気がします。
今回は、上記の本を引用しながら、文章を書く上でのちょっとしたコツを書いていきます。文章全体の構成についてのマクロな話ではなく、一文一文でのわかりやすい文章の書き方の話になります。
修飾の順序
修飾するものとされるものを近くに配置する
課長はチームメンバーが私がデイリーミーティングに欠席したことを報告し不快感を抱いていた。
この文章、とても分かりづらいですね。
理由は、修飾する側とされる側がネスト上に構成されているからです。
プログラミングでも、ifやforでネストされていると読解が困難になっていくのと一緒ですね。
文章は、修飾するものとされるものが近いほど理解しやすくなります。
上記の文章は、
- 課長は → 不快感を抱いていた
- チームメンバーが → 報告し
- 私が → デイリーミーティングに欠席した
という関係になり、お互いを近くに置いてあげると、
私がデイリーミーティングに欠席したことをチームメンバーが報告し課長は不快感を抱いていた。
となり、わかりやすい文になります。
長い修飾語ほど先に、短いほど後に配置する
入手困難な白いYoutuberが紹介していたキーボードはとても高い。
白いYoutuber?
いったい何の事なのかパッと理解できません。
この文は、全てキーボードを修飾する句で組み立てられています。
- 白い → キーボード
- 入手困難な → キーボード
- Youtuberが紹介していた → キーボード
このように一つの句を複数の句が修飾する文は、長い修飾語を先にするとわかりやすくなります。
Youtuberが紹介していた入手困難な白いキーボードはとても高い。
では、白いをもう少し補足して「マルチーズのように白い」としたらどうなるでしょうか。
Youtuberが紹介していたマルチーズのように白い入手困難なキーボードはとても高い。
一瞬、youtuberがマルチーズを紹介していたかのような錯覚に陥るかもしれません。
この場合、次で述べる句点を有効活用することで解消できます。
句点の打ち方
句点はやたらめったらに打つものではなく、以下の2パターンのみに絞って使用すると文がわかりやすくなります。
長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界に点を打つ
Youtuberが紹介していたマルチーズのように白い入手困難なキーボードはとても高い。
という文に句点を打つと、
Youtuberが紹介していた、マルチーズのように白い入手困難なキーボードはとても高い。
となり、文の切れ目を明示的に作ることにより、伝えたい事の齟齬をなくしやすくなります。
逆に、「Youtuberが紹介していたマルチーズのように白い」という句であれば、
Youtuberが紹介していたマルチーズのように白い入手困難なキーボードはとても高い。
とするか
Youtuberが紹介していたマルチーズのように白い、入手困難なキーボードはとても高い。
とするとわかりやすくなります。
語順が逆順の場合テンを打つ
句は、文の最初であればあるほど重要な意味を持ちます。
私がデイリーミーティングに欠席したことをチームメンバーが報告し課長は不快感を抱いていた。
という文、何が伝えたい事でしょうか。
課長が不快感を抱いていた事を強く表現したい場合、「課長は」を文の最初にするとわかりやすくなります。
課長は私がデイリーミーティングに欠席したことをチームメンバーが報告し不快感を抱いていた。
ただ、これだと短い修飾語が先に来てしまい、若干読みづらくなるので句点を打ちます。
課長は、私がデイリーミーティングに欠席したことをチームメンバーが報告し不快感を抱いていた。
これで、課長が怒っているんだなあ、、という事をスムーズに伝えられる文になりました。
さいごに
日本語の作文技術では他にも色々なルールが紹介されていたので、興味がある方は是非読んでみてください。
この本でも書かれていましたが、大事なのはルール通りに書くことではなく、書いた文章を読んでみて「おかしいな」と思ったら、原則通りに因数分解して文を再構築することです。
まずは、「分かりやすい文章とは何か?」をインプットするだけでも作文技術は向上していくと思いました。