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「はじめに」

この記事はFreeBSD 14.3-RELEASE Release Notesの日本語訳です。翻訳時点では、普段使っている(GhostBSDが依存している)FreeBSDのバージョンが14.2-RELEASEのようですので、訳の正確さは保証できません。なので、「ふつーはそう訳さねーよ」という指摘は大歓迎です。

また、恒例のお断りですが、この文章の内容は、筆者が所属している会社・団体とは一切関わりがありません。いわゆる「自主的な研究の成果の発表」というものです。

では、以下、翻訳です。

要約

FreeBSD 14.3-RELEASEのリリースノートには、14-STABLE開発ラインでFreeBSDの基本システムに加えられた変更の概要が含まれています。この文書には、前回のリリース以降に発行された適用可能なセキュリティ勧告、およびFreeBSDカーネルとユーザーランドへの重要な変更点が記載されています。アップグレードに関するいくつかの簡単な説明もあります。

はじめに

この文書には、FreeBSD 14.3-RELEASEのリリースノートが含まれています。最近追加、変更、または削除されたFreeBSDの機能について説明しています。また、以前のバージョンのFreeBSDからのアップグレードに関する注意事項も記載しています。

このリリースノートが適用される「リリース」配布物は、14-STABLEが作成されて以来、14-STABLE開発ブランチに沿った最新のポイントを表しています。このブランチに沿ったビルド済みのバイナリリリース配布物に関する情報は、 https://www.FreeBSD.org/releases/ で見ることができます。

このリリースノートが適用される「リリース」配布物は、14.2-RELEASEと将来のX.Y-RELEASEとの間の14-STABLE開発ブランチ上のポイントを表しています。このブランチに沿ったビルド済みのバイナリリリース配布物に関する情報は、 https://www.FreeBSD.org/releases/ で見ることができます。

このFreeBSD 14.3-RELEASEは「リリース版」配布物です。この配布物は、 https://www.FreeBSD.org/releases/ またはそのミラーサイトにあります。この (あるいは他の)FreeBSDの「リリース版」配布物を入手するための詳しい情報は、FreeBSDハンドブックFreeBSDの入手方法に記載されています。

すべてのユーザには、FreeBSDをインストールする前にリリースの正誤表を参照することを推奨します。正誤表は、リリースサイクルの後半やリリース後に発見された 「最新の」情報で更新されます。典型的なものとしては、既知のバグやセキュリティ勧告、文書の修正に関する情報などがあります。FreeBSD 14.3-RELEASEの正誤表の最新版はFreeBSDのWebサイトで見ることができます。

この文書では、FreeBSD 14.2-RELEASE以降の新機能や変更点のうち、最もユーザが目にしやすいものを説明しています。一般に、ここに書かれている変更点は、MERGED機能と書かれていない限り14-STABLEブランチに固有のものです。

リリースノートの一般的な項目には、14.2-RELEASEの後に発行された最近のセキュリティ勧告、新しいドライバまたはハードウェアのサポート、新しいコマンドまたはオプション、主要なバグ修正、または提供されたソフトウェアのアップグレードが記載されています。また、主要なポート/パッケージまたはリリースエンジニアリングの実践への変更についても記載する場合があります。もちろん、リリース間でFreeBSDに加えられた変更をリリースノートにすべて列挙することはできません。この文書は主に、セキュリティ勧告、ユーザーに見える変更点、主要なアーキテクチャでの改善点に焦点を当てています。

FreeBSDの以前のリリースからのアップグレード

RELEASEバージョン(およびさまざまなセキュリティブランチのスナップショット)間のバイナリアップグレードは、freebsd-update(8)ユーティリティを使用してサポートされています。FreeBSD ハンドブックのバイナリアップグレード手順の詳細と合わせてリリース固有のアップグレード手順、FreeBSD 14.3-RELEASE アップグレード情報を参照してください。これは、FreeBSD の公式リリースの一部として配布されている、改変されていない GENERIC カーネルと同様に、 改変されていないユーザランドユーティリティも更新します。freebsd-update(8) ユーティリティは、 アップグレードされるホストがインターネットに接続されている必要があります。

/usr/src/UPDATINGの指示に従って、以前のバージョンからのソースベースのアップグレード(FreeBSDの基本システムをソースコードから再コンパイルしたもの)がサポートされています。

FreeBSDのアップグレードは、すべてのデータと構成ファイルをバックアップした後でのみ試みてください。

セキュリティと正誤表

この節では、14.2-RELEASE以降のさまざまなセキュリティ勧告と正誤表を示します。

セキュリティ勧告

勧告 日付 トピック
FreeBSD-SA-25:01.openssh 2025-01-29 OpenSSH Keystroke Obfuscation Bypass
FreeBSD-SA-25:02.fs 2025-01-29 Buffer overflow in some filesystems via NFS
FreeBSD-SA-25:03.etcupdate 2025-01-29 Unprivileged access to system files
FreeBSD-SA-25:04.ktrace 2025-01-29 Uninitialized kernel memory disclosure via ktrace(2)
FreeBSD-SA-25:05.openssh 2025-02-21 Multiple vulnerabilities in OpenSSH

正誤表

勧告 日付 トピック
FreeBSD-EN-25:01.rpc 2025-01-29 NULL pointer dereference in the NFSv4 client
FreeBSD-EN-25:02.audit 2025-01-29 System call auditing disabled by DTrace
FreeBSD-EN-25:03.tzdata 2025-01-29 Timezone database information update
FreeBSD-EN-25:04.tzdata 2025-04-10 Timezone database information update
FreeBSD-EN-25:05.expat 2025-04-10 Update expat to 2.7.1
FreeBSD-EN-25:06.daemon 2025-04-10 daemon(8) missing signals
FreeBSD-EN-25:07.openssl 2025-04-10 Update OpenSSL to 3.0.16
FreeBSD-EN-25:08.caroot 2025-04-10 Root certificate bundle update

ユーザーランド

この節では、ユーザーランドアプリケーション、提供されたソフトウェア、およびシステム ユーティリティの変更と追加について説明します。

ユーザーランドの設定変更

ユーザーランドのアプリケーションの変更点

ps(1) の -U フラグが実際のユーザ ID によってプロセスを選択するよう修正。これは、POSIX が -U オプションに命じているものであり、ほとんどのユーザがほとんどの場合に実際に必要とする挙動であることは間違いありません。以前は、-U はその実効ユーザ ID によってプロセスを選択していました (これは POSIX がオプション -u に対して義務付けている挙動です)。(FreeBSD Foundation による後援)。

ps(1) で、'-O' をより汎用的で予測可能なものに。ps(1) の表示の列のリストは、最初に -O オプションを考慮せずに構築されます。2 番目のステップで、-O オプションの引数として現れた順序で、-O 経由で渡されたすべての列が、最終的に、構築済みの表示の最初の PID 列の後に (それが存在する場合、そうでない場合は最初に) 挿入されます。 (FreeBSD Foundation による後援)。

ps(1) で、重複データを持つ明示的に要求されていない列を除去。この変更以前は、コマンドラインオプションで表示中の列を増やす場合、ユーザが (-j、-l、-u または -v オプションで) いくつかの "定型的な" 表示の追加を要求すると、その中の、すでに要求されたものと "重複する" (ヘッダがカスタマイズされているかどうかにかかわらず、同じキーワードを共有することを意味する) 列は、最終的に省略されていました。(FreeBSD Foundation による後援)。

sysctl(8) の出力に jail prison と vnet 変数をフィルタリングするためのフラグを追加。これにより、ユーザは、変数が jail prison / vnet のものかどうかを知るためにソースコードに問い合わせる必要がなくなります。

grep(1) は、再帰的な検索で、もはやデフォルトではシンボリックリンクをたどらないように。これは、マニュアルページで文書化された動作と一致します。

提供されたソフトウェア

llvm、clang、compiler-rt、libc++、libunwind、lld、lldb および openmp が llvm-project llvmorg-19.1.7-0-gcd708029e0b2(dc3f24ea8a25) に更新されました。

zfs(8): OpenZFS が zfs-2.2-release(2.2.7) に更新されました。

xz(1) が 5.8.1 に更新されました。

less(1) が v668 に更新されました。

file(1) が 5.46 に更新されました。

expat(3) が 2.7.1 に更新されました。

tzdata が 2025b に更新されました。

OpenSSH が 9.9p2 に更新されました。(FreeBSD Foundation による後援)。

OpenSSL が 3.0.16 に更新されました。

googletest が 1.14.0 から 1.15.2 に更新されました。注目すべき変更点のひとつは、GoogleTest 1.15.x が正式に C-14 を要求するようになったことです(1.14.x は C-11 を要求していました)。

spleen が Spleen 2.1.0 に更新されました。

非推奨アプリケーション

15.0 で gvinum(8) が削除されることに注意するため、非推奨の警告を更新。

syscons(4) は UEFI と互換性がなく、UTF-8 をサポートせず、Giant ロックされています。これを削除する具体的なスケジュールはまだありませんが、Giant ロックのサポートは 1 つか 2 つのメジャーリリースサイクルで廃止される見込みです。(FreeBSD Foundation による後援)。

OpenSSH は DSA 署名アルゴリズムのサポートを 2025 年初頭に削除する予定です。

publickey(5) 絡みのものは非推奨となりました。これは DES を使用するものであり、2025 年には誰もこれを使用しない可能性が高いです。

ランタイムライブラリとAPI

libcxxrt がアップストリーム 6f2fdfebcd62 に更新されました。

カーネル

この節では、他に分類されていないカーネル設定、システムチューニング、システム制御パラメータの変更について説明します。

一般的なカーネルの変更

arm64 でレガシー PCI ホットプラグをサポート。(Arm Ltd による後援)。

mac(3) 用の MAC の jail パラメータ用の共通の 'mac' ノードを定義。mac_do(4) で使用するため。 (FreeBSD Foundation による後援)。

新しい setcred() システムコールと関連する MAC フック。この新しいシステムコールは、プロセスに必要なすべてのクレデンシャルを一度に設定することを可能にします:実効、実、保存 UID、実効、実、保存 GID、補助グループ、MAC ラベルです。(setuid()、seteuid() などの) 標準的なクレデンシャル設定システムコールに対する利点は、 mac_do(4) のような MAC モジュールが、あるプロセスが得ることができるクレデンシャルのセットをきめ細かく制限することを可能にすることです。(FreeBSD Foundation による後援)。

mac_do(4) で、単一のルールのターゲットとして複数のユーザおよびグループをサポート。グループターゲットをサポートすることは、mac_do(4) が setgroups() に渡された有効な新しいグループの限定されたセットを強制できるようにするための要件です。さらに、UNIX ではユーザとグループは完全に結びついているので (ユーザは自動的に '/etc/passwd' (プライマリグループ) と '/etc/group' (補助グループ) で指定されたグループのみに配置されます)、このグループの集合もターゲットの UID に依存することが可能でなければなりません。 (FreeBSD Foundation による後援)。

sysctl(8) を jail にアタッチして実行するように。これは、子 jail が sysctl(8) をインストールしていない場合 (たとえば、軽量な OCI コンテナや スリムな jail など) に、親 jail がカーネル状態を取得または設定することを可能にします。これは、 jail prison や vnet sysctls を操作する場合に特に有用です。例えば、 sysctl -j foo -Ja または sysctl -j foo net。

vnet sysctl(9) 変数がローダーチューナブルであることを有効化。3da1cf1e88f8 で、初期ブート時に SYSCTL を初期化するカーネル環境変数が存在するかどうかを自動的にチェックするため、フラグ CTLFLAG_TUN の意味を拡張しました。これは、VNET に属する SYSCTL を除き、静的および動的に作成されたすべての SYSCTL タイプに対して機能します。この実装には制限があることに注意してください。これは非VNETローダーチューナブルと同じ動作をします。つまり、カーネルやモジュールが初期化された後、カーネル環境変数に(例えば kenv 経由で)変更を加えても、その後に作成される VNET の対応する vnet 変数には影響しません。これを克服するには、TUNABLE_XXX_FETCH を使用して、vnet 構築中にカーネル環境変数をこれらの vnet 変数にフェッチすることができます。

sound(4): vchans をオンデマンドで割り当て。pcm_chnalloc() をリファクタリングし、vchan_setnew() (現在は削除) および dsp_open() のチャネル生成の一部を新しい dsp_chn_alloc() 関数にマージ。hw.snd.vchans_enable (以前は hw.snd.maxautovchans)と dev.pcm.X.{play|rec}.vchans は、vchans の数の設定や (de-) allocate とは対照的に、vchans を有効/無効にするためだけの tunable として動作するようになりました。これらの sysctl は 割り当て(解除を) トリガーしないので、その効果は瞬時に現れます。以前は、dev.pcm.X.{play|rec}.vchans を非常に大きな値に設定すると、(新しい vchans を割り当てようとして) マシンをフリーズさせていました。(FreeBSD Foundation による後援)。

LinuxKPI: linux_alloc_pages() が __GFP_NORETRY に従うようになりました。これは、物理メモリの断片化が進むにつれて (そしておそらく他の要因によっても) 時間と共に悪化する drm-kmod での速度低下を修正するためです。 (FreeBSD Foundation による後援)。

デバイスとドライバ

この節では、14.2-RELEASE 以降のデバイスとデバイスドライバの変更と追加について説明します。

デバイスドライバ

mpi3mr(4) ドライバのバージョンが 8.14.0.2.0 に更新されました。

mpi3mr(4) MPI ヘッダがバージョン 36 に更新されました。これは最新の MPI 仕様に沿ったものです。これには、更新されたファームウェアとの互換性に必要な、更新された構造体、フィールド定義、定数が含まれます。

mpi3mr(4) ドライバが GENERIC になりました。

rtw88(4):Linux v6.14 ベースの Realtek の rtw88 ドライバをマージ。(FreeBSD Foundation による後援)。

rtw89(4):Linux v6.14 ベースの Realtek の rtw89 ドライバをマージ。(FreeBSD Foundation による後援)。

iwmbtfw(4):9260/9560 bluetooth アダプタのサポートを追加。必要なファームウェアファイルは、comms/iwmbt-firmware ポートに既に含まれています。

ena(4) ドライバのバージョンを v2.8.1 に更新。(Amazon, Inc. による後援)

ix(4):1000BASE-BX SFP モジュール x550 のサポートを追加。

bnxt(4):BCM57504 10/25GbE NIC の NPAR サポートを有効化。

bnxt(4):5760X (Thor2) の PCI ID サポートを追加。Thor2 PCI ID を追加。

bnxt(4):400G 速度モジュールのサポートを追加。

ix(4):1000BASE-BX SFP モジュールのサポートを追加。1Gbit BiDi モジュールのサポートを追加。

igc(4):I226-K および LMVP デバイスのアタッチを修正。これらのデバイス ID はドライバがアタッチする PCI ID のリストに含まれていましたが、igc_set_mac_type() がこれらのデバイスの正しい mac タイプを設定するようセットアップされていませんでした。これらの ID がエラーを返すのではなく、ドライバによって認識されるよう、これらの ID を switch ブロックに追加することで、これを修正しました。これは、ASRock Z790 PG-ITX/TB4 マザーボードの I226-K LOM 用の igc(4) のアタッチを修正し、認識および使用を可能にします。

em(4) から古い itr sysctl ハンドラを除去。この実装には種々のバグがありました。単位の変換/スケーリングが間違っており、また、82574L や igb(4) デバイスを正しく扱えないものでした。新しい AIM コードにより、ほとんどのユーザはこれを手動でチューニングする必要がなくなることが期待されます。
(BBOX.io による後援)。

uftdi(4) に Brainboxes の USB-to-Serial アダプタのサポートを追加。

非推奨および削除されたドライバ

ストレージ

この節では、ファイルシステムおよびその他のストレージサブシステム(ローカルおよびネットワークの両方)の変更と追加について説明します。

ストレージ全般

新しい -a コマンドラインオプション mountd(8) を定義。ファイルシステムが -alldirs フラグ付きでエクスポートされた場合、ディレクトリパスがサーバのファイルシステムのマウントポイントでなくても、エクスポートが成功するようになりました。

最近のファイルハンドルのレイアウトの変更に関して説明

mountd(8) で {NGROUPS_MAX} + 1 グループを渡すことを許容。NGROUPS_MAX は、単に許容される補助グループの数の最小最大値です。実際の実行時の値はもっと大きいかも知れません。それに応じて、より多くのグループを指定できるように (数コミット前の nmount(2) も同様に変更されたので)。 (FreeBSD Foundation による後援)。

ブートローダーの変更

この節では、ブートローダー、ブートメニュー、その他のブート関連の変更について説明します。

loader.efi(8):smbios(4) の v3 (64 ビット) のエントリポイントをサポート。非 EFI ブートで行われていることと一貫性を持たせるため (ただし、EFI は 64 ビットプラットフォーム上では 64 ビットモードで実行されるため、v3 のエントリポイントが 4GB 以下であるべきという制限はありません)。 (FreeBSD Foundation による後援)。

libsa(3):smbios(4) の非 EFI ブート時の v3 (64 ビット) のエントリポイントを優遇。32 ビットエントリポイントと 64 ビットエントリポイントの両方が存在する場合、SMBIOS の仕様では、64 ビットエントリポイントは常に 32 ビットエントリポイントが参照する少なくともすべての構造体を持っています。言い換えれば、32ビットのエントリポイントは互換性のために提供されているため、64ビットの方が適切な値で満たされる可能性が高いと考えられます。 (FreeBSD Foundation による後援)。

libsa(3):smbios(4) の非 EFI ブートで、テーブルが 4GB 未満の場合に 64 ビットのエントリポイントを使用。amd64 では、ブートブロックと非 EFI ローダは BTX のクライアントとして 32 ビットでコンパイルされるため、4GB を越えるアドレスにアクセスできません。しかしながら、BIOS が 32 ビットのエントリポイントを提供しない場合には、64 ビットのエントリポイントは 4GB 以下の構造体テーブルを参照できます。この状況は powerpc64 でも同様です。 (FreeBSD Foundation による後援)。

smbios(4) で、BIOS ブート時に最初に v3 (64 ビット) のエントリポイントを検索。BIOS (すなわち EFI ではなく) からブートする場合、SMBIOS エントリポイントの 64 ビット版も検索するように。これにより、Hetzner 仮想マシンで発生するような、v3 テーブルしか提供しない BIOS で、適切な SMBIOS バージョンを検出し、報告できます。両方を提供するマシンでは、EFIの場合と同様に、v3テーブルを優先的に活用します。(FreeBSD Foundation による後援)。

ネットワーク

この節では、FreeBSD のネットワークに影響する変更について説明します。

ネットワーク全般

ip6addrctl(8) が jail にアタッチし、それ自身を実行するように。これにより、特に軽量な OCI コンテナやスリムな jail に対して、vnet jail のアドレス選択ポリシーの管理が容易になります。

PF_DEFAULT_TO_DROP を pf(4) 用の vnet ローダのチューナブル変数 'net.pf.default_to_drop' に変換。7f7ef494f11d で、pf(4) のデフォルトルールを落とすようにするためのコンパイル時オプション PF_DEFAULT_TO_DROP を導入しました。この変更により、ユーザが pf(4) モジュールを再コンパイルすることなくデフォルトのルールを変更できるよう、vnet ローダの調整可能な 'net.pf.default_to_drop' を公開しました。

無線ネットワーク

LinuxKPI (特に 802.11) は暗号オフロードと 802.11n と 802.11ac 標準をサポートするように強化されました。iwlwifi(4) ワイヤレスドライバは、いくつかの Intel Wi-Fi 5、そしてすべての Intel Wi-Fi 6 と Wi-Fi 7 ハードウェアのための 802.11ac をサポートする、これらの新しい機能を利用する最初のものです。(FreeBSD Foundation による後援)

rtw88(4) ドライバが再び (associate) 動作するようになり、メモリリークが解消されました。(FreeBSD Foundation による後援)

ports ベースのソリューションと fwget(8) のサポートを優先するため、他のドライバに続いて iwlwififw(4) ファームウェアを基本システムから除去。(FreeBSD Foundation による後援)

ハードウェアのサポート

この節では、物理マシン、ハイパーバイザー、仮想化環境の一般的なハードウェアサポート、および本書の他の節に当てはまらないハードウェアの変更と更新について説明します。

14.3-RELEASE でサポートされるハードウェアのリストと、サポートされる CPU アーキテクチャの完全なリストについては、プラットフォームのページを参照してください。

仮想化のサポート

いくつかのバグ修正と設定変更により、x86 と arm64 ("Graviton") の両方の EC2 インスタンスでデバイスのホットプラグが可能になりました。以前の FreeBSD リリースから EC2 インスタンスをアップグレードするユーザは、 /boot/loader.conf で hw.pci.intx_reroute=0 と debug.acpi.quirks="56" を設定することが必要です。

文書

このセクションでは、マニュアル(man(1))のページや、基本システムに同梱されているその他の文書の変更について説明します。

manページ

ccdconfig(8) で、gvinum(8) の代わりに graid(8) および zfs(8) を参照。

ps(1): -a/-A の挙動の変更を記載。-a/-A を指定すると、他のプロセス選択オプションの存在 (フィルタのコマンドである -x/-X を除く) にかかわらず、すべてのプロセスを表示するという、変更 93a94ce731a8 の実際的な結果を文書化。(FreeBSD Foundation による後援)。

ps(1):-u の挙動の変更 (FreeBSD Foundation による後援)。

ps(1):現在のユーザのプロセスのマッチ方法を変更。 (FreeBSD Foundation による後援)。

ps(1):実効 UID を使用して現在のユーザのプロセスを照合。これにより、FreeBSD の ps(1) は POSIX に準拠します。 (FreeBSD Foundation による後援)。

mac_do(4):ルールの構文の変更。ヒントとポインタの提供。 (FreeBSD Foundation による後援)。

firewire(4):非推奨の告知を追加。これはもともと FreeBSD 15 の計画の一部として議論されていたものですが、間に合いませんでした。FreeBSD 16 の前に削除されることを期待して、非推奨の告知を追加。(FreeBSD Foundation による後援)。

portsコレクションとパッケージのインフラ

この節では、FreeBSD Ports Collection、パッケージのインフラストラクチャ、パッケージのメンテナンスとインストールツールの変更点を扱います。

新しい FreeBSD-kmods リポジトリが、デフォルトの /etc/pkg/FreeBSD.conf pkg(8) 設定ファイルに含まれています。このリポジトリには、14-STABLE ブランチではなく 14.3-RELEASE 専用にコンパイルされたカーネルモジュールが含まれています。このリポジトリからカーネルモジュールをインストールすることで、メインの 14-STABLE リポジトリに以前のリリースでビルドされたパッケージがある場合でも、不安定なカーネルインターフェイスを持つドライバ、特にグラフィックドライバが動作するようになります。

パッケージ化の変更点

将来のFreeBSDリリースに関する一般的な注意事項

FreeBSD 15.0では、armv7以外の32ビットプラットフォームのサポートは予定されていません。armv6、i386、powerpcプラットフォームは非推奨であり、削除される予定です。64ビットシステムでは、古い32ビットバイナリを実行できます。

FreeBSD 15.0およびstable/15では、armv7をTier 2アーキテクチャとしてサポートする予定です。しかし、FreeBSD 16.0ではarmv7は削除されるかもしれません。15.xと16.xの両方におけるarmv7の状況については、15.0のリリース時に改めてお知らせします。

COMPAT_FREEBSD32オプションによる64ビットプラットフォーム上での32ビットバイナリの実行のサポートは、 少なくともstable/15およびstable/16ブランチでは継続されます。cc -m32による個別の32ビットアプリケーションのコンパイルサポートも、少なくともstable/15ブランチでは継続され、適切なヘッダが/usr/includeに、ライブラリが/usr/lib32に含まれます。

FreeBSD 15.0以降のリリースでは、portsは非推奨の32ビットプラットフォームのサポートを含みません。これらの将来のリリースでは、非推奨の32ビットプラットフォーム用のバイナリパッケージやportsからのパッケージのビルドはサポートされません。

FreeBSD stable/14およびそれ以前のブランチでは、32ビットカーネルとworldのサポートは維持されます。portsは、stable/14およびそれ以前のブランチがportsシステムでサポートされている限り、32ビットシステム用のportsやパッケージの構築に関する既存のサポートを維持します。しかし、すべての32ビットプラットフォームはTier-2またはTier-3であり、アップストリームが32ビットプラットフォームを非推奨とするにつれて、個々のportsのサポートは低下していくことが予想されます。

現在のサポートスケジュールでは、stable/14はFreeBSD 14.0-RELEASEのリリースから5年後にEOL(End of Life)を迎えます。stable/14のEOLは、ソースリリース、ビルド済みパッケージ、portsからのアプリケーションのビルドサポートを含む、非推奨の32ビットプラットフォームのサポートの終了を意味します。2023年11月の14.0-RELEASEのリリースにより、非推奨の32ビットプラットフォームのサポートは2028年11月に終了します。

FreeBSD 15.0がリリースされる際には、15.0以降で非推奨とされるプラットフォームの一つ以上のサポートを拡張することで、プロジェクトはこのアプローチを変更する可能性があります。どのような変更も、コミュニティからのフィードバックと、 これらのプラットフォームをサポートするための努力によって進められるでしょう。

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