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Webアクセシビリティについて改めて考える(2018年)

Last updated at Posted at 2018-12-17

概要

本記事は、Webアクセシビリティの具体的な対応方法については述べず、Webアクセシビリティに関する大まかな概要と動向についてまとめています。「Webアクセシビリティって結局なにかれやればいいんだっけ?」というような方の参考になれば幸いです。

Webアクセシビリティとは?

高齢者や障害者など年齢的・身体的条件に関わらず、すべての人が等しく、情報にアクセスし利用できること(アクセシビリティ対応≠障害者対応)

Webアクセシビリティは大きく分けて2つに分類できる

ヒューマンリーダブル(人が理解できること)

人が身体的感覚で情報を読み取れること
見やすく、聞きやすく、探しやすい、読みやすい、区別しやすい、予測しやすい(表示や挙動)

マシンリーダブル(機械が理解できること)

機械(プログラム)が情報を読み取れること
画像や写真、動画の代替テキストを設定しているか、セマンティックなマークアップであるか

参考:次世代Webはブラウザの外にある
(余談ですがyasuhisaさんが配信されているAutomagic Podcastはアクセシビリティ関連の話題もよくされていておすすめです)

日本においての状況

2016年4月の障害者差別解消法をきっかけに、JIS X 8341-3:2016 レベルAAへの準拠が公的機関のウェブサイトに求められるようになった。また、2020年の東京オリンピック、企業のグローバル進出やそれに伴う各国の法規制など、Webアクセシビリティ対応の重要性が増している。
(実際、駆け込み需要的に自治体からのアクセシビリティについての相談や依頼が多くなったと感じます)

参考:米国でウェブアクセシビリティ訴訟は増加の一途

どのガイドラインを参考にすればいいのか

JIS規格(IS X 8341-3:2016)と国際規格(ISO/IEC 40500:2012)は、W3Cのガイドライン(WCAG2.0)と同じ内容になったため、JIS X 8341-3:2016に対応することで、WCAG 2.0にも準拠することになる。つまり、JISのガイドラインに従うことで、最低限満たしておくべき品質(アクセシビリティ)の確保ができるということ。

参考:ウェブアクセシビリティ規格「JIS X 8341-3:2016」について理解しよう

Webアクセシビリティ対応の進め方

実際に取り組むにあたって、どこから始めていいか迷う方も多いと思いますが、おおまかに下記の順序に沿って対応を進めます。比較的規模の大きいサイトでは、最初から全てのページで取り組むのは現実的ではないため、主要50ページ等対象範囲を決めてから、順次対応していきます。

  1. ウェブアクセシビリティ方針の策定(対象範囲や目標を決める)
  2. 対象範囲内で実際に取り組む
  3. ガイドラインを元に対応したページの試験を実施
  4. サイトに試験結果を公開
  5. 運用・改善

参考:
みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)
miChecker(アクセシビリティチェックツール)

各社の取り組みについて

興味のある方は、「アクセシビリティの祭典」というイベントも毎年開催されているようなので参加してみてはどうでしょうか(私は地方なので参加難しそうですが。。動画配信を切実に希望)

最後に

昨今、Webアクセシビリティと同じ文脈で「インクルーシブデザイン」という言葉を聞きますが、これは 高齢者、障がい者、外国人など、従来、デザインプロセスから除外されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込むデザイン手法 を指しているようです。

アクセシビリティ対応を行っていく上で、ガイドラインに準拠することが目的になってしまいがちですが、その先の利用するユーザーを第一に考えるということを忘れず、今後もWebアクセシビリティについて注視していきたいと思います。

参考:英語圏のウェブアクセシビリティ コミュニティで語られる「インクルーシブデザイン (inclusive design)」について
HTML5 Conference 2018でのアクセシビリティに関するセッション
アクセシビリティ、はじめよう! 〜「できない」から脱出するための20(仮)のネタ🍣〜

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