共立出版さんのWonderful Rのシリーズで「再現可能性のすゝめ―RStudioによるデータ解析とレポート作成―」という本を書きました。
公式サイト: http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320112438
Amazon: https://www.amazon.co.jp/gp/product/4320112431
概要
一言で言うと、表面的にはRStudioとRマークダウン入門みたいな感じですが真の目的は再現可能なデータ解析とレポート作成を実践するための技術を最速で身につけることです。
書籍紹介より
データ解析とレポート作成の再現性を高めよう。その先には、ボスの笑顔が待っている。
RStudioを使いこなそう。その先には、旨いお鮨が待っている。
Rマークダウンをマスターしよう。その先には、明るい未来が待っている。
ということで、データ解析業務に関わり始めた人、これから関わりたい人、ステップアップしたい人にオススメです。
実は、Rでデータ解析を多少やってる大半の人がすでにRマークダウンを使ってると思っていたんですが、どうも周囲の反応を見てみるとそうでもないようで、思ったより需要があるかもしれません。
- Rを使ってるけどRマークダウンを使ってない人
- これからRを使う人
には役立ちます。
前著「ドキュメント・プレゼンテーション生成」との関係
なお、前のUseful Rの「ドキュメント・プレゼンテーション生成」との関係ですが、
「再現可能性のすゝめ」ですが、データ解析とレポート作成を始めましたっ!という人たちには是非とも読んで手を動かして身につけてほしい一方で、身近のRおじさんたちからは「内容薄っ」って言われそうで怖いです。前のドキュメント本よりも相当初心者向けなので、そういうことでお願いします。
— kohske (@kohske) 2018年4月27日
順番としては「すゝめ」である程度身につけて、もっと効率あげたいレポートカスタマイズしたいという人にはドキュメント本を、という流れなので、ドキュメント本を一通り理解されている方にはこの本からは学ぶことはないんじゃないかと思います。すいません。とか言うと販促的にまずいのかな。
— kohske (@kohske) 2018年4月27日
ありがとうございます!まさに書かれている通り、魔術的なトピックは極力避けてます。前のドキュメント本はレベル20くらいの人向けの打倒バラモス対策みたいなつもりでしたが、今回はレベル1の人が転職できるようになるまでみたいな感じです。 https://t.co/JHlIVhfbBo
— kohske (@kohske) 2018年5月5日
こういうような雰囲気です。
感想ブログ
すでに感想ブログを書いていただいています。ありがとうございます
- https://notchained.hatenablog.com/entry/2018/05/05/203259
- https://ksmzn.hatenablog.com/entry/Wonderful-R-03
また、伝説の名著「StanとRでベイズ統計モデリング」(同じくシリーズWonderful R)の著者の松浦さんの暖かいお言葉です。
高橋先生の「再現可能性のすゝめ」、1章のデータ解析をたこ焼きに例えて「究極のたこ焼きを作ることを目標にするのではなく、究極のたこ焼きを作るためのレシピを仕上げることを目指そう。レシピさえあれば、いつでも誰にでも、その究極のたこ焼きを再現することが可能になる。」が最高に良かった。
— Kentaro Matsuura (@hankagosa) 2018年5月8日
余談
全然関係ないんですが、丁度タイミングよくggplot2のauthorに追加されました。
— Hiroaki Yutani (@yutannihilation) 2018年5月8日
自分が書いたコードがだいぶなくなってきたので(つまりggplot2が順調に成長しているということ)、忘れないようにHadleyが加えてくれたんだと思います。
「再現可能性のすゝめ」にはそんなHadleyからのコメント、Knitrの作者Yihuiからのコメントものってます。
Yihuiはcomicdownパッケージの準備に向けてアップを開始したみたいです(経緯は本の中のYihuiのコメントを読んでもらえばわかります)。
Haha, comicdown actually sounds like a good idea!
— Yihui Xie (@xieyihui) 2018年5月9日
おわりに
本書を執筆するにあたり、共立出版編集部の皆様、およびWonderful R編集委員のRおじさんたちには大変お世話になりました。ありがとうございました。
少し裏話をしておくと、本書は「紙による校正」を一切行っておりません。原稿の執筆はRStudioでbookdownパッケージを使い(ただしエディタはemacs)、githubでバージョン管理してました。校正時は、github上で校正ブランチ作ってmdに対する校正をpushをしてもらいました。それを反映させて最終稿一歩手前を作った後に、mdからtexに変換して、出版用スタイルをあてて、ほぼ書籍と同じものが出来上がりました。最終の校正は同じくgithub上でtexに対して校正をpushしてもらいました。おかげさまで、校正してもらったものを原稿に反映させる作業が大幅に効率化できました。
このプロセスは著者である私の方から提案したもので、普通は却下されると思うんですが、柔軟に対応していただいた編集部の皆様には大変感謝しております。
また @kazutan さんの解説記事にも大変お世話になりました。ありがとうございます。次回、Rマークダウン関連の本が出るとしたら、きっと著者は @kazutan さんに違いないと思います。
それでは、本書を読んだ皆様が美味しいをゲットできることを切に願っております。
2018年5月10日 高橋康介