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外向きに負荷分散するロードバランサーのお話

Last updated at Posted at 2022-11-08

負荷、分散してますか?

今回はちょっと特殊なロードバランサーをご紹介したいと思います。

ロードバランサーの使い方としては皆さんご存じの通り、このように
インターネットからのユーザーアクセスを受けて、Webサーバー等に
通信負荷を分散する、という用途が一般的かと思います。
1.png

そう、ロードバランサーといえば
「外からの通信を内部に分散する」
という内向きの負荷分散機器ですよね。

ところが実は
「外向きに負荷分散できるロードバランサー」
というものが存在するんです。

…何言ってるかわかんないですよね。

イスラエルに本社を迎えるRadware(ラドウェア)という企業の
Alteon(アルテオン)という機器は、インターネットに向けて
ロードバランシングを可能としています。

どういう使い方をするの?という疑問が浮かびますが
これから私が経験した使い方を説明していきます。

ユーザーからのVPN通信を負荷分散する

VPN基本構成

まず、VPN接続の基本はこうですね。
2.png
①ユーザーがVPN接続用ドメイン(xxx.co.jp)へアクセス
②DNSが名前解決し、VPN接続先IPをユーザーに教える
③DNSから教わったIPへアクセスし、VPN接続確立
  →社内NWへアクセスできるようになる

ユーザー数が数百人くらいであればこれで全く問題ないんですが
数千人~万人ほどになると、ルーターやインターネット回線への
通信負荷がちょっと不安になりますよね。

そんな時にAlteonを導入することで、このように負荷を分散できます。

Alteonを使用したVPN構成

こちらの構成例でお話しします。注目すべきはこの2点です。
・Alteonへインターネット回線を複数本敷設(今回は4本)
・インターネット上のDNSだけでなく、AlteonにもDNS機能がある
3.png

すると、VPN接続までのフローはこうなります。
4.png
①ユーザーがVPN接続用ドメイン(xxx.co.jp)へアクセス
②DNSが名前解決し、AlteonのDNS用IPをユーザーに教える
③ユーザーがAlteon DNSへアクセス
④Alteonが各インターネット回線の負荷を確認し、最も余裕がある回線を判断して
 その回線のIP(bbb.bbb.bbb.bbb)をユーザーに教える
⑤ユーザーがAlteonから教わったIPへアクセスし、VPN接続確立
  →社内NWへアクセスできるようになる

このような構成にすることで、大規模なユーザー数でも1回線に負荷が偏ることなく
安定したトラフィックを保つことが可能となります。
(もちろん社内NWがボトルネックにならないように、LANも太くする必要はあります)
5.png

Alteonなしで構成する場合は
①インターネット回線を10Gbps回線にする
②インターネットプロバイダに複数の1Gbps回線を束ねてもらう
③AWS Route53を使って複数回線へ分散する
などが考えられますが
① →冗長化ができない(回線障害があったら全ユーザーがアクセス不可)
② →たぶん分散方式の指定ができない(プロバイダ任せになるので期待通りの分散にならない)
③ →たぶんラウンドロビンでしか分散できない(回線負荷を判断して分散してくれない)
という足かせがあるはずなので、ちゃんと分散したい場合はちょっと微妙かと思います。

その点Alteonであればラウンドロビンはもちろん、LeastConnectionやWeightでの分散も
可能なので、設計がしやすいと思います。
※分散方式の説明は今回はしないので、気になる方は調べてみてください

以上、外向きに負荷分散できるロードバランサーのお話でした。

良いロードバランシングライフを!

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