あらまし
やんごとなき事情により、Microsoft Office(2016も、そして2007も)から数式エディタが消えた。
Office数式エディタのRCE脆弱性を悪用したマルウェアが登場、IPAが注意喚起 internet watch
オブジェクト形式の為、Office以外でも、一太郎・花子などでも利用できたが、この度利用できなくなった。我々はもう、ラテックスと呼ばれる未知のソフトに頼るしかないのか(釣り針)。そして、過去に蓄えた資産を編集するすべは、ないのか。
否、ある。
それは元の数式エディタ(MathType3.0相当)の最新版、MathType6 lite/評価版の導入で、可能になる。
MathType6系統 評価版 のダウンロード
以降の項目からは、2018-01-31現在の話になる。
大体は、英語版の方がバージョンが新しいようだ。
英語版 6.9c
Welcome Microsoft Equation Editor 3.0 users
このページはマイクロソフトサポートからも掲載されている:
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4057882/error-when-editing-an-equation-in-office
日本語版 6.9a
評価版のダウンロード
ここから評価版をダウンロードする。
MathType6系統 評価版 のインストール
インストール中、初回30日間はフルで試用できる旨が表示される。評価版を試用するかたちで進めること。
他、インストーラ自体には特記事項はない。
使い方
Excelなら、挿入リボン→オブジェクト→「MathType 6.0 Equation」で作成可能。編集時はオブジェクトを右クリックで「Equationオブジェクト」を選ぶこと。
MathType 評価版とLite
30日間経過すると機能削減版になる。今まで作成した数式はそのまま編集可能だ。Liteを使い続けても問題ないケースは多いだろう。
余談ではあるが、当方ではwindows timeを変更して期限切れ状態を確認した。その状態でも当方の環境では不満なく使えたことを記す。
以降は日本語版ヘルプドキュメントからの転記だ:
数式ファイルの保存と印刷ができません。
ツールバーのシンボルとテンプレートパレットのみが使用できます。
パレットに追加されたMathTypeのシンボルやテンプレートを使えません。
WordのMathTypeマクロは使えません。
シンボル挿入ダイアログは見えません。
カラーメニューは見えません。 (存在する色は使えます)
認識できる関数リストのカスタマイズができません。
各種設定ファイルは、読み込むことも保存することもできません。
キーボードショートカットを定義することはできません。
ルーラーとタブストップが使えません。
数式をTeXまたはMathMLに変換できません。
TexとMathMLをMathTypeに貼り付けることができません。多くのWebサイトではTeXやMathMLを使えますが、MathTypeで作業するWebサイト、フォーラム、ブログでは大きな制限となるでしょう。
以下のコマンドが使えません。
3D表示
括弧書式の設定
サイズ>大きく、サイズ>小さく
ユーザー1、ユーザー2のスタイルとサイズ
Web/GIFの設定
作業環境の設定(ツールバーボタンサイズ、空白スロットの太さと色など)
MathTypeの買い方
だが、上記の機能が欲しいヘビーユーザーも多いことだろう。
幸いにして、MathTypeは数学を扱うソフトの中では安い部類かと考える。なお私の環境では購入を見送った為、ここから先はリンクしか紹介できない。後はがんばれ。
英語版
日本語版
余談
- Matlabと比較して安いと思ったが……って、Matlab個人パッケージ安いな!?
- 転記にあった全角英語を半角英語に直すのに、Pythonのmojimojiパッケージを利用した。便利だった(女子小学生並感)
- とはいえ、Officeで使う事が前提で、過去のファイルに対して編集できるなら、この機会にMSが作ったOffice標準の機能「数式ツール」に置き換える方が良いとは思う。LaTeX書式いけるし。