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webpackとBabelの基本を理解する(2) ―Babel編―

Last updated at Posted at 2019-03-03

独学の内容をまとめたものです。誤りがございましたら、ご連絡いただけると幸いです。

リンク

  1. webpackとBabelの基本を理解する(1) ―webpack編―
  2. webpackとBabelの基本を理解する(2) ―Babel編―(本記事)
  3. webpackとBabelの基本を理解する(3) ―webpackとBabel編―
  4. webpackとBabelの基本を理解する(4) ―React編―
  5. webpackとBabelの基本を理解する(5) ―Sass編―

概要

この記事の概要

  • 目的
    • フロントエンドの環境構築に利用されるツールへの理解を深める
  • 本記事のゴール
    • Babelで最新のJS構文を環境に応じたバージョンに変換する方法を知る
  • 対象者
    • WEBフロント担当者
    • HTML,CSS,JavaScript(es2015含む)の基本的な構文を理解している人
    • npmの利用方法を理解している人
  • 環境・バージョン
    • Windows10
    • Node.js(推奨版) 10.15.01
    • npm 6.4.1
    • babel-core 7.3.4
    • babel-cli 7.2.3
    • preset-env 7.3.4

Babel

JavaScriptのコンパイラです。トランスパイラとも呼ばれています。公式サイトはcompilerと呼んでいます。
主に、es2015以降の新しい構文をes5の構文に変換するのに利用されています。もちろん、設定によってはes2018→es2015といった記述方法も可能です。その他にも、ReactのJSXやTypeScriptの変換にも使われます。

Babel

Babelの導入

インストール

npmで三つのパッケージをインストールします。

$ npm install @babel/core @babel/cli @babel/preset-env --save-dev
  • @babel/core: Babel本体
  • @babel/cli: コマンドライン操作用
  • @babel/preset-env: 変換内容設定用

.babelrcによる設定

Babelはそのままでは何も変換してはくれないので、どのように変換するのかを事前に設定します。作業フォルダのルートに.babelrcを作成し、JSON形式で設定情報を追記していきます。

sample/
  ├ src/
  │   ├ component/
  │   │    └ test.js
  │   └ index.js 
  ├ dist/
  ├ webpack.config.js
  └ .babelrc

ひとまず、.babelrcに下記設定情報を書きます。(解説は後述)

{
  "presets": ["@babel/preset-env"]
}

コンパイルする

下記内容で、before.jsを用意します。
es2015で配列に対してスプレッド演算子が導入されましたが、es2018ではオブジェクトでも利用できるようになりました。もちろんレガシーなブラウザでは使えません。

/**
 * before.js
 */ 
{
  const data = {
    hoge: 'hoooooo',
    fuga: 'gaaaaaa',
    piyo: 'piiiii'
  };

  const { hoge, ...other } = data;

  console.log(hoge, other);
}
const hoge = 'mumumu';

そして、同フォルダ内で下記コマンドを実行します。

$ npx babel before.js --out-file after.js

同じフォルダ内にafter.jsが作成されます。
いろいろコードが増えていますが、es2015で導入されたconstが、varに変換されていたり、スプレッド構文が分解されていたりします。

/**
 * after.js
 */ 
"use strict";

function _objectWithoutProperties(source, excluded) {...}

function _objectWithoutPropertiesLoose(source, excluded) {...}

{
  var data = {
    hoge: 'hoooooo',
    fuga: 'gaaaaaa',
    piyo: 'piiiii'
  };

  var _hoge = data.hoge,
      other = _objectWithoutProperties(data, ["hoge"]);

  console.log(_hoge, other);
}
var hoge = 'mumumu';

ブロックはそのままなのですが、varはブロックスコープに対応していません。その為、ブロック内の変数hogeは、グローバル変数hogeと名前が衝突しないよう、アンダーバーが追加されています。

import/export
Babelではファイルのバンドルまでは行わない為、import/export文はNode.jsのrequire文に置き換えられるのみです。

Babelがどんな風に変換されるかは、オンラインで確認できます。
BABEL REPL

Presets

プリセット(Presets)の基本

プリセットは、Babelが変換処理を行う際に利用するプラグインのコレクションです。設定情報を基に、コンパイルに必要なプラグインのリストをBabel本体に渡す役割をしているそうです。2019年2月現在、公式では下記4つのプリセットが用意されています。その他にもいろいろ開発されています。

利用したいプリセットをインストールした後、配列で名前を指定します。後ろから順に適用されます。下記のケースでは、typescript → react → env の順で実行されます。

{
  "presets": ["@babel/preset-env", "@babel/preset-react", "@babel/preset-typescript"]
}

各プリセットにて詳細な設定をしたい場合は、配列で囲みます。0番目に名前、1番目に設定情報です。

{
  "presets": [
    ["@babel/preset-env", {<@babel/preset-envの設定値>}],
    "@babel/preset-react",
    "@babel/preset-typescript"
  ]
}

@babel/preset-env

@babel/preset-envは、出力したいECMAScriptのバージョンを指定するためのプリセットです。基本的には、サポートしたい範囲(ブラウザバージョンやブラウザシェア、サポートの可否など)を指定します。指定内容に応じて適切なバージョンのJSに変換されるようにしてくれます。特に何も指定しない場合は、一律es5の構文に変換されます。
下記の設定は、Chrome40以上・iOS10以上をサポート対象とした場合です。es5で出力されました。

{
  "presets": [
    ["@babel/preset-env", {
        "targets": [
          "chrome 40",
          "iOS 10"
        ]
      }
    ]
  ]
}

cover 80% in JPは、ブラウザシェア率を基に日本で80%のユーザをカバーするという指定です。es5で出力されました。モダンブラウザの新しいバージョンを指定すると、es2015以降のバージョンで出力されます。

環境の指定方法は多岐にわたるので、こちらもあわせてご確認ください。
Browserslist

PolyfillとuseBuiltInsオプション

初期設定では、@babel/preset-envが行うのは構文の変換のみです。Promisegeneratorなど、新たに追加された機能の変換には対応していません。オプションで、useBuiltInsusageを指定すると、必要に応じてPolyfill(代替コード)に変換してくれます。(初期値はfalse)

{
  "presets": [
    ["@babel/preset-env", {
        "targets": [...],
        "useBuiltIns": "usage"
      }
    ]
  ]
}

@babel/polyfill

2019年2月現在、「useBuiltIns:'usage'」の項目には「experimental(実験的)」とあります。お使いの環境でうまく動かなかった場合は、@babel/polyfillと「useBuiltIns:'entry'」の合わせ業もあります。

@babel/polyfillをインストール

$ npm install @babel/polyfill --save

アプリ(サイト)内の一箇所にだけ、下記インポート文を記述します。複数個所に記述するとエラーとなるそうです。この記述は、必要に応じて個別のpolyfillのインポート文に書き換えられます。

// 記述する内容
import "@babel/polyfill";


// 最終的に個別のimport文に変換される
import "core-js/modules/es7.string.pad-start";
import "core-js/modules/es7.string.pad-end";

ガイド: @babel/preset-env

設定ファイルをpackage.jsonにまとめる

設定ファイルを増やしたくない場合は、package.jsonにまとめることも可能です。babelという項目を追加します。記述方法は.babelrcの場合と同様です。また前回のwebpack同様、コマンドをscriptsに登録して利用することも可能です。

{
  "name": "sample",
  "version": "1.0.0",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "build": "babel ./src/index.js --out-file ./dist/index.js"
  },
  "devDependencies": {
    "@babel/cli": "^7.2.3",
    "@babel/core": "^7.2.4",
    "@babel/preset-env": "^7.3.4",
    "webpack": "^4.29.6",
    "webpack-cli": "^3.2.3"
  },
  "babel": {
    "presets": ["@babel/preset-env", {
        "targets": [...],
        "useBuiltIns": "usage"
      }
    ]
  }
}

以上がBabelの基本(の一部)となります。設定方法一つとっても手段が多種多様で迷います。。。
次回は、Babelでバベりつつwebpackでバンドっていきたいと思います。

参考情報

今更のバベる。 Babel 7を試してみたメモ
@babel/preset-envのuseBuiltInsを使ってpolyfillする
.babelrcと.eslintはpackage.jsonに

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