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この記事は、株式会社Bitkey Advent Calendar 2023 23日目の記事です。
株式会社ビットキーの瀬戸と申します。
よろしくお願いします。

はじめに

マネジメントの話をします。
技術の話はしません。

本項における成功例の話もしません。
成功したかどうかを論じるほど期間が経ってないからです。

結論、マネジメントって難しいよねっていう話しかしないので、
そういう話が読みたい方は読んでみてください。

前提

・ プロダクト開発のエンジニアチームのマネージャーをしています。
・ 6人のメンバー + 2人の業務委託のマネジメントをしています。
・ マネージャー経験はあまりありません。

本題

私が思うマネジメントとは何かの定義を先にします。
私が思うマネジメントとは、チームの価値の最大化 = 組織の価値の最大化です。
価値とは、本項では組織ミッションの達成と拡大と捉えています。

諸説あるかと思いますが、
本項では組織の価値の最大化 ≒ 組織ミッションの達成を実現するためには
人の増加が重要だということを前提として書いています。

とはいえ、ただ人が増えていけばいいのか、
という話でいうとNoだと思います。

翻ってチームの価値を最大化するために必要なことは下記だと考えています。

チームに人を追加しても問題ないような体制を整える

つまり、マネジメントとはチームに人が増えても(組織に人が増えても)
問題ない体制を作るということです。

 人を増やせる土台を作ることがマネジメントの醍醐味

人が増えても問題ない体制とは

人が増えても問題ない体制とは
・ プロダクトのドキュメントが揃っている
・ プロダクトのコードが簡潔で、テストが十全で修正しやすい
・ 開発プロセスが明確でわかりやすい
・ メンバーの技術力が高く、他のメンバーの成長を促すことができる
・ ...etc

ここら辺は技術的な話なので、言及しません。

今回はマネージャーが増えることが銀の弾丸だという体で話をします。

マネージャーが増えることによって、
チームの体制は盤石になり、
かつ広がりを持つことができると仮定します。

チームの成長のために、
マネージャーは他のマネージャーが増えるように動いたほうが良い

マネージャーを増やす努力が大事という話なのでご留意ください。
健全なチーム運営のためにマネージャー以外の役割(テックリードなど)は非常に重要だと思っています。

唯一無二の銀の弾丸である

マネージャーが増えることによるメリットの一つは、意思決定者が増えることです。

先ほどは無視しましたが、
マネージャーの仕事のうち、意思決定をすることというのがあります。
不確実性の高い状況および仕事に対して常に意思決定を求められます。

意思決定をするためには、その対象に対して深い見識が必要です。
(たとえば、自社のプロダクトについての理解など。)

マネージャーが増えない状態で人数だけ増えるとどうなるでしょうか。
意思決定を求められる領域が増え続けます。

たとえばプロダクトが増えれば増えるほど、複雑になればなるほど
意思決定は難しくなります。

一人では無理です。
なのでマネージャーが多いほうがいいです。

コミュニケーションパスにも密接に関わります。
人が増えれば増えるほどコミュニケーションパスは複雑になります。
コミュニケーションパスが複雑になればなるほど意思決定は難しくなります。
できる限りコミュニケーションパスをシンプルにする努力が必要です。
その一つの選択肢が、マネージャーを増やすことによって、
チームの人数を分割し、コミュニケーションパスを洗練させることです。

文化的側面にも関わります。
特にスタートアップ企業において、ある程度企業が成長している段階だと
創業当初にjoinした人と後からjoinした人だと大事としている文化、社風や前提知識に差が生まれます。
立場が明確に違うとなるとさらに顕著です
立場が離れれば離れるほど言葉は伝わりづらくなると思っています。
マネージャーを増やすことによってその立場の差を少し埋めることができます。
創業当初の文化を後からjoinしたマネージャーと認識を合わせることによって、
考え方の循環を生むことができます。
創業当初にjoinした人とメンバー層のコミュニケーションの断絶を防ぐことができます。

このように、組織の拡大にマネージャーが必須である組織であればあるほど、
マネージャーを増やす努力が必要だと考えます。

しかし銀の弾丸などない

前述したマネジメントの定義でいうと、
チームの価値を最大化するということは、マネージャーを増やすことです。
しかし、マネージャーをやりたい人が多いかというとどうでしょうか。
難しそうだし、失敗したら怖いと思いませんか?

マネジメントは失敗の連続だと思っています。

考え方も出自も違うメンバーのマネジメントは難しく、
フェーズによって方法論も変わります。
そのため、マネジメントは失敗を前提とする必要があります。

失敗した時のフォロー体制は整備しておくとよいと感じます。
たとえば下記の通りです。

・ メンバーとのコミュニケーションに失敗してしまった時の連絡経路を整備しておく
・ 定期的に他のマネージャーと相談できる状態となっている

マネジメント業務を離れる選択肢が用意しておくのは特に大事です。
本項ではマネジメントは失敗が前提なので、マネージャーは失敗し続けることになります。

いくら失敗すると言ってもそれを振り返る機会がないのは辛いです。
ある程度失敗したら一度リフレッシュする期間も必要です。

私は一度マネージャーから外れた時に、
初めてマネジメントについて考えました。

また、今はマネージャー以外のことがやりたいなという時に、
マネジメントから離れられなくなると大変です。
自分しかマネジメントできないという状態はできる限り避けたほうが良いかと思います。

マネジメントは根本的に難しいので失敗することを前提として体制を組むと良い
マネージャー層の負担軽減にもつながるし柔軟なキャリアの選択肢を提示できる

難しいことは分割せよ

マネージャーを増やすためには、
マネージャーになる敷居を下げることが大事です。

敷居を下げるためには、マネージャーの役割を定義する必要があります。
マネージャーは自分がやっている仕事を定義し、役割に落とし込む必要があります。

役割に落とし込むことで、分割し他の人に渡すことができます。
分割することによって、マネージャーの負荷は結果的に下がるため、
自分しかマネジメントができない、という状況からも脱却できます。

マネージャーは自身の仕事を役割化し、
分割し、他の人に渡すことによって自分の負荷軽減と同時に
他のマネージャーの育成をすることにも繋がります。

マネージャーの仕事はできる限り分割し渡していくと
自身のキャリアの柔軟性にもつながるし育成にもつながるので良い

組織論への挑戦

マネジメントの醍醐味は組織の拡大に直結することです。
マネジメントを楽しいと思うためには、組織論へ興味を持つことが大事だと思います。
チームの拡大を目指す先には、組織の拡大があります。

自分が組織を成長させていくことに興味がある人は、ぜひ考えてみてください。

新たな挑戦のために

本項はマネージャーは増やした方がいいよという話ですが
誰も彼もマネージャーになるべきだとは思っていません。

マネージャーはやりたい人がやったほうが良いと思います。
または、少しでも興味を持った人がやったほうが良いと思います。

マネージャーは必然的に失敗が多くなるし悩むことも多いからです。
そもそもマネージャーがキャリアの全てだと思っていません。
いくつものキャリアがあっていいと思います。

しかし興味を持ってもらう努力はしたほうがよいと思います。
なぜマネージャーが必要なのか。
マネージャーは何をしたほうがよいのか。

そして、初めてマネージャーをする人へのフォロー体制が整えば、
やってみたい人は増えるかもしれません。

さらに、その先のマネジメントの面白さを感じる人がもっと増えれば、
組織の可能性はさらに広がると信じています。

結論

・マネジメントはマネージャーを増やすのが大事
・マネジメントは失敗するため、失敗を前提で体制を組んだほうが良い
・マネジメントは一度離れてみることも有効
・マネジメントは難しいけど楽しい

以上

おわりに

マネジメントの話をするのは難しいです。
記事を書いていると、自分なりのマネジメントの話になるからです。

今回は、その中でも自分なりにマネージャーとして重要視していることと、
感覚として他でも使えそうだなと思ったことだけ書いています。
そのため、だいぶ限定的な話をしていますがご容赦ください。

マネジメントは組織論と文化にも密接に関わると思ってます。
そのため、具体の成功例を一般化して自分たちに適用するのが難しいということが敬遠(偏見)される原因なのかなと思っていますが、その役割が組織を成長させるために必要なことだと思っています。

楽しくマネジメントしましょう。

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