この記事について
Cisco Packet Tracerを用いてネットワーク構築を行います。
レベル:初めてCisco Packet Tracerを触る方向け
内容:
- 事前準備
- 画面説明
- 機器の配置
- IPアドレスの設定
- スタティックルーティング
- ダイナミックルーティング(RIP)
*5が2つあります。1~4を行った後, 5スタティックルーティング、1~4を行った後, 5ダイナミックルーティングという意味です。
1. 事前準備
Cisco Packet Tracerのインストールをしてください。
以前Slackのgeneral channelにインストール資料を投げたので、それを見てインストールしてください。
2. 画面の説明
Cisco Packet Tracerを最初に起動したときの画面が以下のようになります。
以下の画面が実際に配置するルータやケーブルの置いてある場所です。
絵にカーソルを合わせると名前が出てくるので、それを選択しルータやケーブルをドラッグアンドドロップして配線してください。
3. 機器の配置
下の写真のようにPC×3、2911ルータ×3を配置する。
PCとルータをCopper Straight-Throughケーブル(黒の線)でつなぐ。
ルータとルータをCopper Cross-Overケーブル(黒の点線)でつなぐ。
注意
PC、ルータをケーブルでつなぐ際に画像にあるインターフェースと同じでないと、これより先のコードを設定しても動かなくなります。
4. IPアドレスの設定
4.1: IPアドレスの設定(PC)
設定したいPCを選択し、DesktopタブからIP Configurationに進みます。
IPv4 Address、Subnet Mask、Default Gatewayを以下のように設定します。
PC | IPv4 Address | Subnet Mask | Default Gateway |
---|---|---|---|
PC0 | 192.168.1.1 | 255.255.255.0 | 192.168.1.254 |
PC1 | 192.168.2.1 | 255.255.255.0 | 192.168.2.254 |
PC2 | 192.168.3.1 | 255.255.255.0 | 192.168.3.254 |
以下の画面の下線が着いているところに設定してください。
また設定が終わったら、青い枠で囲んだ✖ボタンを押してください。
*3台それぞれに設定を行ってください。
4.2: IPアドレスの設定(ルーター)
設定したいルータを選択し、CLIのタブで設定を行います。
警告
これより後で出てくるすべてのコードは、特権EXECモード(#)の状態から実行してください。特権EXECモードに入るにはenable
コマンドを入力します。
IPアドレスの設定方法
ルータのインターフェースはデフォルト状態でシャットダウンされているためno shutdown
が必要。
enable
configure terminal
interface <設定するインターフェース>
ip address <IPアドレス> <サブネットマスク>
no shutdown
ルータ0の設定
enable
configure terminal
interface gigabitethernet 0/0
ip address 192.168.1.254 255.255.255.0
no shutdown
exit
interface gigabitethernet 0/1
ip address 200.10.0.10 255.255.255.0
no shutdown
exit
interface gigabitethernet 0/2
ip address 200.20.0.10 255.255.255.0
no shutdown
exit
ルータ1
enable
configure terminal
interface gigabitethernet 0/0
ip address 192.168.2.254 255.255.255.0
no shutdown
exit
interface gigabitethernet 0/1
ip address 200.10.0.20 255.255.255.0
no shutdown
exit
interface gigabitethernet 0/2
ip address 200.30.0.20 255.255.255.0
no shutdown
exit
ルータ2
enable
configure terminal
interface gigabitethernet 0/0
ip address 192.168.3.254 255.255.255.0
no shutdown
exit
interface gigabitethernet 0/1
ip address 200.20.0.30 255.255.255.0
no shutdown
exit
interface gigabitethernet 0/2
ip address 200.30.0.30 255.255.255.0
no shutdown
exit
5: スタティックルーティング
スタティックルーティングでは、ルーティングテーブルを一個一個設定します。何もルーティング設定を行っていない状態だと、他のネットワークには通信することができません。確認してみましょう。
疎通確認方法
・PCからの場合
Desktopタブ > Command Prompt
・ルータからの場合
ユーザEXECモード(>)または特権EXECモード(#)
ping <相手のIPアドレス>
スタティックルートの設定
スタティックルーティングの設定方法
configure terminal
ip route <宛先のネットワーク> <宛先のサブネットマスク> <宛先に行くために次送るべきネットワーク>
ルータ0
enable
configure terminal
ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 200.10.0.20
ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 200.20.0.30
ルータ1
enable
configure terminal
ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 200.10.0.10
ip route 192.168.3.0 255.255.255.0 200.30.0.30
ルータ2
enable
configure terminal
ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 200.20.0.10
ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 200.30.0.20
ルーティングテーブルの確認
show ip route
疎通確認
ping <相手のIPアドレス>
5. ダイナミックルーティング
警告
5:ダイナミックルーティングは, 5:スタティックルーティングの続きではありません。1~4を行った後これより下の操作を行ってください。
ダイナミックルーティングでは、スタティックルーティングとは違いルーティングプロトコルを用いて自動でルーティングテーブルが作成されます。ルーティングプロトコルとしてRIPを用いる。RIPではホップ数(経由ルータの数)によってルートを決定する。
RIPの設定方法
enable
configure terminal
router rip
version 2
network <RIPを有効にするインタフェースのネットワークアドレス>
ルータ0
enable
configure terminal
router rip
version 2
network 192.168.1.0
network 200.10.0.0
network 200.20.0.0
ルータ1
enable
configure terminal
router rip
version 2
network 192.168.2.0
network 200.10.0.0
network 200.30.0.0
ルータ2
enable
configure terminal
router rip
version 2
network 192.168.3.0
network 200.20.0.0
network 200.30.0.0
ルーティングテーブルの確認
show ip route
疎通確認
すべてのPCで通信できることを確認しよう。
ping <相手のIPアドレス>
どこか1本ケーブルを削除(故障を想定)してもう一度疎通確認してみよう。
ダイナミックルーティングでは、経路が使えなくなった場合自動的に他のルートに切り替わります。