NoSQLの体系的なまとめ
データベースにはリレーショナルデータベース(RDB)以外にもさまざまな種類が存在します。これらは一般に「NoSQL(Not only SQL)」と呼ばれ、用途や特性に応じて以下のように分類できます。
1. キー・バリューストア型(Key-Value Store)
キーと値の単純な組み合わせでデータを管理する方式です。
特徴
- 非常にシンプルで高速。
- 柔軟な構造で自由にデータを格納。
- キャッシュや高速な読み書きが求められる用途に適しています。
具体例
- Redis(キャッシュやリアルタイム処理)
- Amazon DynamoDB(高スケーラビリティ)
2. ドキュメント指向型(Document Store)
データをJSONやXMLなどのドキュメント形式で格納・管理するデータベースです。
特徴
- 柔軟なスキーマを持ち、データ構造の変更に強い。
- 複雑で階層的なデータ構造を保存可能。
- Webアプリケーションなどでよく使用されます。
具体例
- MongoDB(人気が高く、多くのアプリで利用)
- CouchDB(同期機能やモバイル向けに特化)
3. 列指向型(Wide Column Store)
データを列単位で格納し、分析や集計処理に適した構造を持つデータベースです。
特徴
- 大量データの分析や処理を高速化。
- 分散環境における高いスケーラビリティ。
- ビッグデータ処理や時系列データ解析向け。
具体例
- Apache Cassandra(分散環境で高可用性)
- Apache HBase(Hadoopエコシステムに特化)
4. グラフ型(Graph Database)
ノード(頂点)とエッジ(辺)の関係でデータを管理し、データ間の複雑な関係性を効率的に処理します。
特徴
- データ間の関係性に特化。
- ネットワーク状の複雑な関係の処理に最適。
- SNSやレコメンデーション機能に適用されます。
具体例
- Neo4j(代表的なグラフDB)
- Amazon Neptune(AWS提供のグラフDBサービス)
データベース種類の比較まとめ
種類 | 特徴 | 用途例 | 具体例 |
---|---|---|---|
キーバリュー型 | シンプル、高速 | キャッシュ、セッション管理 | Redis, DynamoDB |
ドキュメント型 | 柔軟なデータ構造 | Webアプリ、モバイルアプリケーション | MongoDB, CouchDB |
列指向型 | 大量データ分析に最適 | ビッグデータ、時系列データ分析 | Cassandra, HBase |
グラフ型 | 複雑な関係性を高速処理 | SNS、レコメンド、ネットワーク分析 | Neo4j, Amazon Neptune |