TTL(Time to Live)とは?
TTL(Time to Live) は、ネットワークやDNSにおいてデータの有効期限を指定するための値です。この値は、パケットやキャッシュデータがどれだけの時間(またはホップ数)有効であるかを示します。
1. TTLの基本的な役割
ネットワークにおけるTTL
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目的:
- ループ防止:パケットが無限にネットワークを回り続けることを防ぐ。
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仕組み:
- パケットがルーターを通過するたびにTTL値が1減少します。
- TTL値が0になると、パケットは破棄されます。
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例:
- IPヘッダーにTTLフィールドが含まれており、通常はデフォルト値が64、128、または255に設定されます。
DNSにおけるTTL
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目的:
- DNSキャッシュの有効期間を指定し、トラフィックを削減しつつ、可用性を向上。
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仕組み:
- DNSクライアントやDNSサーバーが、キャッシュデータを一定期間保持する時間を指定します。
- TTLが切れると、新しいクエリを実行して最新のデータを取得します。
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例:
- レコードに設定されたTTL値が300秒(5分)であれば、DNSキャッシュは5分間有効。
2. TTLの単位
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秒(Seconds) で指定されます。
- ネットワークとDNSの両方で共通の単位。
3. TTLの調整と影響
DNSでのTTL値の調整
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短いTTL値:
- 変更が頻繁にあるリソースに適用。
- 例: CDNや動的なロードバランシング。
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長いTTL値:
- 変更が少ないリソースに適用。
- 例: 静的なウェブサイトや安定したサービス。
ネットワークでのTTLの調整
- 通常はシステムやアプリケーションでデフォルト値が設定されており、手動で変更するケースは少ない。
4. TTLのユースケース
ネットワーク
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トラブルシューティング:
- ツール(例:
traceroute
)で使用。 - TTLを利用して経路上のルーターを特定。
- ツール(例:
DNS
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キャッシュの最適化:
- DNSリクエスト数を削減して、パフォーマンスを向上。
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変更の即時反映:
- TTLを短く設定し、レコード変更の反映速度を向上。
5. TTLの例
DNSレコードでのTTL設定
example.com. 300 IN A 192.0.2.1