RTSP(Real Time Streaming Protocol)とは?
RTSPは、動画や音声などのストリーミングメディアを扱うために設計された通信プロトコルです。
簡単に言うと、「リアルタイムの映像や音声をネットワーク越しに再生・制御するための“ルール”」のことです。
1. どういうときに使うの?
- IPカメラや監視カメラの映像をリアルタイムに配信する
- ネットワーク上でライブストリーミングを行う
- クライアント(再生側)から再生/停止/シークなどをリモートで指示したい
RTSPは動画・音声データ自体を運ぶ役目だけではなく、
「ストリームをどう再生するか・どのくらいの速度で送るか・途中から再生するにはどうするか」
といった制御コマンドを取り扱う点が特徴です。
2. 具体的なイメージ
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クライアント(再生する側)
- 動画プレイヤーや監視システム、ブラウザ拡張などが該当します。
- 「○○というストリームを再生したい」「一時停止したい」「この時間から再開したい」という命令をRTSP経由で送ります。
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サーバ(配信元)
- IPカメラや映像配信サーバが、映像や音声データを保有しています。
- クライアントのリクエストを受け取って、RTPという別のプロトコルで映像・音声データをネットワークに流します。
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RTSPの流れ
- SETUP: クライアントがサーバに「ストリームを見たい」とセットアップを依頼
- PLAY: 実際に「再生を開始」
- PAUSE/TEARDOWN: 「一時停止」や「再生を終了」の制御
3. RTSPとRTPの違い
- RTSP: 主に「制御」や「どんな映像をどう再生するか」をやり取りするプロトコル
- RTP(Real-time Transport Protocol): 実際の「映像・音声のデータ」を運ぶプロトコル
RTSPが「再生開始して」「再生やめて」と命令を出し、
RTPが「動画データ」のパケットをクライアントに送り届ける、
という役割分担になっています。
4. よくある利用シーン
- 監視カメラ: ネットワーク経由で録画機やモニタに映像を流すときにRTSPが使われることが多い
- メディアサーバ: ライブ配信(ライブストリーミング)サービスで、RTSPで映像を受け付け、別の形式に変換して配信する場合もある
- 動画検証ツール: RTSPでカメラの映像を取り込み、リアルタイム分析や録画を行うソフトウェア
5. まとめ
- リアルタイム性: RTSPは映像や音声を「リアルタイム」で扱うために特化したプロトコル
- 制御コマンド: RTSPを使えば、ネットワーク越しで「再生」「停止」「時間指定で再生」などの操作ができる
- RTPとセット: 実際のデータ伝送はRTPなど別のプロトコルを使い、RTSPはあくまでも“指示”や“やり取り”を担当
ネットワークカメラやストリーミング関連の分野では非常にポピュラーなプロトコルなので、
「ネットワーク越しの映像・音声配信にはRTSPがよく使われる」というイメージを持っておくと分かりやすいです。