データベースにおけるB-treeインデックスとは?
データベースのパフォーマンスを最適化するために広く使われているのが「B-treeインデックス」です。本記事では、B-treeインデックスの仕組みや特性、メリット・デメリットを具体例と共に解説します。
🔹 B-treeインデックスとは?
B-tree(Balanced-tree、バランス木)は、データベース内で大量のデータから迅速に目的のデータを探し出すために使われるツリー構造です。データはソートされた状態で保持され、検索やソート処理を効率よく行うことができます。
🔹 B-treeインデックスの構造
B-treeは主に以下の3つのノードから構成されています。
- ルートノード (Root Node):最上位に位置し、検索の起点。
- 内部ノード (Internal Node):ルートと葉の間に位置し、データ検索を左右のノードへ誘導。
- 葉ノード (Leaf Node):実際のデータまたはデータへのポインタを格納。
以下の図は簡略化したB-treeの構造例です。
[50]
/ \
[10, 20, 30] [60, 70, 80]
全ての葉ノードが同じ深さを持つことで、検索性能が安定します。
🔹 B-treeインデックスの検索の仕組み(具体例)
例えば、以下のデータを考えます。
[10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80]
B-treeインデックスで整理すると、以下のようになります。
[40]
/ \
[10,20,30] [50,60,70,80]
ここで、「70」を検索すると、
- まずルートの「40」を見て、70は40より大きいため右側のノードへ。
- 次のノードで即座に「70」を見つけられます。
この仕組みにより、大量のデータでも非常に高速に目的のデータを見つけられます。
🔹 B-treeインデックスのメリットとデメリット
メリット
- 完全一致検索が高速になる。
- 範囲検索(例:日時の範囲指定など)にも非常に有効。
- データがソートされているため、並べ替え処理にも効率的。
デメリット
- 部分一致検索(LIKE '%abc%'など)や全文検索には適さない。
- 更新頻度が非常に高い場合、インデックスの再構築に伴うオーバーヘッドが発生。
🔹 B-treeインデックスの使用例(SQL)
実際にSQLでインデックスを作成する例を見てみましょう。
-- インデックスを作成する例
CREATE INDEX idx_employee_name ON employees (name);
このインデックスにより、以下のようなクエリの実行速度が向上します。
SELECT * FROM employees WHERE name = '佐藤';
SELECT * FROM employees WHERE name BETWEEN 'あ' AND 'か';
🔹 まとめ
B-treeインデックスはデータベースの検索やソート性能を大幅に向上させるための重要な仕組みです。特に、大規模データベースや検索処理の多いシステムでの利用に適しています。B-treeインデックスの特性を理解して、データベース設計やパフォーマンスチューニングに役立てましょう。