SQL, psql, cqlsh の違いについて
SQL(Structured Query Language)
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概要
SQL は、リレーショナルデータベースの操作や管理を行うための標準的なクエリ言語です。
データの抽出、挿入、更新、削除、スキーマの定義など、あらゆるデータベース操作に用いられます。 -
特徴
- ANSI/ISO によって標準化されている
- MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Server、SQLite など、多くのリレーショナルデータベースで採用されている
- 基本的な構文は共通しているが、データベースごとに拡張や文法の差異が存在する
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用途
データベースに対するクエリの記述、データ操作(CRUD 操作)、データ定義(DDL)、データ制御(DCL)など
psql
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概要
psql は、PostgreSQL 用の対話型コマンドラインツール(シェル)です。
PostgreSQL データベースに接続し、SQL コマンドを実行するための専用クライアントとして利用されます。 -
特徴
- PostgreSQL に特化しており、PostgreSQL 固有の拡張機能やメタコマンド(例:
\d
でテーブル一覧の表示)が利用可能 - インタラクティブに SQL クエリの実行、スクリプトの実行、データベース管理ができる
- PostgreSQL の設定確認やデバッグ、管理作業に便利なツール
- PostgreSQL に特化しており、PostgreSQL 固有の拡張機能やメタコマンド(例:
-
用途
- PostgreSQL データベースへの接続と管理
- SQL クエリの実行および結果の確認
- データベーススキーマの確認や変更、システム管理作業
cqlsh
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概要
cqlsh は、Apache Cassandra のための対話型コマンドラインシェルです。
Cassandra が採用するクエリ言語である CQL(Cassandra Query Language)を実行するために利用されます。 -
特徴
- SQL に似た文法を持つ CQL を使用するが、Cassandra の分散アーキテクチャに合わせた設計となっている
- Apache Cassandra の特性(分散データベース、スケーラビリティ、可用性)に合わせたコマンドやオプションが用意されている
- インタラクティブシェルとして、データの操作、クラスターの状態確認、スクリプトの実行などが可能
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用途
- Apache Cassandra クラスターへの接続と管理
- CQL を用いたデータの取得、挿入、更新、削除
- キースペースやテーブルの定義、変更
SQL, psql, cqlsh の比較
項目 | SQL | psql | cqlsh |
---|---|---|---|
定義 | リレーショナルデータベース操作の標準クエリ言語 | PostgreSQL 用の対話型コマンドラインツール | Apache Cassandra 用の対話型コマンドシェル |
対象データベース | 一般的なリレーショナルデータベース | PostgreSQL | Apache Cassandra |
使用するクエリ言語 | SQL | SQL(PostgreSQL の拡張を含む) | CQL (Cassandra Query Language) |
主な用途 | データの抽出・操作・定義 | PostgreSQL の管理、クエリ実行 | Cassandra の管理、CQL クエリ実行 |
まとめ
- SQL は、リレーショナルデータベース全般で使用される共通のクエリ言語です。
- psql は、PostgreSQL 専用の CLI ツールで、SQL を用いてデータベース管理やクエリの実行が行えます。
- cqlsh は、Apache Cassandra 用の対話型シェルで、CQL を使用してデータ操作やクラスター管理を行います。
それぞれのツールや言語は、対象とするデータベースの種類や設計思想に基づいており、用途に応じて使い分けることが重要です。