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#0037(2024/02/07)RAID0, 1, 5, 6

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RAID レベルの解説

RAID (Redundant Array of Independent Disks) は、複数のハードディスクを組み合わせて、性能向上や**冗長性(データ保護)**を実現する技術です。
ここでは、代表的な RAID レベルである RAID 0RAID 1RAID 5RAID 6 について解説します。


RAID 0

概要:
RAID 0 は「ストライピング」と呼ばれる手法で、データを複数のディスクに分散して書き込む方式です。
これにより、読み書きのパフォーマンスが大幅に向上しますが、冗長性は一切なく、1 台のディスクが故障すると全データが失われるリスクがあります。

特徴:

  • メリット:
    • 高速な読み書き性能を実現
    • 全ディスクの容量を利用可能
  • デメリット:
    • 冗長性がないため、データ保護ができない
    • 1 台のディスク故障で全体のデータが失われる

用途:

  • 一時的なデータ処理やキャッシュ用途
  • 高速性が最重要な環境(ただし、データの安全性は他の手段で担保する必要がある)

RAID 1

概要:
RAID 1 は「ミラーリング」と呼ばれ、同じデータを複数のディスクに同時に書き込む方式です。
1 台のディスクが故障しても、他のディスクにデータがそのまま存在するため、高い冗長性が確保されます。

特徴:

  • メリット:
    • 高いデータ冗長性
    • 1 台のディスク障害時でもシステムが継続可能
  • デメリット:
    • 使用可能な容量はディスク容量の半分に制限される
    • コスト効率が低い(同じデータを複数保存するため)

用途:

  • ミッションクリティカルなシステム
  • 高いデータ保護が求められるサーバーやワークステーション

RAID 5

概要:
RAID 5 は、データとパリティ情報を複数のディスクに分散して格納する方式です。
1 台のディスクが故障しても、パリティ情報を元に故障ディスクのデータを再構築できるため、冗長性とストレージ効率のバランスが取れています。

特徴:

  • メリット:
    • 冗長性と容量効率のバランスが良い
    • 1 台のディスク障害に対してデータ保護が可能
  • デメリット:
    • パリティ計算による書き込みオーバーヘッドが存在する
    • 書き込み性能が RAID 0 や RAID 1 に比べて低下する場合がある

用途:

  • ファイルサーバーや一般的なサーバー環境
  • バランスの取れたパフォーマンスと冗長性が必要なシステム

RAID 6

概要:
RAID 6 は、RAID 5 の仕組みに加え、ダブルパリティを使用することで、同時に 2 台のディスク障害に耐えることができる方式です。
より高い冗長性が求められる環境で採用されますが、その分、パリティ計算の負荷が増し、書き込み性能に影響を及ぼすことがあります。

特徴:

  • メリット:
    • 同時に 2 台のディスクが故障してもデータが保護される
    • 非常に高い冗長性を提供
  • デメリット:
    • RAID 5 よりもパリティ計算のオーバーヘッドが大きい
    • 使用可能な容量がさらに低下する
    • 書き込み性能が低下しがち

用途:

  • データセンターや大規模ストレージシステム
  • 重要なデータを扱う環境で、極めて高い冗長性が必要な場合

まとめ

RAID レベル 主な特徴 メリット デメリット
RAID 0 データをストライピング 高速な読み書き、全容量利用 冗長性なし、1台故障で全データ損失
RAID 1 ミラーリング 高い冗長性、障害時も継続可能 容量効率が低い、コストが高い
RAID 5 分散パリティによる冗長性と容量効率の両立 バランスの取れた性能と冗長性 書き込みオーバーヘッド、1台障害に限定
RAID 6 ダブルパリティによる高冗長性 極めて高い冗長性(2台故障耐性) 書き込み性能の低下、容量効率がさらに悪化

それぞれの RAID レベルは、パフォーマンス冗長性容量効率 のトレードオフを考慮して選択する必要があります。
システムの要件や利用目的に応じて、最適な RAID 構成を採用することで、データ保護と性能向上のバランスを実現できます。

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