開発工数見積手法
ソフトウェア開発における工数見積はプロジェクト管理において重要な作業です。特にアジャイル開発でよく使われる手法として、「プランニングポーカー」と「フィボナッチ工数見積」があります。それぞれの特徴とメリットを解説します。
1. プランニングポーカー(Planning Poker)とは?
プランニングポーカーは、チームメンバーが各開発タスクの工数を相互に意見を出し合いながら推定する手法です。
やり方
- チームメンバー全員がカード(またはオンラインツール)を使って見積数字を示します。
- 全員が同時に数字をオープンし、異なる数字を提示したメンバーはその理由を説明します。
- チーム内での議論と合意を繰り返しながら、見積を統一します。
利点
- 意見の偏りを防ぎ、チームメンバーの認識を統一できます。
- チーム全員の意見を聞くことで、タスクの理解度や問題点を早期に洗い出せます。
2. フィボナッチ工数見積とは?
フィボナッチ工数見積は、フィボナッチ数列(1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, ...)を使って、各タスクの複雑さや規模を見積もる手法です。
なぜフィボナッチ数列を使うのか?
- 工数が大きくなるほど正確な見積が難しくなり、小さい単位での細かな見積もりは意味を持ちにくくなるため、自然と大きく間隔が広がる数列を使うことで、現実的な見積りが可能になります。
やり方
- 各タスクに対し、フィボナッチ数列の数値でサイズを見積ります。
- 数字が大きいほど複雑さや不確実性が高いことを示します。
- 見積の差が大きければ、タスクの分割や詳細な検討が必要というサインになります。
利点
- 工数見積の曖昧さを効果的に扱い、不確実性を直感的に表現できます。
- 不必要な詳細見積を避け、チームの見積精度を効率的に向上できます。
まとめ
- プランニングポーカー:チームの合意形成を促し、意識共有が目的。
- フィボナッチ工数見積:見積もりの不確実性を合理的に表現し、効率的に規模感を掴むことが目的。