GraphQLとは?使い方とREST APIとの違いを徹底解説
GraphQL(グラフキューエル)は、Facebookが開発したAPI向けのクエリ言語およびランタイム環境で、クライアントが効率よく柔軟にデータを取得できる仕組みを提供します。本記事では、GraphQLの基本的な概念や使い方、従来のREST APIとの違いについて解説します。
🔹 GraphQLの特徴
GraphQLは以下のような特徴を持ちます。
- クライアント側が必要なデータのみを指定して取得可能
- 単一エンドポイントで効率的なデータ取得を実現
- データ取得の際のオーバーフェッチやアンダーフェッチを回避
🔹 REST APIとの比較
REST APIには次のような問題点があります。
- オーバーフェッチング(過剰取得):不要なデータまで送信される
- アンダーフェッチング(不足取得):必要なデータが複数のエンドポイントに散らばる
GraphQLでは、以下のようにREST APIの問題を解決します。
項目 | REST API | GraphQL |
---|---|---|
エンドポイント数 | 複数エンドポイント | 単一エンドポイント |
取得データ | サーバ側が定義した形式 | クライアントが自由に指定 |
ネットワーク効率 | 必要以上のデータ取得あり | 必要なデータのみ取得 |
🔹 GraphQLの具体的な使い方
クエリ例
例えば、「ユーザーの名前と投稿した記事タイトルのみ取得する」場合のクエリ例です。
query {
user(id: "123") {
name
posts {
title
}
}
}
サーバーレスポンスの例
{
"data": {
"user": {
"name": "田中太郎",
"posts": [
{ "title": "GraphQL入門" },
{ "title": "REST APIとの違い" }
]
}
}
}
🔹 GraphQL API構築方法
Step 1: スキーマ定義
APIのデータ構造をスキーマとして定義します。
type Query {
user(id: ID!): User
}
type User {
id: ID!
name: String!
posts: [Post!]!
}
type Post {
id: ID!
title: String!
content: String
}
Step 2: リゾルバ作成
クエリ実行時にデータ取得処理を行うのがリゾルバです。
const resolvers = {
Query: {
user: (_, { id }) => {
return getUserById(id);
},
},
User: {
posts: (user) => {
return getPostsByUserId(user.id);
},
},
};
🔹 メリットとデメリット
メリット
- 必要なデータだけを取得できる
- 柔軟なクエリ設計が可能
- クライアント側の柔軟性とネットワーク効率が向上
デメリット
- クエリが複雑化する可能性がある
- キャッシュ戦略やパフォーマンス最適化の工夫が必要
- 初期のスキーマ設計に手間がかかる
🔹 GraphQLが使われる代表的な環境
- クライアントサイド:React(Apollo Client、Relay)、Vue.js、Angularなど
- サーバーサイド:Node.js(Apollo Server、Express GraphQL)、Python(Graphene)、Ruby(graphql-ruby)、Java(graphql-java)など
🔹 まとめ
GraphQLは、REST APIが抱える課題を解決し、クライアント側がより柔軟で効率的にデータを取得できるよう設計された技術です。API設計やフロントエンド開発において、GraphQLを選択肢の一つとして検討してみてください。