Windowsのタスクマネージャー「メモリ」タブの詳しい解説
Windowsのタスクマネージャーに表示されるメモリ関連の各項目について、原理やハードウェアを交えつつ詳しく解説します。
🔹 PCのメモリ(RAM)とは?
PCのメモリ(RAM: Random Access Memory)は、高速でCPUが直接アクセス可能な一時的な記憶領域です。現在実行中のプログラムやファイルを保存し、迅速な読み書きを行います。
物理メモリ不足時は、ディスクを使った「仮想メモリ(ページファイル)」で補完しますが、パフォーマンスが低下します。
🔹 タスクマネージャー各項目の意味
① 使用中(圧縮)
- 実際にアプリやシステムが使っている物理メモリ量。
- Windows 10以降、メモリ不足時にデータを圧縮し高速化を図ります。
② 利用可能(Available)
- すぐに使用可能なメモリ領域。
- 数値が大きいほど動作に余裕があります。
③ コミット済み(Commit)
- OSが使える仮想メモリ総量(物理メモリ+ページファイル)に対する予約済み容量。
- 例えば「6.5/63.8GB」なら、現在6.5GB使用中で、物理メモリ+ページファイル合計が約63.8GB。
④ キャッシュ済み(Cached)
- 最近使ったデータを再利用するために一時保存したメモリ容量。
- 必要時には即座に解放されます。
⑤ ページプール(Paged Pool)
- システムやドライバが使うメモリで、必要に応じてディスクにスワップ可能な領域。
⑥ 非ページプール(Non-Paged Pool)
- 常に物理メモリに保持され、ディスクにスワップされない重要なデータ領域。
- システムの重要データが格納されます。
🔹 各項目とハードウェアの関係
項目 | 物理メモリ(RAM) | 仮想メモリ(ページファイル) | 用途・特性 |
---|---|---|---|
使用中(圧縮) | 利用 | 不使用(圧縮で対応) | 圧縮による高速化 |
利用可能 | 利用 | 不使用 | 即座に使える |
コミット済み | 利用 | 利用 | メモリ予約量 |
キャッシュ済み | 利用 | 不使用 | 高速アクセス用キャッシュ |
ページプール | 利用 | 状況により利用 | スワップ可能 |
非ページプール | 常時利用 | 不使用 | スワップ不可・重要 |
🔹 メモリ管理の判断基準
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使用中やコミット済みが高い場合
- メモリ増設を検討。
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キャッシュ済みが多く、利用可能が少ない場合
- 通常は問題なし(自動調整)。
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非ページプールが異常に高い場合
- ドライバ異常の可能性あり。再起動や更新を推奨。
🔹 まとめ
タスクマネージャーの各メモリ項目は、PCの物理メモリと仮想メモリの管理状態を示します。各項目を理解し、メモリ管理やパフォーマンスの最適化に役立てましょう。