2つ前の記事から続いているProj.4ネタ、pj_transformの動作確認をするのにiOS開発環境を使ったので、その設定方法を。
iOSでのProj.4の導入方法は、こちらの記事でも紹介されていて、Route-meも私もずっと使ってた良プロダクトなので一緒に広まってくれれば嬉しいのだけど、Proj.4だけを使うなら別解もあるのでご紹介を。
cocoapodsを使う
cocoapodsは、iOS開発環境向けのパッケージ管理システムです。
知ってる人ならこれだけで説明終了なのかもしれません。
私は知らなかったので、同様に知らない人のためにざっくり手順説明しますと、
cocoapodsのインストール
まずcocoapods自身をインストールします。
Macのデフォルトrubyで大丈夫なようです。
sudo gem install cocoapods
これだけでうまくいかなければ、こちらあたりを参照してください。
Xcode commandline toolのインストール
proj.4のコンパイルにcommandline toolが必要なので、インストールします。
Xcodeのバージョンに応じて、Preferenceから選択するとか、xcode-selectコマンドを実行するとか情報が錯綜してますが、MarvericksでXcode5.0.2の環境では、こちらの記事のやり方が正しいようです。
また、もうちょっと先の手順、pod installの実行時に
LoadError - no such file to load -- xcodeproj/prebuilt/universal-darwin13.0-1.8.7/xcodeproj_ext
こういうエラーが出て停止する場合は、やはりcommandline toolが入ってないか古い事が原因なので、この項に沿ってcommandline toolをインストールしてください。
新しいXcodeプロジェクトを作成する
Proj.4を導入したいプロジェクトをXcodeで作ります。
既にあるプロジェクトに導入する場合は、必要ないです。
作った後は、コマンドライン作業になるので一旦Xcodeを落とします。
Podfileを作る
Podfileというのは、cocoapodsのどのパッケージを導入するかをまとめた設定ファイルです。
コマンドラインでXcodeプロジェクトのディレクトリに移り、その直下にPodfileという名前で以下の内容を書きます。
platform :ios
pod 'proj4'
pod installを実行する
Podfileを作ったXcodeプロジェクトのディレクトリ直下で、次のコマンドを実行します。
pod install
するとProj.4のパッケージがダウンロードされて、コンパイルされて、最終的に プロジェクト名.xcworkspace というファイルが出来ます。
プロジェクト名.xcworkspace をXcodeで開く
通常、Xcodeの開発では、 プロジェクト名.xcodeproj ファイルでプロジェクトを開くと思いますが、cocoapodsでパッケージ導入後は、 プロジェクト名.xcworkspace ファイルを開いて開発するようにします。
proj_api.hをimportして開発
プロジェクトを開くと、自プロジェクトの他にProj.4のプロジェクトも読み込まれ、リンクも張られているので、後は
# import <proj_api.h>
を書いてProj.4のAPIを使えばOKです。
使い方の基本は、先に紹介した記事と同じなので割愛します。
SpatialDBKitを使えば、その他のプロダクトも導入可能
以上、cocoapodsを使ったProj.4の導入法を紹介しましたが、その他の有名なFOSS4Gライブラリ群、GEOSやspatialite等も、SpatialDBKitという名前でcocoapodsに登録されていますので、同様に簡単に導入することができます。