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【Sphinx拡張】索引と用語集のかな文字対応

Last updated at Posted at 2021-09-27

#~開発者向けのアレコレ雑記~

次の記事は利用者向けとして、こちらは開発者向けの記事。

※と言っても、要点は全てdocstringに書いてあります。

###💻開発環境

  • Windows10/cygwin64
  • pip 21.2.4
  • Sphinx 4.2.0 (当時は4.1.2)

#1.きっかけ

書き貯めたreSTファイルの量が増えて来て、それぞれのファイルにある情報を繋げたり、横断的に渡り歩きたいと考えるようになりました。

「Sphinx 索引 日本語」で探して見つけたページで紹介されていたのが「Yogsyu(用語集)」でした。

この時は気づいていませんでしたが、.. glossary:: でのソート機能はあくまでも同じディレクティブ内に留まります。索引ページとは別です。

そのままでは使えずエラーには対処したのですが、索引では思う通りに表示されません。日本語対応とは関係なくglossaryの仕様なんですが、この時は混同していたので「よくわからん」という感想で終わりました。

#2.実装アイデア

ちょっと不完全燃焼だったのでぼーっと考えていたのですが、そこで「用語の頭に読みをつければどうだろう?」と思い付きました。そうすれば、自前でソートをアレコレ考えることはなくSphinxが対応してくれます。終わったら、表示の直前に読みの文字列を取り除けばいいわけです。

ここから、「表示処理の部分を探す調査」に入りました。

#3.目的の処理を探す方法

手探りなので主に egrep を使った力技です。関連情報を調べたり。

見つけたきっかけもすっかり忘れたので、索引ページは比較的容易に見つかったのだと思います。オリジナルをなくさないように注意しながら、コードを直接弄っての絞り込み。print(…) #KaKKou という感じで入れ込んだ場所を忘れないようにしながら変更して行きました。

こういう時が RCS の使い所です。(使いませんでした)

  1. cp -p __init__.py __init__.py.prig 何はともあれ最初に。
  2. vi __init__.py
  3. cp __init__.py.081021 その日の作業の終りに。もしくは作業の開始に。

…というようにやっていました。

最悪入れ直しても手元のプロジェクトには影響ないので、「これくらいでOK」と判断しました。共有環境なら絶対にやりません。

.. glossary のあるページの、表示処理の特定には苦労しました。今なら把握していますが、あの方法は見つけられません。最終的に、表示内容をブラウザーの開発者ツールで見た時特徴的な文字列があり、それを手がかりに見つけました。

#4.Sphinxのオブジェクト

こんな感じです。

  1. Elementクラスがオブジェクト間のツリー構造を定義する。
  2. 各クラスはこれを継承する。(Partクラスの意図はわかりません)
  3. Translatorクラスに、対応する表示用メソッドが定義されている。
  4. add_node() でメソッドを追加する。

Elementクラスで次のように定義されています。

  1. 子オブジェクトをリストとして持つ。
  2. 本人の属性情報は辞書として持つ。

この構造を頼りにオブジェクトを探索するのが、Nodeクラス。探索した時に適切な「visit_{クラス名}」を呼び出すのがNodeVisitorクラスで、Nodeクラス内では visitor オブジェクトとして使われています。

コードを直接弄って期待する動作になった頃は対応していませんでしたが、拡張機能として提供することに決めた時、「要はTextクラスの上位互換なクラスを作ればいい」と思い至ります。ロールについての表示処理は、まだ良くわかっていません。

#5.表示処理に関係するクラス

クラスを継承して改良したクラス/メソッドです。

###🐭KanaTextノード

Textクラスを継承。

  • ここで「かな|言葉^オプション」のアレコレをやっています。
  • node.astext() と読んだ時はTextクラスと同じ挙動になりますが、 node.astext('html') とすることで専用の処理になります。
  • geindex.htmlテンプレートのためのリストデータは、 node.aslist() で返します。

###🐄KanaHTML5Translator

visit_termメソッドの内容を変更。

  • 目的のTextノードをここで捕捉して、KanaTextノードに置き換えます。
  • 表示はadd_nodeで登録したメソッドが行います。

本来であれば .. glossary でデータを拾っている時にKanaTextクラスにすべきなんですが、「GlossaryクラスでKanaTextクラスに差し替える」とやっても、termクラスが継承しているTextElementクラス内でTextクラスで代入して意味がなくなります。うまく入り込む隙間が見つかりませんでした。

###🐯KanaHTMLBuilder

この中の write_genindex() で索引ページ用データを並べ替える処理が行われます。

  • IndexEntries(self.env).create_index(self)で並び替え。
  • genindex.htmlにデータを渡して索引ページを表示。

InddexEntries を弄るのは諦めました。リストオブジェクトのソート処理で評価用関数をlambdaで渡すのですが、祓魔殿です。

genindex.html は使われている変数の定義場所がPythonコード内にあると思い込んでいて苦労しましたが、そこに気づいたら後は調子よく進みました。

  1. マクロを新たに定義
  2. {{ firstname|e }}}{{ kana_entry(fisrtname) }} と変更

これでイケます。

###🐇IndexEntries.create_index()

渡すデータのデータ構造は分かっていたので、使い始めたunittestを利用して出力データを見てみました。そしたら、ここで「glossaryだけ編集した時は make clean からやらないと表示がおかしくなる」が確認できました。IN/OUTのデータ構造はわかり、直せそうだったのでインデクサーを作りました。

自前のインデクサーはこんな流れです。

  1. [ソート用文字列, (最終形のデータを作るために必要なデータセット)] を作る。
  2. ソート用文字 作ってソートする
  3. ソートされた順番に沿って、表示用のデータを作る。

一種類のソート用文字列で上手くソートできるように次の処理をしています。

  1. 各データ要素の最大長を調べる。
  2. この最大長になるように半角スペースで埋めて、全て固定長にする。
  3. この固定長を「|」を挟んでつなげて一つの固定長文字列を作る。

最後のデータを作成する処理は最初は不安定でしたが、各ステップでのデータの位置づけを勘違いしないように丁寧に変数を当てたら解消できました。

#6.その他

###古いバージョンとの互換性

4.1.2より古いバージョンで動くかどうか確認していません。恐らくですが、同じrstファイルに対して、make html, make kana がエラーなく実行され、diff -r build/html build/kana に差異がなければ問題ないと思います。

###sqlite3

処理中のデータを入れてみるものを作りましたが、秒未満で終わっていた処理が数秒掛かるようになったので止めました。処理途中の状況が後でじっくり確認できるので、学習用にはいいかもしれません。

sphinxcontrib.textstyle

:ruby:`言葉<よみ>` と表記するとルビ対応してくれるロール(?)です。

  • 本拡張でも、書式は 田中あかり<たなかあかり^12c> とすべきか?と悩みました。

あとで気づいた :index: ロールの書式を見て、全体の統一感から、当初案のままでいくことにしました。

#以上

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